アルファ電子株式会社
「う米めん」

アルファ電子株式会社は、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

アイディア特別賞「う米めん」

福島県天栄村に本社を構えるアルファ電子株式会社。電子部品の製造販売を行うこの会社で、米粉を使った麺「う米めん」が誕生しました。なぜ電子部品の会社で、米粉麺なのでしょうか?

その誕生秘話を専務取締役である樽川千香子さんに伺いました。


写真:アルファ電子株式会社専務の樽川千香子さん。かわいらしい見た目に、最上級のパワーを秘めた女性です

取材にお邪魔したのは、同じ福島県内の郡山市にある日本大学工学部のキャンパス。ここにあるものづくりのための起業支援施設「インキュベーションセンター」で、樽川さんはものづくりのアイディアを生み出しているのです。

樽川さんは、「アルファ電子は祖父が創業者で、お客さまの計画に左右される業態です。ともすると、『来週の仕事がない』というようなこともあり、160人の従業員を抱える弊社では、このままでは立ち行かなくなるのが明白でした。父も医療機器やエネルギー事業への転換を図ってはいましたが、自社商品づくりをテーマに考えていこう、と。自社製品で、自社の努力で売れる商品をつくりたかったんです」。

最初に挑戦したのは、電子機器でした。しかし、大きな壁が立ちはだかります。「超音波で体を温める機械をつくろうとしました。クラファンで600万円ほど集まったのですが、製造に必要なのは3,000万だったんです。電子機器は、資金、人、技術、設備も必要で、本当に難しい。そこで、これまでの自分のご縁や努力でできる商品づくりに切り替えたんです。私は食べることが好きだし、女性、そして母であることを生かせないかと考えました」。


写真:樽川さんの努力の結晶である「う米めん」

そのときに、樽川さんの脳裏に浮かんだのは、東日本大震災の後、母子避難で身を寄せていた新潟県でお世話になったという方の顔でした。

「新しいことにチャレンジしたいというお話をしたら、『佐渡で、電子部品の会社が米粉の生産に取り組んでいるよ』と教えてくださって。すぐに現地に伺って、米粉の可能性に驚きました。米粉のパン、麺、スイーツなどを食べさせていただいて、まずそのおいしさに感動したんです。それで、すぐに福島に持ち帰って、父に相談して米粉商品の開発をスタートさせました」。

2019年夏、樽川さんの新たなチャレンジが始まりました。

「まず、佐渡から米粉を送ってもらって製麺を始めました。郡山にある製麺会社の試作室で成分表を見ながら、半年かけてなんとか形になったんです。資金は、厚生労働省の助成金を活用しました。なんとか形になったので、2020年に大阪の展示会に出店したんです。

かなりの評価をいただいたのですが、一つ問題がありまして。安心安全にこだわって添加物を入れていなかったので、賞味期限が3日と短くて。でも、私は賞味期限を長くするために食品添加物を入れて、『それを娘に食べさせられるか?』と聞かれたら、答えはNOでした。さらに、展示会でご一緒したある方に『これ、うまくないな』とはっきり言われてしまったんです。その方は『宮城県で、米粉とでんぷんだけで製麺をしている会社があるから、紹介する』とおっしゃっていただいて、宮城で製麺を行うことになりました」。


写真:白米中太麺は、うどんのようなツルっ、シコっとした食感が特徴。さらに、調理のしやすさも、台所に立つ人間にはうれしいもの。お出汁の風味豊かなつゆに、生姜とネギのシンプルなトッピングで素うどん風に

宮城県に製麺の拠点を移す際に、樽川さんはもう一つの決心をします。「『福島の企業がなぜ新潟の米粉?』とよく聞かれました。確かに、ご縁のあったところではありましたが、当時はまだまだ福島の食品に対する風評被害もあって。

でも、『やっぱり、福島から逃げずに福島のお米を使おう。おいしいものをつくろう』と決意したんです」。

よりおいしい麺にするために、樽川さんは工学院大学(東京都)の山田昌治教授の協力を仰ぎます。「教授は『麺の科学』という本を出している方で、『小麦の麺、パン、米粉のパンまでは研究したけれど、麺はまだないからやってみよう』とおっしゃってくださって。実際に食感の改良、香り、米の選定からいろいろ実験していただきました。

『う米めん』は2種類あるのですが、白い麺は『天のつぶ』という福島県のブランド米を使用した、うどんのような麺です。讃岐うどんと稲庭うどんの中間のコシを実現しました。茶色い麺は、『コシヒカリ』の焙煎した玄米を使用していて、コーヒーやアーモンドのような香ばしい香気が検知されています。生パスタやフィットチーネのようなもちもち感がある麺に仕上がりました」。

こうした食感や香気など、すべてを科学的データに拠ったのも、もともとが電子部品製造の会社であるがゆえ。「きちんと根拠をもって、なぜいいものができるのか。それがトレースできるのが大事だと考えています。理由があるからおいしいんですね。ただおいしいのではなく、なぜおいしいのかを私たちは、大事にしています」。


写真:玄米太麺は、「浜ののりだれ」と和えて「シーフードのりパスタ」にアレンジ。レモンとバジルで仕上げ、夏でもさっぱりの冷製パスタになりますよ

こうした科学的根拠に支えられ、極上の麺へと仕上がった「う米めん」は、仙台市産業振興事業団が主催する「新東北みやげコンテスト」でアイディア特別賞を受賞。「私たちの取り組みについて賞をいただいたことはあったのですが、商品自体が賞をいただけたのは初めてのことで。とてもうれしかったです」と、樽川さんは笑顔をのぞかせてました。

そして今年、2022年8月からは、工場を稼働させ、完全に自社での生産が可能になりました。

「事業再構築補助金が採択されて、福島のお米を使った米粉麺を福島で生産できることになりました。私たちは、ものづくりの会社で、自分たちでつくることを大事にしたいと考えています。ですので、この『う米めん』はもちろんですが、今後米粉麺をつくってみたいという人や企業さまのためのOEM(※)にも力を入れていきたいと思います」。

実際に、OEMについては農家や九州、山梨の企業から問い合わせがきているそうで、「地元のお米で麺をつくりたいと思っている方が、こんなにいるんだな、と。各地の地域商社のみなさんと組んで、各地のお米の麺をつくれたら楽しいですね」と、樽川さん。

※OEM=他社ブランドの製品を製造すること


写真:コチュジャン、酢、砂糖、しょうゆ少々を合わせてタレをつくり、ゆでた白米中太麺と和えれば、「う米ビビン麺」の完成!トッピングはきゅうり、ゆでたまご、キムチなどをどうぞ

さらに、この米粉麺の取り組みは、「コメ余り」という、日本の農家が抱える問題を解決する一助にもなりえるのです。

「私たちが麺をつくるためにお米を仕入れると、『新規需要米』として、農家さんは国から助成金がもらえるんです。その分、私たちは農家さんから安価に購入でき、また、『今年は何トンつくってくださいね』と契約するので、お米が余らないんです。そういう風な農家さんを増やしていければ、農家さんはお米が余ってしまうのではないか…という不安を持たずにお米を栽培できます。農商工の連携で、社会問題の解決にも役立てたらうれしいですよね。みんながそれぞれの立場で、得意なことをするのがいいんだと思うんです。この問題は、どこかだけが頑張ってもうまくいかないから」。

今後は、「3つのキーワード」で「う米めん」の販路を拡大していきたいと話す樽川さん。

「まずは『健康』をキーワードに、学校給食や病院食、会社の食堂の他、小麦アレルギーで悩まれている方々に向けて販路開拓していきたいです。ふたつ目は、『こだわり』をキーワードに『う米めん』を訴求し、輸出にも挑戦したいです。『コーシャ』というユダヤ教徒向けの、ハラールのような資格があるのですが、それを取得してイスラエルに輸出したいと考えています。最後は、『広げる』をキーワードに、先ほどお話したOEMで、日本各地の米粉麺をつくっていきたいです」。


写真:玄米太麺をカルボナーラに。モッチモチで、いつまでも食べていたいおいしさ!

おいしいお米を麺にして、日本全国、さらには世界の食卓を目指す-。樽川さんの挑戦はまだまだ始まったばかりです。

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「う米めん」の生みの親である樽川さんのドラマチックな半生は
「Yahoo!JAPANニュース」でもご覧いただけます。
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アルファ電子株式会社

所在地 〒962-0512 福島県岩瀬郡天栄村大字飯豊字向原60-2
TEL 0120-400-106
URL https://www.alpha-d.com/index.php

取材/2022年7月

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合同会社fluir
「浜の海苔だれ定番セット」

合同会社fluirは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「浜の海苔だれ定番セット」

皇室献上品としても名高い、七ヶ浜町の海苔。極上のその海苔が、手軽に食べられる調味料になりました。それが、「浜ののりだれ」シリーズです。「浜ののりだれ」「浜ののりドレ」「浜ののりマヨ」の3種類をラインアップしています。


写真:「浜ののりだれ」シリーズ。1年で6000本を売り上げる大ヒット商品に

開発したのは、七ヶ浜の菖蒲田浜の目の前でカフェレストラン「SEA SAW」を営む合同会社fluir。
この絶品調味料が生まれたのも、人気カフェレストランの厨房からでした。


写真:菖蒲田浜海水浴場目の前にあるカフェ「SEA SAW」

自ら厨房に立って鍋をふるう店舗マネージャーの加藤真子さんは「海苔のソースは、前任のシェフが作ったもの。そこから私が引き継いで、今の形になりました。レシピも変えていて、ニンニクを効かせたり、オリーブオイルを加えたりしました。最初はのりだれで『のりのパスタ』を出していたのですが、そこからディナーでいろいろアレンジして出したら『おいしい』といわれて。3種類をレシピ化することにしたんです。海苔は七ヶ浜産100%で、一番摘み、二番摘みの上質の海苔だけを使っています」と教えてくれました。


写真:合同会社fluirの代表の久保田さん(左)と、シェフの加藤さん(右)

合同会社fluirの代表で、「SEA SAW」オーナーの久保田靖明さんは「いろんな産地がある中で、七ヶ浜の海苔って、まだまだ知られていないんですよね。東松島で『海苔うどん』を開発したちゃんこ屋さんがあるんですけど、海苔うどんがあることでひとつのブランディングになっている。『海苔うどんをつくっている東松島の海苔は美味いに決まってる』って人は思うじゃないですか。でも、七ヶ浜の海苔だって美味い。だから、『これがあるんだから、七ヶ浜の海苔は美味いに決まっている』ってなるような商品になってもらえれば」と語ります。


写真:久保田さんは、漁師のみなさんとも良好な関係を築いています

七ヶ浜の名産品は海苔以外にも、ワタリガニ、ウニ、アワビ、白魚とありますが、久保田さんは「アワビもウニも白魚も、高級食材すぎてカフェでは出せない。ただ、海苔でパスタを作っても黒いし、流行らないだろうなと思って、『SEA SAW』では、ワタリガニを売りにしようと。それで、『ワタリガニのトマトクリームパスタ』を販売しました。このお土産品についても、最初はカニで作れないかと模索したんです。でも、よくよく見てみると、うちに初めて来る方はカニパスタを頼まれる方が多いのですが、リピーターとしてきていただく方は『のりのパスタ』を頼まれる方が多いんですよ。それなら、海苔で一発勝負してみようか、ということでつくってみることにしたんです」。


写真:グリルした野菜に、「浜ののりドレ」をかけて、おしゃれなサラダに

お土産品の開発は、カフェオープン当初から考えていたという久保田さん。「幹線道路沿いじゃない場所にあるカフェなので、ここが目的になる場所にしなくちゃいけない。ちゃんとお土産も作ろうと思っていたので、店舗の設計の段階から、製造の許可とれるようにしていたんです」。


写真:温野菜に「浜ののりマヨ」を添えれば、立派な前菜に!

お土産品のデビューは、ある日突然やってきました。
それは、2020年の2月。「七ヶ浜町の役場に臨時職員として入っているセガサミーグループの方から『本社で行うイベントでのりだれを販売してほしい』という申し出があったんです。もともとのりだれを使ったパスタを、レストランの一つのメニューとして出していて、それを気に入ってくださったみたいで。なので、代表からも『どうしても』といわれて商品化したんです(笑)。この『のりだれ』のデビューは、セガサミーグループの食堂で、結構な数を持って行ったのですが、すごく売れて。私が作ったのに、最初は乗り気じゃなかったけど、思いのほか喜んでいただけて手ごたえを感じました」と、加藤さんは話します。


写真:「浜ののりマヨ」と焼き鯖でオープンサンドに。食欲が止まらなくなります

2020年からのコロナ禍でも、「レストランの営業ができなかったので、『のりマヨ』を使った“萌え断”(*)のサンドイッチをテイクアウトで出していたんです。そうしたら、お客さまが買って、海で食べてくれたんですよね。私たちは、海に助けられたんです。きっと、これを仙台の街なかでやったら違ったんだと思います。そして、サンドを食べてくれたお客さまが、お土産でも買っていってくださって。年間6000本販売することができました」と、久保田さんは教えてくれました。
*ビジュアルがきれいな“萌え”る断面のこと


写真:めかじきのムニエルに、「浜ののりドレ」をトッピング

そして、2021年11月には、仙台市産業振興事業団が主催する「新東北みやげコンテスト」で「お取り寄せ特別賞」を受賞。久保田さんは「ありがたいことに、いろいろなところからお声がけいただきました。今後は、七ヶ浜の新しいお土産として、町内の方たちにお中元やお歳暮で使っていただけたらと思っています。そして、いずれは全国にもっと広がっていき、誇りある七ヶ浜のおいしい海苔をもっと周知していけたらいいなと考えています」と笑顔をのぞかせました。


写真:新東北みやげコンテストで「アイディア特別賞」を受賞した、アルファ電子株式会社の「う米めん」と「浜ののりだれ」を和えて、「シーフードのりパスタ」に。絶品です

七ヶ浜の海苔が、全国で銘品として愛されるようになるまで、久保田さんと加藤さんの挑戦は続きます。

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久保田さんのこれまでとこれからを紡いだ物語はYahoo!JAPANでもご覧いただけます。
ぜひそちらも一読ください。

合同会社fluir

所在地 〒985-0811 宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田浜長砂20-8
TEL 080-4669-3969
URL https://www.seasaw7beach.com/noridare

取材/2022年7月

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デジタルマーケティングセミナー
【終了しました】

一緒に学んでみませんか?

(公財)仙台市産業振興事業団では、
「デジタルマーケティングセミナー」を開催いたします。

Webサイトの成果を事業の成果に結びつけるために、アクセスデータを分析してユーザー行動を理解することは企業にとってかかせないものです。



Googleアナリティクス4(GA4)がリリースされ、2023年7月にはユニバーサルアナリティクス(UA)のサポートが終了します。

GA4は、UAに比べて大幅な変更があり、GA4はより深くユーザー行動を分析・理解できる機能が備わっているので、まずはGA4の基本的な使い方に慣れることが大切ですね。

今回のデジタルマーケティングセミナーは、実際にGA4を使ってデータ分析の基礎を学びます。

自社に合った活用方法を一緒に見つけてみませんか?

こんな方におすすめ
・アナリティクスの活用方法がわからない
・Googleアナリティクス4でのデータ分析を学びたい
・自社の指標と分析ポイントを知りたい

日時:2022年10月13日(木)・11月17日(木)・11月24日(木)
   時間はいずれも14:00~16:00

会場:仙台市中小企業活性化センター セミナールーム(2)B
   (仙台市青葉区中央1-3-1 AER6階)

受講料:無料

対象:仙台市内の中小企業者・当事業団の支援事業者

内容:
10/13(木)│アナリティクスの理解と導入
・ユニバーサルアナリティクス(UA)とGoogleアナリティクス(GA)4の現状と違い

・GA4の導入方法

・基本指標の見方

11/17(木)│アナリティクス活用
・基本機能のおさらい
・分析ポイント説明
・探索(カスタムレポート)の説明と作成ワーク

11/24(木)│探索レポート作成ワーク
・「探索」を使って自社に合った指標を作る

終了しました

ミツロウラップ/マメムギモリノナカ

丁寧な暮らし、ミツロウラップ

昨今、SDGsなどで注目を集めているのが、「使い捨てない商品」たち。

それは、女性用の布ナプキンであったり、繰り返し使えるカイロだったり、世の中は少しずつではありますが、「ものを大切に使うこと」にシフトしてきています。


写真:マメムギモリノナカのミツロウラップ。サイズは、S、M、Lとそろっています

そんな中、宮城県南部の小さな町で、「ミツロウラップ」を販売する会社を立ち上げた女性たちがいます。なぜ、ミツロウラップをつくろうと思ったのか。なぜ、丸森だったのか。

代表の山下久美さんに、お話を伺いました。

もともとは仙台で暮らし、セラピストとして活動していたという山下さん。「セラピストという職業柄、健康にとても興味があって。健康って、水、空気、食べ物がきれいでおいしいことにつながっているので、自然豊かな場所で暮らしたかったんです。なので、丸森町で起業したいというのが一番の思いでした。『地域とかかわりを持っていくにはどうしたらいいか』と考え、地域の素材を探していたところ、養蜂園さんが『蜜ろうが在庫になって使い道を探している』と聞き、ミツロウラップをつくろうと考えました」。


写真:「自分の暮らしも少しずつ丁寧になってきています」と、山下さん

丸森町の石塚養蜂園さんと出会った山下さんは、こんな思いを告げられました。「『養蜂園の蜜ろうは卸に出すと、みんな一緒になってしまう。自分の養蜂園の蜜ろうだと出口が分かる形で使ってほしい』。そんな風におっしゃっていました」。

こうしてミツロウラップをつくりはじめた山下さん。「今から3年前のことですが、当時はミツロウラップのレシピがなくて。やっと見つけたレシピでつくってみたけれど、思ったようにならなくて。蜜ろうを使ったラップと一言にいっても、レシピによって全然仕上がりは違うんですね。0.01gの調整をしながら、毎日試作を繰り返して、最初の販売にこぎつけました。今でも完成とは思わず、レシピを少しずつ改良しながらつくっているんですよ」。


写真:筒状になって販売されています

気を付けているのは、「使いやすさ」。

「どの程度、人の生活に浸透していくんだろうって思いながらつくっています。きっと珍しさから、手に取ってくださる方もいると思うんです。でも、それが使いづらかったりすると生活の一部にはなっていかないので」。

ミツロウラップは、1枚をヘビーユーズしない限り、半年から1年、ラップとして使用可能。「使った後は、やさしく手洗いして干してください。抗菌効果があって、野菜の保存などに力を発揮します」。長く使用して蜜ろうがはがれてきたら、“追い蜜ろう”を施して再生させるか、ふきんとして利用しましょう。そして、それがさらにボロボロになったなら、地面に埋めれば、土に還るそう。


写真:半分に切った小玉スイカをSサイズでくるむとこんな感じに

今、取り組んでいるのは、生活文化大学との産学連携による「竹染」の布を利用したミツロウラップづくり。「以前、丸森の竹で染めた生地のラップを販売していたことがあるんです。その生地は、地域の方に染めていただいていたので、なかなか安定供給が難しかったんですね。そこで、生活文化大学さんをご紹介いただき、産学連携で竹染を一緒にやらせてもらっています。それがうまくいけば、丸森の名産であるタケノコを育てるために伐採された竹を再利用することができます。タケノコという地域の名物を発信しつつ、地域素材の活用になったらいいなと思って、取り組んでいるんです」。


写真:サンドイッチをくるんだら、そのままお弁当として持っていきましょう。このサンドイッチには、「浜ののりマヨ」を使用しています

ひとつひとつのデザインもかわいらしい、マメムギモリノナカのミツロウラップ。

中には、亘理町の特定活動非営利法人「ポラリス」でのアート活動で、利用者の方が描いた絵をファブリックにしたもの。「宮城の方とご縁をつなぎながら、これからも丸森で、自分の生活を大切にしながら、がんばっていけたらなと思います」。


写真:「ポラリス」のデザインを施したミツロウラップ。包んでおいたラップがそのままお皿になるので便利!ランチタイムが楽しくなりそう

マメムギモリノナカのミツロウラップは、オンラインストアのほか、藤崎百貨店や東北スタンダードマーケットなど、仙台市内15店舗で購入が可能です。

ぜひ、あなたの生活の中にもミツロウラップを。その使い勝手の良さに、驚くことまちがいなしですよ。

SDGs関連記事はこちら

マメムギモリノナカ

URL https://www.mamemugi-m.com/
お問合せ

株式会社ワンダーファーム
「とまと味噌ギフトボックス」

株式会社ワンダーファームは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「とまと味噌ギフトボックス」

福島県いわき市。“フラガールの町”としても知られるこの町に、とっておきの名産品が生まれました。それが、株式会社ワンダーファームが、スパリゾートハワイアンズと共同で開発した「とまと味噌」です。


写真:ワンダーファームとスパリゾートハワイアンズ共同で開発した「とまと味噌」

ワンダーファームの開発担当者である寺嶋大輔さんは、野菜ソムリエでもあります。この商品のきっかけも、野菜ソムリエが集まるある会合でのことだったそうです。「野菜ソムリエの福島のコミュニティがあるんです。その総会で同じいわき市内にあるスパリゾートハワイアンズの人といろいろな話をしたんです。『ここでつながって楽しいコトしたいね。じゃあ、一緒に商品作ってみない?』っていう軽いノリから始まった話なんですよ。うちはトマトを作っているから、トマト使ってなんかやってみよう。それに、フラガールっていうミニトマトの品種もあるし、フラの町でフラガール使った商品って面白いな、と思いました」。


写真:トマト愛にあふれる寺嶋さん

ちょっと細身のミニトマトである「フラガール」。その味の特徴は、甘みが強く、皮が厚くて食べやすいもの。「食べると踊りだしたくなる」というコンセプトで作られた日本の品種だそう。

寺嶋さんは「それが先駆けてうちに来て栽培できることになって。“いわきといえば”ということだったみたいですよ」と、自社のフラガールを商品開発に使用することに。


写真:トマトの収穫はひとつひとつ手作業で行います

「うちは、女性のお客さまが多いので、女性に好んでいただける味にしたいと思いました。忙しく働いている女性が、手軽に楽しく食べれらるもの。でも、美味しさもないとダメじゃないですか。疲れて帰ってきたときに、『これさえ使えば、何かおいしいものができるよ』ってしたかった」。

開発当初は、パスタソースも考えたそうですが、「それじゃあ汎用性がないな、って。スープにも、調味料にもなるようなものがよかった。そのときに、ハワイアンズの人が『トマトと味噌って合わせると面白いよ』って言ってくれて。実際に作ってみたらおいしかったんですよ」。


写真:スリムな「フラガール」。とても甘くて、フルーツのよう

確かに、調味料としては「ばっけ味噌」や「肉味噌」もポピュラー。

寺嶋さんは「でも、『トマト味噌』ってあんまないよねって話になって。やってみたらおいしくて、どういう風に味きめていこうということで、20種類くらい作ったんです。それこそ、『トマト肉味噌』とかも作って試食会して。ハワイアンズのみなさんや、うちのマルシェの社員やパートさんも交えて商品会議・試食会を何度も何度も繰り返して、最終的なところで今の味に落ち着いたんですよ。トマトピューレと味噌で、どちらかというと和風のトマトソースに近いです。そこに味の決め手フラガールを入れています」。


写真:テクスチャ―も柔らかく、応用範囲が広い調味料になりました

こうしてできあがった「トマト味噌」は、トマトが持つうま味成分グルタミンがたっぷり。このうま味成分のおかげで、一派的な味噌に比べると、73.4%減塩が叶いました。

今後の展開としては「『とまと味噌』を使ったアレンジ商品や各地の味噌と合わせて全国のご当地の『とまと味噌』ができていったら面白いよねって話しているんです。本当に、この商品開発はめちゃくちゃ楽しかったですよ」。


写真:「とまと味噌」をピザ生地に塗ってチーズを乗せ、軽く焼いたら「フラガール」とバジルをオン。絶品の「とまと味噌マルゲリータ」になりますよ

こうして2018年10月10日、トマトの日に「とまと味噌」はデビュー。

最初は「どこでも買える」商品ではなく、「この商品を目当てにワンダーファーム、ハワイアンズ双方の施設にお客様が来てくれたらいいよね」と話していたそう。施設を訪れるきっかけになる商品に育てていきたいという開発チームの思いから、あえてワンダーファームとハワイアンズのみで販売する戦略を取りました。当時はまだコロナ前だったこともあり、観光バスで観光客がやってくる時代。

「なんと、半年で1万本売れました。会社からは『そんなもの売れない』って言われてたから、余計にうれしかったんですよ。そうこうしてるうちに、県内からもお声がけがあって、各地のおみやげ屋さんに広がっていった。それで『東京のほうでも売っていきたい』ということでパッケージを変えることになったんです。当初のパッケージは、思いはあったけど、なんせお金をかけずにやったから(笑)」。


写真:寝坊した休日や、忙しい日の朝、冷凍野菜を鍋で煮て、とまと味噌を加えれば超簡単「とまと味噌ミネストローネ」に!

手掛けてくれたデザイナーは、寺嶋さんたちの思いをくみ取り、なんともかわいらしいトマトのようなパッケージに仕上げてくれ、ボトルに「とまと味噌」を詰めてくれました。

「知人が作ってくれたのですが、僕らの思いもくみ取ってくれて。いろいろ話し合いをしました。作ってくれる那須の工場もまた、自分たちの思いをくみ取ってくれる大切なパートナーです」。

実はこの「とまと味噌」、あの高級スーパー「紀ノ國屋」仕様のものもあるそう。

ほかにも、「『新東北みやげコンテスト』のコーナーも作ってくれている販売店様もあるんです」と、寺嶋さんはうれしそうに話します。

この「新東北みやげコンテスト」というのは、仙台市産業振興事業団で毎年行っている東北の新しいみやげ品を発掘するコンテスト。


写真:オリーブオイルとにんにく、ひき肉を炒めて「とまと味噌」で和え、同じ福島で生まれた「う米めん」に絡ませたら超絶品「とまと味噌ボロネーゼ」に!

「とまと味噌」は、「お取り寄せ特別賞」を受賞しました。寺嶋さんは「まさか特別賞をもらえると思ってもいなくて、授賞式当日は別件の仕事もあって東京に行ってて、残念ながらオンラインでの参加になりました。仕事の合間を縫って授賞式の時間にホテルで賞の結果を待っていたら、いきなり最初に呼ばれて、驚きのが最初にきました(笑)。でも、応募総数210商品の中から『とまと味噌』がこのような賞をいただけたこと、なんだか我が子がやっと認めてもらえたようで、ホテルの中で涙を流すほどうれしかったんです。今まで開発から販売まで一緒に頑張ってきたみんなの努力が形となって認めてもらえたこと、本当に、すごくうれしかった」。

新東北みやげコンテストで受賞したことで、販売会なども行われるようになり、販路も広がったそう。「お店の人が『こう食べたらおいしかったよ』『また売れたよ、持ってきて!』『とまと味噌を買いに来てくれるお客さん増えたんだよ』って笑顔で教えてくれた。そういう声がうれしかったです。あとは、商品を買ってくれた人も家で笑顔になってたりするのかなって思うと、考えるだけで楽しくなっちゃうんですよね。受賞で箔もついたし、もっともっとがんばって売りますよ!」と笑う寺嶋さん。


写真:寺嶋さんは、日本の農業の未来を変えるべく活動する「COOL AGRI」のメンバーでもあります

トマトを愛し、いわきを愛し、福島を愛する寺嶋さんは、これからも「とまと味噌」で全国の人たちを笑顔にすることでしょう。

「よいもの」ページはコチラ

寺嶋さんのこれまでとこれからを紡いだ物語はYahoo!JAPANでもご覧いただけます。
ぜひそちらも一読ください。

株式会社ワンダーファーム

所在地 〒979-0215 福島県いわき市四倉町中島字広町1
TEL 0246-85-5105
URL http://www.wonder-farm.co.jp/

取材/2022年7月

これまでの「銘品ものがたり」をご覧ください。

株式会社Ikizen
「シードル香るへそだいこんのピクルス」

株式会社Ikizenは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

デザイン特別賞「シードル香るへそだいこんのピクルス」

なんともかわいらしいネーミングでひときわ目を引くピクルスがあります。それが、「へそピ」に「わらピ」に「ろめピ」。これらは、宮城が誇る食材を秋保ワイナリーのシードルでピクルスにしたもの。正式名称は、「シードル香るへそだいこんのピクルス」「シードル香るわらびのピクルス」「シードル香るみやぎしろめのピクルス」です。


写真:宮城の食材と秋保ワイナリーのシードルでつくった「シードル香るピクルス」

この商品は仙台市産業振興事業団の「新商品/新サービス開発支援」を活用して誕生しました。株式会社Ikizen代表の佐藤大樹さんは、「商品開発にあたり、デザインやコンセプトを組み立てられる、専門家の力を借りた方がより良い商品ができると思い支援に応募をしました。私は震災後、『東北ろっけんパーク/仙台なびっく』という施設(※)で働いており、事業団の皆さんとプロジェクトをご一緒させて頂ける機会もありました。その際に専門家の支援によって誕生した商品が、いかに考え抜かれてアウトプットされているかを知り、自分が開発する際には、ぜひ事業団の支援を受けたいと考えていました」と、当時を振り返ります。

※仙台市がすすめる「仙台経済ステップアッププラン2012」の一環として、被災した東北各地の産業や観光の復興をさまざまな面からバックアップする施設


写真:株式会社IKI ZENの佐藤さん

そもそも、この商品を開発したきっかけは、佐藤さんと共に一般社団法人IKI ZENを立ち上げたフードコーディネーターで管理栄養士の齋藤由布子さんが温めてきたアイデアからでした。齋藤さんは、「食生活診断をさせていただく中で、現代人の食生活には酢の物が足りないということを感じていました。酢や柑橘系は、疲労感を軽減したり、代謝を高める効果があるとも言われているので、『健康的生活を目指すために、酢の物を多く取り入れましょう』と指導してきました。今回、宮城県の食材を使って加工品を作るとなったときに『食べることで健やかに』ということを意識して、ピクルスを作ることにしました」と話します。


写真:現在は、限定品も含めて5種類をラインナップ

食材として選んだのは、丸森町筆甫地区のへそ大根とわらび、そして栗原市産のミヤギシロメ。「筆甫地区振興連絡協議会さんの事業支援をしてゆく中で『へそ大根と山菜を加工品として商品展開したい』と相談がありました。IKI ZENは、生産者さんの販路開拓支援のお手伝いをしていきたいと考えているので、今回の事業は地域課題を解決できるチャンスだと思いました」。


写真:トンポーローの付け合わせに「へそピ」を

レシピは、齋藤さんのオリジナル。リンゴ酢を使用したピクルスがあることから、秋保ワイナリーのシードルで作ってみたところ、風味もしっかりあり、後味がスッキリとしたピクルスへと仕上がりました。商品の名前の通り、シードルが香るピクルスです。


写真:スパイシーなラムカレーに「ろめピ」。らっきょうや福神漬けとはまた違う付け合わせでGOOD。ドリンクは、もちろん秋保ワイナリーのシードルをチョイス

そしてこの「へそピ」という、なんともキャッチ―なネーミングをつけたのは、当時仙台市産業振興事業団で専門家としてチームに参加していたコピーライターの工藤拓也さん。

工藤さんは「瓶をずらっと並べたときに、『実験室の薬の瓶みたいに見えると面白いよね』っていう話になったんです。それで僕の方から『シードル香るへそだいこんのピクルス』は『へそピ』という風に提案しました。もうひとつ、薬瓶を…ということだったので、数字とアルファベットのような記号を組み合わせた、ぱっと見で元素記号っぽく見える様なものと2案提案したんです」と教えてくれました。


写真:鯖の塩焼きに「わらピ」を添えて。ピり辛のわらピと鯖の脂の相性が抜群です

佐藤さんも「今回は東京の第一線で活躍するデザイナーの黒田誠さんにも支援チームに入っていただき、工藤さんもいたので、『インパクトを持つネーミングをつけてもらえんるんだろうな』と納得でした。ピクルスという商品は市場に無数にありますが、宮城の食材を使用して、見た目にもこだわった商品を販売するとなると、商品名にもエッジが欲しかったので、よかったです」。と話します。


写真:「のりマヨ」に「なつピ」のパプリカを刻んで入れて特製タルタルに。フライにベストマッチします。付け合わせのトマトは、ワンダーファームの「フラガール」です

佐藤さんは「商品の価格帯としては一般のピクルスよりも高めですが、シリーズのコンセプトとしては、ギフトや手土産として愛される商品になってほしいという願いを持ってリリースをしました。秋保シードルや宮城の高いポテンシャルを持つ食材を使用したピクルスだからこそ、低価格帯の商品として開発をしたくなかったという気持ちもあります。市場に浸透していくには時間がかかるかもしれませんが、末永く愛される新しい東北の手土産として認知される日を期待しています」と想いを語ります。


写真:単体でもおいしいけれど、さまざまな料理の引き立て役にもなるピクルス。ぜひいろいろお試しを

現在は、季節商品である「なつピ」と「ふゆピ」も加わって、全部で5種類になった「ピ」シリーズ。大切なあの人のもとへ、ヘルシーなギフトとして届けてみては?

株式会社Ikizen

所在地 〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル3階
TEL 022-226-8748
E-mail info@ikizen.com

取材/2022年7月

これまでの「銘品ものがたり」をご覧ください。

ムードセンターまつむら
「よいがらす」

ムードセンターまつむらは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞「よいがらす」

宮城が世界に誇る銘酒「浦霞」(株式会社佐浦)。その蔵元である浦霞酒造の酒「寒風沢」と、寒風沢島の砂で作ったグラスをセットにしたのが、「よいがらす」。仕掛け人は、「ムードセンターまつむら」の松村洋さんです。


松村さんは、「このグラスは、秋保のガラス工房『海馬』の村山(耕二)さんに作ってもらったんです。ある時、村山さんの展示があって、立ち話をしていて、『寒風沢島で、佐浦さんがお米を作っているそうなんですけれど、寒風沢島の砂でもガラスって作れるんですかね?』って聞いてみたんですよ。そしたら『できるよ』『じゃあ、やりたいね』って話になって。とはいえ、商品開発って大変な作業だから、とにかく企画書を書いちゃえ、と企画だけ進めました。水と米と人がお酒を造っていること、東北には、お米を自分のところで作っているところもある。それじゃあ、お米を作っている酒造さんならその田んぼの土や砂、水ならその水源の砂を使ったりできればよいな、と思ったんです」。広告代理店出身で、フリーランスになってからもCMディレクターからプランナーまで幅広くこなす松村さんは、日本酒とそのお酒づくりに欠かせない大地で酒器を作り、ひとつの物語を編もうとしたのです。

「こんなアイディアがあって…と、いろいろな人に話をしていたんですよ。そうしたら、『株式会社インアウトバウンド仙台・松島』さんから『やりましょう』と言ってもらえて。僕、もともと塩竈市で観光の仕事をやらせていただいたこともあって、インアウトバウンド仙台・松島さんから『佐浦さんと一緒なら、開発費用も工面しましょう』と。しかも佐浦さんも『ぜひ』と言ってくれて、作れることになったんです」。

その後、海馬の村山さんと一緒に寒風沢島に赴いた松村さん。村山さんは、米を収穫した後の田んぼと砂浜からガラスの原料となる砂を採取し、工房に持ちかえりました。

松村さんは「最初に色を決めたんです。ガラスを溶かすときに、酸化させるか、還元させるかで色が変わるんですね。薄いビール瓶のような茶色と、この緑色っぽい色が出たんですが、すぐに、この色がいいなって思って。緑色と黄色があって、光に透かすとブルーっぽかったりもする。稲穂、植物とか、こっちの色の方がイメージも膨らむな、と思って。地域の景色が浮かんでくるようなものを作れると思いました」。

ニュアンスのある色合いのグラスは、全部で3種類。「鹽竈ザクラ」「稲穂」「海の波紋/浦戸」です。「もともとある吹きガラスには、型があるんですね。吹きながら回転させて捻りを入れるんですけど、村山さんにサンプル集を見せてもらったときに、その場で考えました。花弁のように見えるな、とか。波紋のようにきれいに見えるな、とか。そのイメージを村山さんにお伝えして作ってもらったんですよ」。

もちろん、ガラスはひとつひとつが手作り。「だから全部で30個しか作っていないんです。ありがたいことに、『鹽竈ザクラ』は完売しました。『稲穂』も『海の波紋/浦戸』も売れていて、本当にありがたいかぎりです」。

制作時を思い出して松村さんは「ガラス製品を作ったこともなかったで、色を決めたり、形を決めたり、とにかく決めなきゃいけないのが大変でした」と笑います。

「普段やっている、クライアントさんのいる仕事は、最終的には誰かが決めてくれます。でも、こればっかりは、自分でやらなきゃいけなくて。『これでいいのかな』『こうしたいよね』とか話しながらやっていって、楽しかったです」。

そして「今後は、この形でいろいろな蔵元さんともやってみたいですよね。村山さんが言ってたんですよ。『ケイ素が含まれてる砂なら何でもガラスになる』って。『ガラスって、エコな素材の中でも究極で、何度割れても何回でも溶かして使える。こんなにサスティナブルな素材ってないんだよ』って」。

エコ素材のガラスたちは、これからどんな“ものがたり”を編んでいくのでしょう。

「よいもの」ページはコチラ

松村さんのこれまでの歴史や人柄がうかがえる記事は
Yahoo!JAPANニュースでもご覧いただけます。こちらもぜひ、どうぞ。

ムードセンターまつむら

所在地 〒980-0821 仙台市青葉区春日町58阿部重ビル201
TEL 070-6131-3931

取材/2022年6月

これまでの「銘品ものがたり」をご覧ください。

七夕を楽しもう!2022

東北三大祭り、仙台七夕

今年も8月6日から8日までの3日間、「仙台七夕まつり」が行われることになりました。

秋田竿灯まつり、青森ねぶた祭とともに、東北三大祭りが久々にそろい踏みした2022年。

本当にワクワクしますね。

ところで、みなさんは仙台七夕まつりの由来をご存じでしょうか?

その始まりは、伊達政宗公の時代にさかのぼります。政宗公は、婦女子の文化向上を奨励するために始めたのが由来とされているのです。七夕の七つの飾りにも、それぞれ意味があります。

七夕飾りの意味
🎋短冊:学問や書道の上達
🎋紙衣:病気や災難の厄除け、裁縫の上達
🎋折鶴:家内安全と健康長寿
🎋巾着:商売繁盛(巾着=財布のこと)
🎋投網(とあみ):豊漁、豊作
🎋屑篭(くずかご):清潔と倹約
🎋吹き流し:機織りと技芸の上達

仙台駅で、このまちを訪れる人たちをお迎えする七夕飾りは大迫力。



ここから、街なかのアーケードに向かって、絢爛な七夕飾りが行き交う人たちの頭上で静かにたたずんでいます。


街なかの七夕も素敵なのですけれど、実は周囲の商店街の飾りもぬくもりがあって、なかなかのもの。


ぜひ、お気に入りの七夕飾りをみつけてくださいね。

さらに!七夕はおうちでも楽しめちゃうんです。

まずは、鳴海屋紙商事さんが出している手作り七夕キット「浪漫竹(ロマンチック)」で作る、かわいらしい七夕飾りで、完成したらお庭の木や植木につけたり、鉢に刺して玄関に飾ったりできる優れもの。

かわいらしいと思いませんか?

そしてもうひとつは、香りで仙台七夕を楽しむというもの。

露香さんのオリジナルのインセンス「七夕」は、玄関や寝室で焚いて七夕気分を楽しめます。

華やかな街なか七夕を楽しむもよし。地元商店街のほっこり七夕を楽しむもよし。おうちで楽しむもよし。

🎋みなさん思い思いの素敵な七夕を!🎋

鳴海屋紙商事株式会社

URL https://www.narumiya-k.co.jp/
関連記事:「つくってみた」

※2022年度は、飾りの高さなどしっかりとした感染防止対策を講じながら開催します。
※最新情報は必ず「仙台七夕まつり」公式ホームページ
をご確認ください。

株式会社グリーディー
AKIU Style ナチュラルリードディフューザー(Middle Body)

株式会社グリーディーは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「AKIU Styleナチュラルリードディフューザー(Middle Body)」

「AKIU Style ナチュラルリードディフューザー」は、秋保ワイナリーで毎年大量に廃棄されてきた葡萄のツルをリードとしてアップサイクルしたディフューザーです。開発のきっかけは、株式会社グリーディーの代表である浜出理加さんが、秋保ワイナリーの代表から「葡萄のツルをどうにか利用できないか?」と持ちかけられたことがきっかけでした。



商品自体の構想は2019年頃からあったそうですが、どのように商品価値を上げ、魅力を伝えていけばいいのかを模索。そんな中で、仙台市産業振興事業団の「新商品/新サービス開発支援」を知って、エントリーを決めました。事業団の専門家とは、ベース(器)の選定やブランド全体としてどうあるべきかというコンセプトを掘り下げることができたといいます。



浜出さんは「このツルは伐採してから乾燥させて、剪定しています。しっかり乾燥させることで、アロマオイルをきちんと吸ってくれるんです」と話します。複雑に絡み合った状態のツルを受け取った後は、1本ずつ手作業でほどいてからカットします。この作業を行ってくれているのは、石巻にあるソーシャルファームの利用者さんたち。「私たちも初の取組みなので、一緒に作業工程を模索しながら、少しずつ覚えていってもらっています。地域で雇用を生むことも、この商品は目指しているんです」と、浜出さん。


秋保ワイナリーの葡萄のツルを使うことから、「ワインを選ぶときにライトボディ、ミディアムボディ、フルボディってあるじゃないですか。そんな感じにしたくて」と、ライト、ミディアム、フルをラインナップ。

ライトの香りは「収穫の夜」。浜出さんは「少しひんやりしている秋保の夜をイメージしていますが、温かみも感じる香りになっているんですよ」と教えてくれました。



ミディアムには、ワイナリーのある秋保の「空」「大地」「記憶」を表現したアロマを用意。

「ミディアムは、テイスティングできるように、3種類を作りました。『記憶』は、やはり私たちが絶対に忘れてはいけない震災の記憶をイメージしています。辛い記憶を甘く切ない感じで表現した、複雑な香りです。『大地』はどっしりした落ち着いた香りで、青森ヒバなど和の香りも入っています。寝室におけばゆっくり眠れますよ。『空』はペパーミントが入った爽やかな香りです。香りにもストーリーを持たせて、それにも共感していただけたらうれしいですね」と話します。

フルはオーダーメイドで、アロマデザイナーである浜出さんが、お客さま好みのアロマをブレンドしてくれるのだそう。さらにこのフルは、仙台市内を流れる広瀬川の砂を使った「仙台ガラス」をベースにしています。美しいグリーンのベースに自分のためにデザインされた香りを注ぐ…考えただけでもワクワクします。

「よいもの」ページはこちら

資源の利活用だけででなく、雇用創出や経済活性化も目指す浜出さん。
彼女のこれまでの人生やこれからの夢はYahoo!JAPANでもご覧いただけます。

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株式会社グリーディー

所在地 
本社:宮城県仙台市青葉区二日町17-22 TNER304
石巻スタジオ:宮城県石巻市開北3丁目1-8 特定非営利活動法人やっぺす内
TEL 050-3699-5595
URL https://www.greedyweb.com/

取材/2022年6月

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