株式会社Ikizen
「シードル香るへそだいこんのピクルス」

株式会社Ikizenは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

デザイン特別賞「シードル香るへそだいこんのピクルス」

なんともかわいらしいネーミングでひときわ目を引くピクルスがあります。それが、「へそピ」に「わらピ」に「ろめピ」。これらは、宮城が誇る食材を秋保ワイナリーのシードルでピクルスにしたもの。正式名称は、「シードル香るへそだいこんのピクルス」「シードル香るわらびのピクルス」「シードル香るみやぎしろめのピクルス」です。


写真:宮城の食材と秋保ワイナリーのシードルでつくった「シードル香るピクルス」

この商品は仙台市産業振興事業団の「新商品/新サービス開発支援」を活用して誕生しました。株式会社Ikizen代表の佐藤大樹さんは、「商品開発にあたり、デザインやコンセプトを組み立てられる、専門家の力を借りた方がより良い商品ができると思い支援に応募をしました。私は震災後、『東北ろっけんパーク/仙台なびっく』という施設(※)で働いており、事業団の皆さんとプロジェクトをご一緒させて頂ける機会もありました。その際に専門家の支援によって誕生した商品が、いかに考え抜かれてアウトプットされているかを知り、自分が開発する際には、ぜひ事業団の支援を受けたいと考えていました」と、当時を振り返ります。

※仙台市がすすめる「仙台経済ステップアッププラン2012」の一環として、被災した東北各地の産業や観光の復興をさまざまな面からバックアップする施設


写真:株式会社IKI ZENの佐藤さん

そもそも、この商品を開発したきっかけは、佐藤さんと共に一般社団法人IKI ZENを立ち上げたフードコーディネーターで管理栄養士の齋藤由布子さんが温めてきたアイデアからでした。齋藤さんは、「食生活診断をさせていただく中で、現代人の食生活には酢の物が足りないということを感じていました。酢や柑橘系は、疲労感を軽減したり、代謝を高める効果があるとも言われているので、『健康的生活を目指すために、酢の物を多く取り入れましょう』と指導してきました。今回、宮城県の食材を使って加工品を作るとなったときに『食べることで健やかに』ということを意識して、ピクルスを作ることにしました」と話します。


写真:現在は、限定品も含めて5種類をラインナップ

食材として選んだのは、丸森町筆甫地区のへそ大根とわらび、そして栗原市産のミヤギシロメ。「筆甫地区振興連絡協議会さんの事業支援をしてゆく中で『へそ大根と山菜を加工品として商品展開したい』と相談がありました。IKI ZENは、生産者さんの販路開拓支援のお手伝いをしていきたいと考えているので、今回の事業は地域課題を解決できるチャンスだと思いました」。


写真:トンポーローの付け合わせに「へそピ」を

レシピは、齋藤さんのオリジナル。リンゴ酢を使用したピクルスがあることから、秋保ワイナリーのシードルで作ってみたところ、風味もしっかりあり、後味がスッキリとしたピクルスへと仕上がりました。商品の名前の通り、シードルが香るピクルスです。


写真:スパイシーなラムカレーに「ろめピ」。らっきょうや福神漬けとはまた違う付け合わせでGOOD。ドリンクは、もちろん秋保ワイナリーのシードルをチョイス

そしてこの「へそピ」という、なんともキャッチ―なネーミングをつけたのは、当時仙台市産業振興事業団で専門家としてチームに参加していたコピーライターの工藤拓也さん。

工藤さんは「瓶をずらっと並べたときに、『実験室の薬の瓶みたいに見えると面白いよね』っていう話になったんです。それで僕の方から『シードル香るへそだいこんのピクルス』は『へそピ』という風に提案しました。もうひとつ、薬瓶を…ということだったので、数字とアルファベットのような記号を組み合わせた、ぱっと見で元素記号っぽく見える様なものと2案提案したんです」と教えてくれました。


写真:鯖の塩焼きに「わらピ」を添えて。ピり辛のわらピと鯖の脂の相性が抜群です

佐藤さんも「今回は東京の第一線で活躍するデザイナーの黒田誠さんにも支援チームに入っていただき、工藤さんもいたので、『インパクトを持つネーミングをつけてもらえんるんだろうな』と納得でした。ピクルスという商品は市場に無数にありますが、宮城の食材を使用して、見た目にもこだわった商品を販売するとなると、商品名にもエッジが欲しかったので、よかったです」。と話します。


写真:「のりマヨ」に「なつピ」のパプリカを刻んで入れて特製タルタルに。フライにベストマッチします。付け合わせのトマトは、ワンダーファームの「フラガール」です

佐藤さんは「商品の価格帯としては一般のピクルスよりも高めですが、シリーズのコンセプトとしては、ギフトや手土産として愛される商品になってほしいという願いを持ってリリースをしました。秋保シードルや宮城の高いポテンシャルを持つ食材を使用したピクルスだからこそ、低価格帯の商品として開発をしたくなかったという気持ちもあります。市場に浸透していくには時間がかかるかもしれませんが、末永く愛される新しい東北の手土産として認知される日を期待しています」と想いを語ります。


写真:単体でもおいしいけれど、さまざまな料理の引き立て役にもなるピクルス。ぜひいろいろお試しを

現在は、季節商品である「なつピ」と「ふゆピ」も加わって、全部で5種類になった「ピ」シリーズ。大切なあの人のもとへ、ヘルシーなギフトとして届けてみては?

株式会社Ikizen

所在地 〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル3階
TEL 022-226-8748
E-mail info@ikizen.com

取材/2022年7月

これまでの「銘品ものがたり」をご覧ください。

ムードセンターまつむら
「よいがらす」

ムードセンターまつむらは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞「よいがらす」

宮城が世界に誇る銘酒「浦霞」(株式会社佐浦)。その蔵元である浦霞酒造の酒「寒風沢」と、寒風沢島の砂で作ったグラスをセットにしたのが、「よいがらす」。仕掛け人は、「ムードセンターまつむら」の松村洋さんです。


松村さんは、「このグラスは、秋保のガラス工房『海馬』の村山(耕二)さんに作ってもらったんです。ある時、村山さんの展示があって、立ち話をしていて、『寒風沢島で、佐浦さんがお米を作っているそうなんですけれど、寒風沢島の砂でもガラスって作れるんですかね?』って聞いてみたんですよ。そしたら『できるよ』『じゃあ、やりたいね』って話になって。とはいえ、商品開発って大変な作業だから、とにかく企画書を書いちゃえ、と企画だけ進めました。水と米と人がお酒を造っていること、東北には、お米を自分のところで作っているところもある。それじゃあ、お米を作っている酒造さんならその田んぼの土や砂、水ならその水源の砂を使ったりできればよいな、と思ったんです」。広告代理店出身で、フリーランスになってからもCMディレクターからプランナーまで幅広くこなす松村さんは、日本酒とそのお酒づくりに欠かせない大地で酒器を作り、ひとつの物語を編もうとしたのです。

「こんなアイディアがあって…と、いろいろな人に話をしていたんですよ。そうしたら、『株式会社インアウトバウンド仙台・松島』さんから『やりましょう』と言ってもらえて。僕、もともと塩竈市で観光の仕事をやらせていただいたこともあって、インアウトバウンド仙台・松島さんから『佐浦さんと一緒なら、開発費用も工面しましょう』と。しかも佐浦さんも『ぜひ』と言ってくれて、作れることになったんです」。

その後、海馬の村山さんと一緒に寒風沢島に赴いた松村さん。村山さんは、米を収穫した後の田んぼと砂浜からガラスの原料となる砂を採取し、工房に持ちかえりました。

松村さんは「最初に色を決めたんです。ガラスを溶かすときに、酸化させるか、還元させるかで色が変わるんですね。薄いビール瓶のような茶色と、この緑色っぽい色が出たんですが、すぐに、この色がいいなって思って。緑色と黄色があって、光に透かすとブルーっぽかったりもする。稲穂、植物とか、こっちの色の方がイメージも膨らむな、と思って。地域の景色が浮かんでくるようなものを作れると思いました」。

ニュアンスのある色合いのグラスは、全部で3種類。「鹽竈ザクラ」「稲穂」「海の波紋/浦戸」です。「もともとある吹きガラスには、型があるんですね。吹きながら回転させて捻りを入れるんですけど、村山さんにサンプル集を見せてもらったときに、その場で考えました。花弁のように見えるな、とか。波紋のようにきれいに見えるな、とか。そのイメージを村山さんにお伝えして作ってもらったんですよ」。

もちろん、ガラスはひとつひとつが手作り。「だから全部で30個しか作っていないんです。ありがたいことに、『鹽竈ザクラ』は完売しました。『稲穂』も『海の波紋/浦戸』も売れていて、本当にありがたいかぎりです」。

制作時を思い出して松村さんは「ガラス製品を作ったこともなかったで、色を決めたり、形を決めたり、とにかく決めなきゃいけないのが大変でした」と笑います。

「普段やっている、クライアントさんのいる仕事は、最終的には誰かが決めてくれます。でも、こればっかりは、自分でやらなきゃいけなくて。『これでいいのかな』『こうしたいよね』とか話しながらやっていって、楽しかったです」。

そして「今後は、この形でいろいろな蔵元さんともやってみたいですよね。村山さんが言ってたんですよ。『ケイ素が含まれてる砂なら何でもガラスになる』って。『ガラスって、エコな素材の中でも究極で、何度割れても何回でも溶かして使える。こんなにサスティナブルな素材ってないんだよ』って」。

エコ素材のガラスたちは、これからどんな“ものがたり”を編んでいくのでしょう。

「よいもの」ページはコチラ

松村さんのこれまでの歴史や人柄がうかがえる記事は
Yahoo!JAPANニュースでもご覧いただけます。こちらもぜひ、どうぞ。

ムードセンターまつむら

所在地 〒980-0821 仙台市青葉区春日町58阿部重ビル201
TEL 070-6131-3931

取材/2022年6月

これまでの「銘品ものがたり」をご覧ください。

七夕を楽しもう!2022

東北三大祭り、仙台七夕

今年も8月6日から8日までの3日間、「仙台七夕まつり」が行われることになりました。

秋田竿灯まつり、青森ねぶた祭とともに、東北三大祭りが久々にそろい踏みした2022年。

本当にワクワクしますね。

ところで、みなさんは仙台七夕まつりの由来をご存じでしょうか?

その始まりは、伊達政宗公の時代にさかのぼります。政宗公は、婦女子の文化向上を奨励するために始めたのが由来とされているのです。七夕の七つの飾りにも、それぞれ意味があります。

七夕飾りの意味
🎋短冊:学問や書道の上達
🎋紙衣:病気や災難の厄除け、裁縫の上達
🎋折鶴:家内安全と健康長寿
🎋巾着:商売繁盛(巾着=財布のこと)
🎋投網(とあみ):豊漁、豊作
🎋屑篭(くずかご):清潔と倹約
🎋吹き流し:機織りと技芸の上達

仙台駅で、このまちを訪れる人たちをお迎えする七夕飾りは大迫力。



ここから、街なかのアーケードに向かって、絢爛な七夕飾りが行き交う人たちの頭上で静かにたたずんでいます。


街なかの七夕も素敵なのですけれど、実は周囲の商店街の飾りもぬくもりがあって、なかなかのもの。


ぜひ、お気に入りの七夕飾りをみつけてくださいね。

さらに!七夕はおうちでも楽しめちゃうんです。

まずは、鳴海屋紙商事さんが出している手作り七夕キット「浪漫竹(ロマンチック)」で作る、かわいらしい七夕飾りで、完成したらお庭の木や植木につけたり、鉢に刺して玄関に飾ったりできる優れもの。

かわいらしいと思いませんか?

そしてもうひとつは、香りで仙台七夕を楽しむというもの。

露香さんのオリジナルのインセンス「七夕」は、玄関や寝室で焚いて七夕気分を楽しめます。

華やかな街なか七夕を楽しむもよし。地元商店街のほっこり七夕を楽しむもよし。おうちで楽しむもよし。

🎋みなさん思い思いの素敵な七夕を!🎋

鳴海屋紙商事株式会社

URL https://www.narumiya-k.co.jp/
関連記事:「つくってみた」

※2022年度は、飾りの高さなどしっかりとした感染防止対策を講じながら開催します。
※最新情報は必ず「仙台七夕まつり」公式ホームページ
をご確認ください。

株式会社グリーディー
AKIU Style ナチュラルリードディフューザー(Middle Body)

株式会社グリーディーは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「AKIU Styleナチュラルリードディフューザー(Middle Body)」

「AKIU Style ナチュラルリードディフューザー」は、秋保ワイナリーで毎年大量に廃棄されてきた葡萄のツルをリードとしてアップサイクルしたディフューザーです。開発のきっかけは、株式会社グリーディーの代表である浜出理加さんが、秋保ワイナリーの代表から「葡萄のツルをどうにか利用できないか?」と持ちかけられたことがきっかけでした。



商品自体の構想は2019年頃からあったそうですが、どのように商品価値を上げ、魅力を伝えていけばいいのかを模索。そんな中で、仙台市産業振興事業団の「新商品/新サービス開発支援」を知って、エントリーを決めました。事業団の専門家とは、ベース(器)の選定やブランド全体としてどうあるべきかというコンセプトを掘り下げることができたといいます。



浜出さんは「このツルは伐採してから乾燥させて、剪定しています。しっかり乾燥させることで、アロマオイルをきちんと吸ってくれるんです」と話します。複雑に絡み合った状態のツルを受け取った後は、1本ずつ手作業でほどいてからカットします。この作業を行ってくれているのは、石巻にあるソーシャルファームの利用者さんたち。「私たちも初の取組みなので、一緒に作業工程を模索しながら、少しずつ覚えていってもらっています。地域で雇用を生むことも、この商品は目指しているんです」と、浜出さん。


秋保ワイナリーの葡萄のツルを使うことから、「ワインを選ぶときにライトボディ、ミディアムボディ、フルボディってあるじゃないですか。そんな感じにしたくて」と、ライト、ミディアム、フルをラインナップ。

ライトの香りは「収穫の夜」。浜出さんは「少しひんやりしている秋保の夜をイメージしていますが、温かみも感じる香りになっているんですよ」と教えてくれました。



ミディアムには、ワイナリーのある秋保の「空」「大地」「記憶」を表現したアロマを用意。

「ミディアムは、テイスティングできるように、3種類を作りました。『記憶』は、やはり私たちが絶対に忘れてはいけない震災の記憶をイメージしています。辛い記憶を甘く切ない感じで表現した、複雑な香りです。『大地』はどっしりした落ち着いた香りで、青森ヒバなど和の香りも入っています。寝室におけばゆっくり眠れますよ。『空』はペパーミントが入った爽やかな香りです。香りにもストーリーを持たせて、それにも共感していただけたらうれしいですね」と話します。

フルはオーダーメイドで、アロマデザイナーである浜出さんが、お客さま好みのアロマをブレンドしてくれるのだそう。さらにこのフルは、仙台市内を流れる広瀬川の砂を使った「仙台ガラス」をベースにしています。美しいグリーンのベースに自分のためにデザインされた香りを注ぐ…考えただけでもワクワクします。

「よいもの」ページはこちら

資源の利活用だけででなく、雇用創出や経済活性化も目指す浜出さん。
彼女のこれまでの人生やこれからの夢はYahoo!JAPANでもご覧いただけます。

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株式会社グリーディー

所在地 
本社:宮城県仙台市青葉区二日町17-22 TNER304
石巻スタジオ:宮城県石巻市開北3丁目1-8 特定非営利活動法人やっぺす内
TEL 050-3699-5595
URL https://www.greedyweb.com/

取材/2022年6月

これまでの「銘品ものがたり」をご覧ください。