第12回 新東北みやげコンテスト当日レポート

\受賞商品決定!/

去る11月20日(木)、仙台市産業振興事業団が主催する「第12回新東北みやげコンテスト」が開催されました。251点の商品がエントリーした今大会。入賞した51商品が一堂に会し、5つの特別賞、4つの優秀賞、そして最優秀賞が選ばれました。昨年から導入された外国人留学生による「インバウンド特別賞」、宮城学院女子大学の学生たちによる若者目線で選ぶ「ベストユース特別賞」も引き続き授与が行われました。会場にも株式会社藤崎、NEXCO東日本など10社から審査員が来場。ほかにも、バイヤーや関係者でにぎわいのあるコンテストとなりました。

授賞式に際して挨拶に立った郡和子仙台市長は「東北から日本全国へ、そして世界へと素晴らしい商品が発信していける素晴らしいコンテスト。短い時間ではありましたが、私も会場で素敵な商品、そして生産者の方と出会うことができました。すべての商品が、多くの方に届くことを願っています」と、会場に集まったすべての人にエールを送りました。

●優秀賞

[食品]


ももスコ さとう果樹園株式会社│福島県


仙臺BLACK 5枚入 株式会社鐘崎│宮城県

[雑貨]


起き上がりこいのぼり Kikkora│福島県


CYAN 株式会社山神│青森県

●インバウンド特別賞
ももスコ さとう果樹園株式会社│福島県 なんとW受賞!

●ベストユース特別賞


めひかり塩チョコ「会津山塩」 株式会社いわきチョコレート│福島県

●デザイン特別賞


海藻チップ モッカ!3種セット 海藻専門店SEASON│宮城県

●地域性特別賞


メンマアチャール murata base│宮城県

●アイディア特別賞


梅酒うめコンフィチュール 浦霞醸造元 株式会社佐浦│宮城県

そして最優秀賞は…!


はらこめしのかけら 亘理町地域おこし協力隊│宮城県

ステージで挨拶に立った代表の大沼克哉さんは「この素晴らしい賞をいただき、感謝です。この商品を開発しようと思ったのは、亘理の郷土料理の『はらこめし』という食文化の素晴らしさをより多くの方に伝えたかったからです」と話していました。


あられで「はらこめし」を再現したこの商品。実際に試食した編集部員も驚くほどの再現性とおいしさでした。箸が添えられたユニークなパッケージも魅力です。
店頭などで見かけた際は、ぜひ手に取ってみてくださいね!

「カフェレストランSEASAW」の報告会と記念植樹に参加させていただきました!

多くの人に愛されつづける「浜ののりだれ」

東北で一番古いといわれる海水浴場「菖蒲田浜」の目の前に建つ、「カフェレストランSEASAW」。

宮城県内屈指の人気カフェSEASAWから生まれた、「浜ののりだれ」。

第10回「新東北みやげコンテスト」(2023)で最優秀賞に輝いてから、多くの人に愛されてきた「浜ののりだれ」が、今年行われた大阪・関西万博の「にっぽんの宝グランドグランプリ」で優勝。名実ともに世界一の調味料に輝いたのは、2025年6月のことでした。

それから4ヵ月後の10月28日。

「カフェレストランSEASAW」で、関係者を招いての報告会と記念植樹、そしてグランドグランプリメニューの試食会が行われました。


写真:挨拶に立つオーナーの久保田さん

挨拶に立ったオーナーの久保田靖朗さんは「全国の百貨店さまでの販売の経験をさせていただく中で、全国で売れていくというものの壁を非常に感じました。ただおいしいだけで売れるわけじゃない。だから、全国レベルにブラッシュアップしていかないと先がないと危機感もあったので、『にっぽんの宝物グランドグランプリ』に出品させていただきました」と話します。

「にっぽんの宝物」は地方大会を経て、そこから全国大会、そして世界大会へと駒を進めていきます。1分間の動画とプレゼン、試食の10分のみで順位が決まります。

地方大会では2位で辛くも全国大会への切符を手に入れた久保田さん。

「地方大会後にいろいろな方に頭を下げてお時間をいただいて、2分間のプレゼンの壁打ちさせていただきました。そこで『海苔というと和食のイメージがあるけれど、洋食でも出せるようにしたほうがいい』というアドバイスをいただいて。全国大会では『進化する和食』をテーマに試食のお膳を出させていただきました」


写真:来賓の皆さまの手によって植樹が行われました

全国大会では、しらす丼、ホタテのカルパッチョ、ブルスケッタの3品を提供。海苔のポテンシャルを多いに見せつけることができ、審査員からの高い評価を受けて1位に。

そして万博で行われた世界大会では、蒸しがきにたまごフィリングを乗せたパン、ヴィーガン対応の豆乳リゾットも加えました。

そして久保田さんが一番やりたかったこと、それが「海苔の定義を変える」ということでした。

「海苔は英語にするとSea Weed。海の雑草になってしまうんです。海外の方からすると、『浜辺に落ちているあれでしょ?』となってしまう。なので、お店に来る外国人のお客さまにヒアリングさせてもらったらのりだれを食べて『これは、ハーブだね』と言ってくれた。それで、僕は海苔を『Ocean Herb』と定義させていただきました」


写真:北限のしらすを使用した「のりしらす丼」と、南三陸のブランド牡蠣「戸倉の牡蠣ののりだれがけ」が提供されました

海苔の再定義をして世界大会でプレゼンし、見事優勝。

久保田さんは「このような結果とチャンスをいただきました。私たちも真摯に、これからの地域の食材と向き合っていきたいと思います。そしてこのチャンスを宮城県の、そして東北のたくさんの事業者にお渡ししていけるように、一生懸命頑張っていきたいなと思っております」と挨拶を締めくくりました。


写真:宮城が誇る逸品となった「浜ののりだれ」。ミャクミャクもうれしそう!?

来賓として試食会に参加した七ヶ浜町の寺澤薫町長は、試食後「本当においしいし、世界に七ヶ浜の海苔が評価されたのがとても誇らしい。ありがたいです」と笑顔を見せていました。

11月からはシンガポールの超一流レストランでも使用されることが決まったという「浜ののりだれ」。

世界で評価される「Ocean Herb」の快進撃はまだまだ続きます。

カフェレストランSEASAW
(合同会社fluir)

所在地 〒985-0811 宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田浜長砂20-8
TEL 022-355-9119
URL https://www.seasaw7beach.com/

プラントベース(昆布&椎茸)つゆ付き稲庭うどん
株式会社稲庭うどん小川

株式会社稲庭うどん小川とは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

アイディア特別賞 プラントベース(昆布&椎茸)つゆ付き稲庭うどん

東北を代表する食文化である稲庭うどん。稲庭うどんの産地である秋田県湯沢市で、伝統的な製法を守りながらも革新的な商品開発に取り組んでいるのが、「稲庭うどん小川」です。

日本国内はもとより、海外展開にも力を入れており、ヨーロッパ、北米、アジアなど世界各国への輸出事業を積極的に推進。その中で生まれたのが、「プラントベース(昆布&椎茸)つゆ付き稲庭うどん」です。


写真:「稲庭うどん小川」専務の小川さん。笑顔がとてもチャーミングな、素敵な女性です

「稲庭うどん小川」専務である小川選子さんに開発のきっかけを伺いました。

「弊社は輸出事業に力を入れていて、ヨーロッパにも進出していきたいと考えていました。ちょうどその時、動物性の原料を使っているとヨーロッパへの輸出ができないという規制がかかってしまったんです。でも、稲庭うどんはめんつゆとセットだからこそ、食べ方の提案ができるもの。アレンジは自在なんですが、ベーシックな日本スタイルの食べ方も現地の方に知ってもらいたいと思っていました。それで、何を原料にしたらおいしい出汁がとれるかを相談したのがもともとのきっかけです」

かつお節などの動物性食材を使用しない麵つゆ。最初は、何を使用したらいいか小川さんも見当がつかなかったそうですが、「輸出事業をしている方に聞いたところ、昆布と椎茸のお出汁であれば、日本の方でも違和感なく食べることができるし、うまみ成分も十分でいい味になるんじゃないかと教えていただきました」と、開発への一歩を踏み出すことができました。


写真:小川さんが取材陣にふるまってくれた稲庭うどん。お揚げと椎茸を甘く煮た具材をトッピングしてくださいました。絶品!

さらに、中小企業の相談窓口である「湯沢市ビジネス支援センター ゆざわ-Biz」で、「日本国内でも動物性アレルギーがあって食べられない人もいる」と聞いた小川さん。

「海外向けでなく、国内にもそういう方がいるということで、動物性のものを召し上がることができない方や、ビーガン食を選ぶ方向けのマーケット開拓、商品提案につながるかなと思いました」

納得のいく出汁の味が出るまでかかった時間はおよそ1年。原料も国産にこだわりました。

「稲庭うどんはハイクオリティーなプレミアム商品。それに見合ったものにしたかったので、原材料もよいものを使用したいと思いました。麺つゆについて知見のある方のご指導をいただきながら、現在の味になりました」


写真:昆布と椎茸のうま味が抜群のつゆ。スッキリ後味がすっきりしているのも特長です

原料にこだわり抜いた麺つゆは、お客さまからも大好評だそう。

「『すごくおいしい』と皆さん言ってくださいます。市販の麺つゆもたくさん種類がある中で、『麺つゆだけ売ってもらえませんか』という声もあって、うれしいです。今後は麺つゆだけの販売ということも視野に入れています。ただ、EUはプラスチック容器について厳しい規制があるので、輸出ではそこをどうするかが課題ですね」


写真:丁寧な仕事は、稲庭うどんの仕込みだけでなく検品作業にも。スタッフのみなさんが手作業で行っています

商品の売り込みのため、世界中を飛び回っている小川さん。
「ヨーロッパだけでなく、韓国や北米にもたくさん輸出しています。最初に輸出事業をやると言った時、麺がすでにある国に売るのは難しいんじゃないかという指摘を受けたんですけど、麺のある国に対しての方が開拓はしやすいんです。稲庭うどんの売り上げは経済的な成長と比例している部分があります。ベトナムやタイなどは、日本食の市場がこれから成長期に入っていくと考えているので、弊社としてもこれから注力していきたいですね」


写真:電子レンジでやわらかくしたカボチャと合わせて「ほうとう風」に。優しい甘味が口いっぱいに広がります

今後、この商品に期待することを伺いました。
「麺つゆがついている商品なので、どなたでも手軽に食べてもらえるというのがひとつのコンセプト。たとえば、単身の若い方でもつゆと麺があれば、すぐに食べることができる。なので、本当に幅広い年齢の方に手軽に楽しんでほしいです。食卓を囲むことによって、家族や知人の方と会話が生まれて、喜びの共有につながるような、そんな食材になってくれればと思います」

写真:付属のつゆを豆乳で割って、ごま油と豆板醤、鶏ガラスープで炒めたひき肉をトッピング。お店の「担々麺」にも負けない一品に!

そして、「この商品は、ビーガンという仕立てではあるんですけれども、それにお肉などを合わせてはいけないということではないんです。何と合わせていただいても、あとはお好みです。弊社ではアンバサダーを募集して、みなさまのレシピをInstagramでご紹介しています。本当にいろいろなアイデアレシピを寄せていただいていますので、ぜひご覧になってみてください」

株式会社稲庭うどん小川

所在地 〒012-0107 秋田県湯沢市稲庭町字大森沢144
TEL 0183-43-2803
URL https://ogawaudon.com/

[2025kitaha]発表会

おいしいkitaha、今年もできあがりました

10月30日、石巻市の「かわまち交流センター」 (かわべい)で、石巻で製造されているkitaha の2025年度の和紅茶がお披露目されました!
参加したのは、支援機関や自治体、お茶のあさひ園さんの取引先の方々など日頃から関わりのある人たち。kitahaが大好きな人たちで今年製造された 1st-flash と 2nd-flash の試飲を楽しみました。


写真:参加者は、それぞれの違いを楽しんでいました

1stはすっきりとした飲みやすさ、2ndは深みのある味わいでミルクティーにもぴったりに味わいと大評判。石巻のパティシエが手がけた和紅茶のティグレもふるまわれました。


写真:kitahaの日野朱夏さんと夫で工場長の優介さん

そして、これまでの取り組みとして、kitahaの日野朱夏さんから、2025年5月から、地元の子どもたちに桃生茶のことを知ってもらおうという企画として、桃生小学校6年生に向けた体験教室を行ったことが報告されました。5月には桃生茶のことを知り、味わってもらう座学を。そして6月には茶葉を手摘みし、7月には工場見学と自分たちで摘んだ茶葉を紅茶したときに入れる袋づくりが行われたそう。その袋には、子どもたちが紅茶を渡したい人へのメッセージが描かれたのだといいます。その紅茶は来年3月の卒業式で子どもたちに渡されるそうで、きっと子どもたちにとっては、忘れられない思い出になることでしょう。


写真:kitahaのお茶が作られる工場。ここから世界に羽ばたく和紅茶が製造されています

さらには、大阪・関西万博の国連パビリオンのVIP向けにkitahaが振舞われたこと、メトロポリタン仙台のチョコレートに「kitaha和紅茶」が使用されたことなどが報告されました。
そして、今後の活動について、2年後に行われる「全国紅茶サミット」が石巻で行われることや、今後kitahaオリジナルの茶器の製作を計画していることが話されました。香り高い紅茶に包まれた穏やかな時間のなか、石巻の風土から生まれる和紅茶の魅力をあらためて感じるひとときとなりました。



そして、kitahaでは、新商品「石巻烏龍茶」が誕生。台湾四大銘茶のひとつである「文山包種茶」の製法をベースに仕上げた烏龍茶で、11月10日から発売が開始されました。烏龍茶にするとおいしい秋収穫の茶葉をメインに使用しており、苦み渋みの少ない華やかで味わい。限定60袋と少量ではありますが、オンラインで購入できます。

オンラインショップはこちら

kitaha(お茶のあさひ園)

所在地 〒986-0828 宮城県石巻市旭町10番8号
TEL 0225-22-2887
URL https://ec.kitaha.jp/pages/about-kitaha

Dake Deli三種6缶セット
株式会社 味の加久の屋

株式会社 味の加久の屋とは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

ベストユース特別賞 Dake Deli三種6缶セット

“だけ”をアルファベット表記した「Dake」と“おいしい”を意味する”Delish”の「Deli」を合わせて「Dake Deli」と名付けられた缶詰。青森県の特産品であるホタテを使用した新しい缶詰シリーズで、2024年の販売開始以来、若い女性を中心に注目を集めています。

この商品を開発したのは、八戸みやげとして有名な「いちご煮」を製造販売している株式会社味の加久の屋です。


写真:八戸名物の缶詰「いちご煮」でもよく知られています

ポップでおしゃれなパッケージにはQRコードが印刷され、缶詰を使用したレシピを簡単に見ることができます。「出すだけでおいしい」ことが評価され、第11回新東北みやげコンテストでは、宮城学院女子大学の学生たちが選んだ「ベストユース特別賞」を受賞しました。


写真:開発担当にあたった田名部光彦さん

開発を担当した営業部の田名部光彦さんは「2023年ころから『新しい青森のおみやげをつくろう』ということで企画を始めました。青森県の総合販売戦略課と県庁の調査によると、知名度が上位にいくのはりんご、せんべい汁、マグロ、ホタテなどで、上から見ていったところで、うちが取り扱えるもので製品化できるものだとホタテだったんです」と教えてくれました。


写真:パッケージのQRコードを読み込めば、簡単レシピにアクセスできます

開発担当者は田名部さんも含めて5名。

最初からレシピありきで、つくっていったのだといいます。

「味のバリエーションというよりは組み合わせを何にするかというところで何十種類と考えました。メニューありきで味をつくっていったんです」

こうして出来上がったのが「マリネ」「ガーリックバター」「ガーリックトマト」の3種類。


写真:「マリネ」を使用して、贅沢サラダに

青森県の地形を象ったアイコンが掲載されたポップなパッケージデザインも、開発当初から考えられていたそうです。

「缶詰、特におつまみ系の缶詰だと、男性向けになりがちです。でも、おみやげを選ぶ際には女性の方が優先権を持って選ぶこともあるので、メインのターゲットは30代から50代ぐらいの女性を想定してデザインしました。パッケージにQRコードを乗せたのも、すでにあるホタテの缶詰と差別化を図るためでした」


写真:しめじをバターで炒めて「ガーリックバター」をフライパンにIN。絶品でした!

コンテスト当日は、炊き立てのごはんに缶詰の中身を乗せて、審査員やバイヤーの方たちに試食として提供しました。

「女子大生を意識してつくったわけではなかったんですが、結果『ベストユース特別賞』を受賞できました。あとは、試食してくださったファッション系のバイヤーの方が『ただ売るだけじゃなくて、売った後のことまで考えている』すごく褒めてくださったんですよ」

今後、さらなる味のバリエーションを増やす予定がないかどうか伺うと「ホタテの原料事情もなかなか厳しくて、そんな大量につくる製品ではないので、今のところは大丈夫ですが、種類を増やしていくのは難しいかなと考えています」とのこと。


写真:パンに野菜と「ガーリックトマト」を乗せてオープンサラダに。休日のブランチにもぴったり

現在、「Dake Deli」の取り扱いがあるのは、主に青森市のみやげもの店。

「県内のおみやげ屋さん、特に青森市のおみやげ屋さんでは結構取り扱っていただいていて、それなりに動いているんですが、八戸のおみやげ屋さんだと一部になってしまっているんです」とのこと。

オンラインでの通販もあるので、気になる方はぜひ!

「Dake Deli」で、簡単なのにおいしい一品をつくってみませんか?

株式会社 味の加久の屋

所在地 〒031-0822 青森県八戸市大字白銀町字三島下92
TEL 0178-34-2444
FAX 0178-33-0395
URL http://www.kakunoya.co.jp/
オンラインショップ
https://www.ichigoni.com/c/etc-can-reto/DakeDeli

よいみせ│マリンゲート塩釜

桂島、野々島、石浜、寒風沢島、朴島からなる浦戸諸島へ渡る船が運航しており、塩竃の“海の玄関口”として、島に暮らす人々や観光客も多く利用するマリンゲート塩釜。

今年6月にそのマリンゲート塩釜の1Fにオープンした「Marine Gate SELECT MARKET」は、東北6県のおいしい食品と工芸品を取り扱うセレクトショップ。

一点ものを中心にデパートでは見つからないようなレア感のある商品を厳選して提供しています。

店舗の運営を行う塩釜港開発株式会社の鈴木由佳さんは「最近は地元の方もだんだん増えてきています。阿部善商店さんという地元・塩竃のかまぼこの老舗につくっていただいている、うちでしかない“かま天”があるんです。とてもお得な内容ですし、煮崩れもしないので、それを買い求めに地元の方がいらっしゃいます」と話してくれました。


写真:店舗運営を行う塩釜港開発株式会社の鈴木由佳さん。ゲキ押し商品として、阿部善商店の「盛りすぎおさかなかま天」を紹介してくれました

店の大人気商品は、フランス・リヨンに本店を構えるティーメゾン「CHA YUAN(チャ ユアン)」のフレーバーティー。

「仙台にあるAtelier ICHIMARUさんという日本総代理店から仕入れています。塩釜では当店だけで取り扱いがあって、大変人気なので欠品のものも結構あるんです。紅茶ベース、烏龍茶ベース、緑茶ベースにそれぞれフレーバーがついていて、本物のフルーツや草花を使って上品なお味に仕上げられています。お茶がおいしい季節になってきましたので、最近特によく売れています。茶器と一緒にお求めになるお客さまもいるんですよ」


写真:仙台市泉区のロイヤルパークホテルでも提供されている「CHA YUAN」のフレーバーティー

さらに、仙台の伝統工芸品である「松川だるま」も「つつみのおひなっこや」で特別につくってもらっているという、「Marine Gate SELECT MARKET」だけの限定品も人気なのだとか。
「ロイヤルブルーのだるまさんに、塩竈の『竈』の字が入っています。ロイヤルブルーには成功、『竃』の字には家族、仲間、そして家内安全という意味があるそうです。かわいいのはもちろんですが、縁起物としてお買い求めになる方もいて。先日広島からいらっしゃった旅行者は、4個買っていかれたんですよ」と、鈴木さんは笑います。


写真:「Marine Gate SELECT MARKET」だけの限定品。ロイヤルブルーの松川だるま


写真:新米がおいしい今の時期は、ご飯のおとももよく売れるそう。茶碗などと陳列し、食べ方のシーンも演出しています

また、「Marine Gate SELECT MARKET」では、障がい者の事業所を応援。現在5団体と取引を行い、障がいのある人たちの働く場所を活性化させることで、どんな人も活躍できる場づくりを目指しています。

「お店を持たない事業者さんにとってのアンテナショップ的なこともコンセプトとしてありました。一般社団法人アート・インクルージョンさんのハンカチはとても独創的で人気がありますよ」


写真:オリジナルの作品をハンカチに。どれも独創的なデザインで、かわいい!

「新東北みやげコンテスト」受賞商品も好調!

仙台市産業振興事業団で主催する「新東北みやげコンテスト」の受賞商品もさまざま並んでいます。2024年の最優秀賞を受賞したFISHERMAN’S KITCHENの「まるごと牡蠣ソース」や、2023年の最優秀賞fluirの「浜ののりだれ」などは、店頭でもとても売り上げがよいのだそう。


第11回新東北みやげコンテスト最優秀賞:FISHERMAN’S KITCHEN「まるごと牡蠣ソースセット」


第10回新東北みやげコンテスト最優秀賞:合同会社fluir「無添加 浜ののりだれ 食べ比べ3種セット」


第5回新東北みやげコンテスト入賞:株式会社byJAPAN「海苔とナッツの濃厚おつまみBARATZ<バラッツ>


第8回新東北みやげコンテスト入賞:アルファ電子株式会社「う米めん」


第7回新東北みやげコンテストお取り寄せ特別賞:一般社団法人石巻グリーフサポート「森のキャビア」


第9回新東北みやげコンテストデザイン特別賞:MOYANE協議会「MOYANE「ぶどう飴」」

新東北みやげコンテストの受賞商品が他にも数々並んでいます。

ただ眺めているだけでも楽しい「Marine Gate SELECT MARKET」のセレクト商品。大切な人への贈り物を探している方、レアなアイテムで生活をちょっと豊かにしたい方はぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

マリンゲート塩釜

所在地 〒985-0016 宮城県塩竈市港町一丁目4-1
TEL 022-361-1500
URL https://www.shiogama.co.jp/marinegate/

浜ののりバジル
カフェレストランSEASAW(合同会社fluir)

カフェレストランSEASAW(合同会社fluir)とは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞 浜ののりバジル

「第8回新東北みやげコンテスト」で「お取り寄せ特別賞」を受賞した「浜ののりだれ」。その商品をブラッシュアップし、おみやげ品としての需要を考慮しての小型化や無添加にすることでヘルシーコンシャスな人たちにも響く商品にしたことで、「浜ののりだれ」は、「第10回新東北みやげコンテスト」で最優秀賞に輝きました。

その最優秀賞を足掛かりに、人気YouTube番組「令和の虎」に出演。その知名度は大きく上がり、さらには「調味料選手権 2023」では、「地域の味ベスト賞」を受賞。その後、「にっぽんの宝物JAPANグランプリ2024-2025」日本一に、続く「世界大会2025」でもグランプリ輝いた、宮城が誇る逸品となりました。

そんなスター調味料を持つ、七ヶ浜の「カフェレストランSEASAW」は、なぜ新商品の「浜ののりバジル」を開発することになったのでしょうか。

カフェを運営する合同会社fluir代表の久保田靖朗さんは「この海苔とバジルのレシピは、最初の『のりだれ』を開発した当時からあったんです。当時弊社では小さな畑をやっていて、そこでバジルも育てていて。季節が夏だったので、『夏だし、新しい味をつくってもいいかもね』という話になって、マネージャーがつくってくれたんですよ。そうしたらめちゃくちゃおいしくて。商品として出したいとは思ったんですけれど、当時うちでは工場もなくて。お店のソースをつくる調理場で『のりだれ』の3種類を仕込んでいたから、もういっぱいいっぱい。それで出せなかった…というのが本当のところなんです」と、笑いながら話してくれました。


写真:久保田さんと、マネージャーで奥さまの加藤真子さん

「浜ののりだれ」が一気に有名になり、工場も稼働して生産体制が整ったところで、満を持しての登場となった「浜ののりバジル」。量産にあたって、自社の畑のバジルではなく、久保田さんは蔵王町の「ざおうハーブ」に依頼することになりました。

「やはり宮城のものを使いたいということ。あと、震災後の活動を通して、蔵王町議でもある『ざおうハーブ』の平間(てつや)さんのことを知っていたこと。それで『ざおうハーブ』さんにお願いすることになったんです」

久保田さんが意識したのは「海と山のマリアージュ」。同じ宮城の海のもの、山のものが一体となり、さわやかなのに濃厚でコクのある味に仕上がりました。ところが…。

「お店で商品として食べていただくソースとおみやげにするのは全く別物なんですよね。バジルって緑の食材で、緑の食材はすごく加工しにくいんですよ。色が悪くなるとか、香りが落ちるとか。かつ、生の状態からの加工になるので、今までとはもう全く違ったんです」

それでも試作に試作を重ね、「これならいける!」と確信した「浜ののりバジル」を完成させた久保田さん。しかし、そこにまた予期せぬことが起こります。

「2024年の5月に設計して、商品開発をして、検査機関にも出して、いろいろな方にもう卸していたんです。そうしたら、8月に入って、『なんか香りが違うな』と感じて。検査してみたら、あるロットから乳酸菌が出たんです。もちろん洗浄殺菌して万全を尽くしていましたが、バジルの葉についていた自然の乳酸菌が増えてしまった。乳酸菌とはいえ怖いので、9月のあたまに3000本ほど市場に出したものを自主回収したんです」


写真:「浜ののりバジル」と鶏ひき肉、玉ねぎ、パプリカを炒めてガパオ風ライスに。絶品!

7月の段階では「新東北みやげコンテスト」への応募を済ませ、一次審査を通過。11月の二次審査をわずか2ヵ月後に控えての自主回収となってしまいました。

「9月になってからもいろいろ試して、やり直して。10月あたまにあった『調味料コンテスト』も最終審査に残ったんですけど、棄権しました。でも、なんとか『新東北みやげコンテスト』だけは取りたい、やりたいと思って。そこからずっと商品開発し続けて、やっと『これは大丈夫だ』っていう工程が決まりました。最後の味の微調整は、実は前日の夜までやっていたんです」

その苦労が実り、翌日の「第11回新東北みやげコンテスト」では、優秀賞を受賞。郡仙台市長から笑顔で盾を受け取る久保田さんの笑顔が印象的でした。


写真:ピザ生地に「浜ののりバジル」を塗って、チェリートマト、モッツァレラチーズを乗せてオーブンへ。“追いソース”でバジルを散らせば、ワインも進むマルゲリータの出来上がり

今後について、伺いました。
「商品としてはもちろんですけれど、業務用なども展開できたらいいなと思っています。そうすれば、もっともっと生産者さんに還元できますから」


写真:フランスパンにコールスローとサラダチキン、キュウリを挟んでソースに「浜ののりバジル」を。うま味たっぷりバインミーになりますよ

久保田さんと開発担当のマネージャーである加藤真子さんの努力の結実ともいえる「浜ののりバジル」。2025年10月現在、原材料不足から一時生産を停止していますが、近日中に再販されることを期待しましょう!

久保田靖朗さんのこれまでのものがたりは、Yahoo!ニュースでご紹介しています。ぜひご覧ください。

カフェレストランSEASAW
(合同会社fluir)

所在地 〒985-0811 宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田浜長砂20-8
TEL 022-355-9119
URL https://www.seasaw7beach.com/

しょっつるナッツ
株式会社ノルテカルタ

株式会社ノルテカルタとは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

地域制特別賞 しょっつるナッツ

秋田県の数ある名産品の中でも、「きりたんぽ鍋」などに欠かせない調味料が「しょっつる」です。
主にハタハタなどの魚を塩漬けして発酵させたもので、石川県の「いしる」や香川県の「いかなご醤油」と並び、日本三大魚醤のひとつといわれています。
魚のうま味が凝縮されたこのしょっつるで味付けされたのが、新東北みやげコンテストで地域性特別賞を受賞した「しょっつるナッツ」です。


写真:株式会社ノルテカルタ代表の岡本さん

ノルテカルタの代表である岡本大介さんは、「もともとその僕らのところで、オイル漬けのチーズを作ったんですけど、その時に燻製チーズとアーモンドを入れたいねという話になりまして。それで、『アーモンドにしょっつるで味を付けてみよう』と、つくってみたんです。そしたら、気がついたらそのしょっつる味のアーモンドをずっと食べていて(笑)。止まらない感じだったんですよね。それで、『じゃあもうこれをそのまま出そう』って言って、商品化することになったんです。そもそもきっかけというか、構想自体はもう5年前ぐらいにはあったんですよ」と教えてくれました。

ノルテカルタの商品開発は「スピンオフ的に誕生している」と話す岡本さん。
「最初は、いぶりがっことチーズのオイル漬けをつくったんです。そうしたら『チーズ、おいしいね』ってみんなに言われて。それで、チーズのオイル漬けをつくることにしたんです。そのチーズは塩糀としょっつるで味付けしたんですけど、別バージョンで燻製チーズのオイル漬けをつくろうとなって。ただ、燻製チーズにその味付けをするのはどうだろう…ということで、アーモンドに味付けして入れちゃおうってなったんですよ。そしたらそのアーモンドがおいしかったっていう(笑)」


写真:風光明媚な秋田県八峰町で生まれた「しょっつるナッツ」

そして、この「しょっつるナッツ」を新東北みやげコンテストに出品。結果、地域性特別賞の受賞につながりました。
「受賞したことで、バイヤーさんに話しやすくなりました。こういった冠をいただけるのはありがたいですね」

商品開発にあたるのは、岡本さんと女性スタッフの方。
「だいたい僕が『こういうのって、どう?』って言うと、『何を考えてるの?』って言われながら(笑)、形にしてくれるんです。現在は、この『しょっつるナッツ』のフレーバー違いを開発中とだけ、お伝えしておきます」と、岡本さんは話してくれました。


写真:ビールがグイグイ進みます

今後の展望について伺いました。
「何種類かを集めてギフト用にすることを考えています。あと、サンプルを配ったときに、スナックやバーの方から『味がしっかりしているから、お酒に合う。業務用にしてくれない?』と言っていただいただけましたし、先日は某有名ホテルの方から『うちのバーでも出せたらいいね』と言っていただけたので、今後業務用の展開も考えていけたら」と、岡本さん。


写真:はちみつをとろりとかければ、赤ワインにぴったりなおつまみに

一度手を出したら止まらなくなる“悪魔の美味”な「しょっつるナッツ」は、東北スタンダードマーケット(仙台市)やオンラインストアで購入可能です。ビールやワイン、お気に入りのお酒と合わせて楽しんでみては?


写真:レタスなどの野菜に「しょっつるナッツ」と粉チーズでパワーサラダに


写真:田子ガーリックマヨネーズで味付けしたパンプキンサラダに「しょっつるナッツ」をトッピング。絶品です


写真:バニラアイスにトッピング。甘じょっぱくて、最高の味わいです

岡本大介さんのこれまでのものがたりは、Yahoo!ニュースでご紹介しています。ぜひご覧ください。

株式会社ノルテカルタ

所在地 〒018-2664 秋田県山本郡八峰町八森古屋敷18
TEL 0185-57-3444
FAX 050-3201-4427
URL https://www.nortecarta.com/