津軽塗アクセサリー
株式会社小倉内装

株式会社小倉内装とは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞 津軽塗アクセサリー

青森県の伝統工芸品である津軽塗。その津軽塗が、耳元でゆらりと揺れるピアスやイヤリング、そしてかわいらしいブローチになりました。それが、「津軽塗アクセサリー」。手掛けたのは、青森市に本社を置く「株式会社小倉内装」です。


写真:小倉内装代表取締役の小倉勝茂さん。現役のDJとしても活躍しています

「なんで内装屋さんが、伝統工芸品でアクセサリーを?」。そう思う方も少なくないでしょう。

小倉内装の代表取締役である小倉勝茂さんは、「当社は祖父が創業し、当時は障子や掛け軸などを販売していました。時代の流れとともにビニールクロスなどの壁紙やカーペットなどの商品を扱うようになり、だんだん内装のほうの取り扱いを増やしていったんです」と、小倉内装のヒストリーを教えてくれました。

そして「実は私は、東京でナレーションやキャスターなどの声の仕事をしていたんですね。でも、先代である父が病気になってしまって。それが東日本大震災の後のタイミングだったこともあって、『自分は小倉家の長男だし、戻った方がいいのかな』と葛藤することになって。それで青森に戻ってきました」と話します。

しかしながら、家業とはいえ小倉さんは内装についてまったくの素人。


写真:小倉さんの転機のきっかけとなった「界 津軽」の木漏れ日kogin 提供:星野リゾート

「イチから勉強しなくてはいけなかったのですが、ある時山端さんというこぎん刺しのデザイナーさんと知り合う機会があって。その後、星野リゾートの温泉旅館『界 津軽』さんの廊下の施工を手掛けることになったんです。デザイナーの方から相談されたのは、天井のこぎんの照明が、木漏れ日のように廊下や壁に映り込むようにしたいとのことでした。なので、僕が最初に手掛けた伝統工芸の作品は、こぎん刺しを使ったものでした」

小倉内装で手掛けたこの「木漏れ日kogin」は、2018年のArchitectural Diget(※)の『世界のホテル 美しい廊下10選』に選出され、世界的にも高い評価を受けました。

※1920年に創刊された歴史あるアメリカの月刊誌。主なテーマは、インテリアデザインとランドスケープ

この経験から「伝統工芸って、こうやってアップデートできるんだ」と手ごたえを感じた小倉さん。

「視点を変えることで、現代のインテリアにもマッチするものができると、間口が広がる。継承者が減っている現状を抱えた伝統工芸の応援にもなるんじゃないかと思ったんです」

そこで次に注目したのが、津軽塗。青森では昔から親しまれていて、テーブルや箸などいろいろなものが家庭で愛用されていました。小倉さんは「いろいろな職人さんの話を伺うと、職人が減ってきていること、そして津軽塗そのものも全体的には売り上げが厳しくなってきていて」と話します。

そこで小倉さんが目を付けたのが、同じく伝統芸の高崎だるま。120年続く老舗の「吉田だるま店」に電話をかけて、コラボレーションを呼びかけました。


写真:高崎だるまと津軽塗のコラボレーション

「突然電話をしたのですが快諾してくれて。それで高崎にお会いしに行ったらたまたま社長さんが競馬ファンで、私がキャスターを務めていた番組を見ていてくださったんです。それで『え?あの小倉さん?』となって、とんとん拍子に話が進みました(笑)」

津軽塗とのコラボレーションだるまは、またたく間に完売。小倉さんは津軽塗のポテンシャルを大いに感じました。


写真:この猫のブローチは、仙台市内中心部の百貨店藤崎で取り扱いがあるそう

ところで、津軽塗の大きな特徴は「研ぎ出し変わり塗り」。これは、複数の色漆を塗り重ねて研磨し、独自の模様を浮かび上がらせる技法です。しかしながら、その手数がゆえに製作に時間がかかり、費用も高くなってしまうのです。そこで小倉さんが考えたのが、薄い板に津軽塗を施し、それをいろいろなものを切り抜いてアクセサリーをつくるというアイデア。

「自分たちは、気軽にみなさんに手に取ってもらいたいという思いから、装飾をシンプルにしてできるだけ価格をおさえました」というアクセサリーは、カジュアルでもシックな服装にも合いそう。


写真:耳元で揺れるピアス。とってもキュート!

デザインは、小倉さんをはじめとする男性中心で行っているそうです。

「ひと工夫して皆さんが喜んでくれるようなもので、津軽塗の認知度向上につなげたいです。遺していくことで、育った地域のアイデンティティや文化遺産を若い人たちにも感じてもらえたら…と思います」


写真:シンプルなTシャツのワンポントとして


写真:バックパックのアクセントにも

小倉さんが次にどのようなアイデアを実現するのか、楽しみです。

小倉さんのパーソナルヒストリーは、Yahoo!ニュースでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

株式会社小倉内装

所在地 〒030-0856 青森県青森市幸畑阿部野141-7
TEL 017-738-8686
FAX 017-738-0001
URL https://ogu.jp/

こけしタオル朱色
株式会社なるみ

株式会社なるみとは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞 こけしタオル朱色

東北の昔ながらのみやげ品として愛されている「こけし」は、温泉地がその発祥といわれています。
12系統中の5系統が宮城県にあり、鳴子温泉でつくられる「鳴子系」もそのひとつ。
温泉と深いかかわりのあるこけしと、温泉入浴には欠かせないタオル。そのふたつを掛け合わせ、「東北の温泉地の新しいおみやげにしたい」と誕生したのが、鳴子でみやげ店を営む株式会社なるみの「こけしタオル」。


写真:こけしタオルへの思いを語ってくれた遊佐さん

開発を担当したのは、取締役の遊佐和広さん。遊佐さんは「実際にこけしの手ぬぐいやタオルはすでにあって、うちのお店でも販売していたんです。観光用のおみやげというのも大事なんですけれど、繰り返し使うものだからワンランク上のものがあったらいいな、というところからこのタオルの企画がスタートして。つくるなら、今治タオルがいいなと思ったんです」と話します。
今治タオルとは、愛媛県今治市でつくられたタオルの総称で、高い品質と優れた吸水性、柔らかさが特長で、日本だけでなく世界で人気のブランド。その肌触りは一度使うとクセになるほど。
「手に取ってずっと使っていて、なんかその心地いいなみたいなものになってほしいなと思って。何回使っても、ふわふわを維持できるというのが今治タオルだったので、選びました」


写真:今治タオルでフルオーダーの「こけしタオル」は、3色を展開

今治タオルを使うと決めた遊佐さんは、一通りタオルを購入してその肌触りや吸水性を検証。その結果、「このこけしタオルは糸の長さ、細さを振るオーダーしているのですが、それに対応してくれたのが『渡辺パイル』さんでした。とても親切に対応してくださって。最初は、カフェの1周年の記念グッズとして考えていて、無地の湯治専用タオルを作ろうかと思っていたんです。でもそれじゃあちょっと弱いな、ということで『せっかくこけしがあるんだし、こけしにしよう』と、ブルーのこけし柄タオルをつくりました。でも、さっきも話したようにすでにこけし柄のタオルは存在しているので、それだけじゃあ弱い。ならば3色展開にししようとなりました」と遊佐さんは語ります。

現在3色展開されているこけしタオルの色には、泉質に基づいた色を選びました。
ウーロン茶のような色合いの重層泉の「朱色」。硫黄泉を表現した「白茶」。そして、鉱物の層を通って湧き出る温泉を、ストーングレーのような色で表した「灰青」としました。


写真:遊佐さんの家業である「おみやげの店 なるみ」

「僕はこの家の生まれで、大学を出た後に栃木の食品関係の会社で働いていたんです。Uターンで帰ってきて、雑貨のことなんかは何も分からなかったけれど、旅行がもともと好きだったのと、自分の店でも既製品を扱っていることもあって、『何か独自のものをつくりたい』ってずっと思っていたんです。デザインは、知人の伝手で、山形のデザイン会社の『アカオニ』から独立された佐藤(裕吾)さん。もともと作品を拝見していたのと、カフェのデザインも手掛けていただいたので、今回もお願いすることにしました」

第11回の「新東北みやげコンテスト」に出品して入賞したことで、新しいご縁も得たという遊佐さん。
「たまたまブースが『仙台弁こけし』さんの隣だったんです。それでお話させていただく中で、コラボが実現したんですよ」
そうして誕生したのが、ガチャガチャのアイテムである「なるみ×仙台弁こけし コラボアクリルキーホルダー」でした。


写真:店内で購入できる仙台弁こけしとのコラボのガチャガチャ。まんじゅうの引換券付きです

最後にこの商品に期待することを遊佐さんに伺いました。

「この商品はここで一度区切りかなと思っているんです。やれることといったら色違いだと思うんですけれど、できたらいろいろな温泉地のおみやげ品になってもらえたらいいな、と思って。それで、どこの産地ともいええないようなデザインにしてもらっているし、一言も『鳴子』って入れていないんですよ。今はまだできていないんですけれど、実現したらいいなと思っています」

こけしタオルが、東北の温泉地の新しいおみやげ品として愛されるようになるのも、そう遠くはないことでしょう。

遊佐さんのこれまでのヒストリーは、Yahoo!ニュースでも紹介しています。そちらもぜひご覧ください。

株式会社なるみ

所在地:〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉字鷲ノ巣87-2
TEL/FAX:0229-83-2362 / 0229-82-2232
URL:https://www.narumi3.com/

よいみせ│えふと 仙台空港

2025年4月1日、仙台空港にオープンしたスーベニアショップ「えふと仙台空港 EFUTO」。こけしや松川だるまなどの工芸品のほか、東北のよいもの、おいしいものを集め、多くのお客さまでにぎわっています。
「EFUTO」という名前の由来について、運営にあたっている株式会社LABEL LINKの竹直也さんは、「EFUTOとは、フライトとギフトを掛け合わせた造語です。ローマ字のスペルをそのまま活かすとFFTになってしまう。それだと読めないので、ひらがな読みして、さらにまたローマ字にしてエフトという名前としました」と話します。


写真:EFUTOを運営する株式会社LABEL LINKの竹さん

「おみやげやギフトなど、さまざまなシーンで利用していただきたい」と話す竹さん。東北域外から来る国内外の方、そして東北からどこかへ出かけて、出張先や帰省先の家族などへのギフトとして、東北のよいものを選んでほしいとの思いからスタートしています。
商品のセレクションは、竹さんご本人と副社長である奥さまで行っているそう。
竹さんは「仙台市産業振興事業団さんが主宰している『新東北みやげコンテスト』を参考にしているんです。素敵なパッケージの商品が多いですから。そのほかには、さまざまな販売会にお邪魔して、『本当にお客様に届けたい商品』を探しています」と話してくれました。


写真:EFUTOを運営する株式会社LABEL LINKのZao Onsen 湯旅屋 高湯堂と日本の物と猫をモチーフにひとつずつ手作りの粘土作品を作っているmarukoro chanとのコラボレーションアイテムも!


写真:EFUTO限定のオリジナル手ぬぐい。柄がとにかくかわいいっ!

仙台空港の国内線保安検査場の目の前のため、圧倒的に日本のお客さまが多いというEFUTOですが、竹さんによると海外からのお客さまも3割ほどいるそう。今後どのような店にしていきたいのかを伺うと「東北のゲートウェイなので、東北の発信基地にしていきたいと思っております。作り手さんの思いと地域の思いを届けながら、東北の魅力が伝わるような場にしていきたいです。そして、東北の人に対しては、もっと自分が住んでいる地域に誇りを持ったり、愛してもらったりできる場所になればと思います」と話してくれました。

仙台空港の新たなスポット「EFUTO」、旅行に行くという方もそうでない方も、ぜひチェックしてみてくださいね!

えふと 仙台空港

場所 フロアマップ
営業時間 8:00~20:00
運営会社 株式会社LABEL LINK
TEL 080-9659-3700
FAX 022-774-1534

[終了しました]東北ROUTE45-藤崎本館1Fで開催中!

🏃🏃5/7(水)まで!GWは、藤崎へGO!🏃🏃

現在、藤崎本館1Fにて開催されている「東北ROUTE45」。

国道45号線沿いのおよそ60種類以上の「よいもの」、がずらりと並ぶポップアップショップです。

これは、県内外から仙台を訪れるファミリーや藤崎に買い物に訪れる地元の方に「せっかくだから明日行ってみたくなる!国道45号線(ROUTE45)」をクローズアップした企画。


写真:企画の仕掛け人である千葉さん。爽やかな笑顔でお客さまをお迎えします。

この企画の仕掛け人のひとりである株式会社藤崎の千葉伸也さんは「宮城県の中でも、国道45号線は個性が多様です。長期連休で仙台を訪れていただくお客さまに、おみやげ品として手に取っていただくことで、その地域に興味を持っていただけたら…というところから、この企画はスタートしました。また、45号線沿いには、弊社の地域の店舗もあるので、全社でいろいろ商品を集めました。手に取っていただきやすい価格帯を中心に、また、普段藤崎をご愛顧いただいている“より豊かな生活”を求めていらっしゃるお客さまにもぜひ手にしていただきたい商品を取り揃えております」と話してくれました。


GW中で、さらに7F催事場では「ポケモンローカルActs物産展」も開催中ということで、ファミリーの来店が期待される藤崎。そのため、ROUTE45でもガチャガチャを用意したり、人気キャラクターのほやぼーやや、むすび丸のグッズも用意されています。


写真:ガチャガチャマシーンも!でも中身は仙台の懐かしグッズなので、大人の方が興奮しそう!?


写真:「暮らす仙台」スタッフが引き当てたZepp Sendaiキーホルダー。懐かしっ!

今回は2回目だというこのROUTE45。

千葉さんは「この企画は、“モノ→トチ企画”ですので、ここをきっかけに、その土地に行っていただいて買っていただくような玄関口になれればなと思います。今回は新しい気づきもあるかと思いますし、回を重ねるごとにますます魅力的な企画にしてまいりたいと思います」と話してくれました。


写真:この企画のオリジナル商品。「燻製醤油」でも知られる金華山醸造が、定義山の三角揚げに合う醤油として開発した「七味醤油」

ROUTE45は5/7(水)まで。4/29(祝)にはほやぼーやも来店するそうなので、ぜひ足を運んでくださいね!


写真:「暮らす仙台」の「よいみせ」で紹介した籠屋ハセガワさんの商品もあります!

よいみせ│Pizzeria da Brio(ピッツェリア ダ・ブリオ)


仙台市太白区にあるナポリピッツァ専門店Pizzeria da Brio(ピッツェリア ダ・ブリオ)。
店主である岩渕亮さんのこだわりのナポリピッツァが食べられる人気のお店です。


写真:青いベスパが出迎えてくれます

本場イタリアのピッツァの定義は、小麦粉、イースト、塩のみで生地をつくり、その生地を形成したら400℃から500℃の高温の窯で焼いて一気に水分を飛ばします。中心が薄くて縁がぷっくり、軽い独特の食感のピザ生地となります。
日本ではピッツァはシェアして食べるものですが、本場イタリアでは1人1枚が基本なのだとか。


写真:シンプルなだけに、あっという間に平らげることができます

ダ・ブリオのピザは、まさに本場イタリアのピッツァ。大きいけれど、軽くてあっという間に食べられてしまい「あっという間になくなっちゃった!」と評判です。

岩渕さんは「僕はもともとサラリーマンだったんですけれど、28歳のときにイタリア料理が好きだという理由で、パスタ屋さんに転職したんです。いずれ自分の店も持ちたいな…なんて思っていたんですけれど、よくよく考えたら同じ年くらいの同僚にはもう10年くらいの経験があって、僕はまだ何もできていない。彼らが『仙台で店をやりたいんだよね』なんて話しているのを聞いて『同じ土俵では戦えない』と思ったわけです。そんな時に、薪窯で焼いたピザを食べる機会があって。すごくおいしいし、パパッと生地を伸ばして焼いて簡単にできるし、自分に合っていると思ったんですよ。実際はそんなに簡単じゃなかったけど(笑)。それで、ピッツァをやりたいと思うようになりました」とピザ職人となった理由を教えてくれました。


写真:店主の岩渕亮さん

その後、勉強のために、おいしいピッツァを求め、毎週のように東京へ通ったという岩渕さん。
「仙台で食べられないピッツァが東京にはたくさんあって。そんな中、Napule(ナプレ)で働けることになったんです」

Napuleとは、ナポリの国際ピッツァ大会で連続入賞者を輩出している超のつく有名店。行列必至のその味が仙台にいながらにして味わうことができるのです。
「今はNapuleより、もっとおいしいと思います(笑)。だから、もっと多くの人に知ってほしいし、僕のピッツァを食べてほしい」


写真:生地を形成して高温の窯に入れ、一気に焼き上げます

イタリアの食材を多用し、イタリアで食べたその味を再現する岩渕さん。イタリア料理のよさである「食材本来の味を楽しめること」をモットーに、ピッツァの具材もシンプルなおいしさを追求したものになっています。

お店のオープンから11年目。岩渕さんはある挑戦を始めました。
「冷凍ピッツァをつくったんです。これまでは、『有名店で働いていたし、今はそれよりもおいしいピザがつくれているんだから』と思っていたのですが、やはり郊外店ではなかなか難しいと思いまして。この前、大阪に転勤になるというお客さまが『冷凍ピッツァ、大阪から注文するよ』と言ってくれて。うれしかったですよね。お店を始めて11年になるんですけれど、ここで『ちょっと邪道かも…』というような工夫をしたりして、日々試行錯誤して、よりおいしいピッツァを模索中です」


写真:店内にあるイタリアのものを見ていると、楽しい気分に

今後について伺いました。
「ピッツァがもっと身近な食べ物になってほしいですよね。ピッツァって、日本でいうところのそばとかラーメンみたいなものなので。今日食べて、明日もまた食べたい…みたいな。あとは、お店自体をもう少し外国人の多いところでやってみたい気持ちもあるんですよね」

岩渕さんのつくる、本場のナポリピッツァ。ぜひお試しあれ。

Pizzeria da Brio
(ピッツェリア ダ・ブリオ)

所在地 〒982-0815 仙台市太白区山田上ノ台町1-9
Tel: 022-243-2180
★定休日★
毎週火曜・第1月曜
※その他不定休・売り切れによる閉店がございます