「いいいち」~いいもの、あえる、いち~vol.2
ご来場ありがとうございました

いいもの、みつけましたか?

9月19日(金)から21日(日)まで、AER2階アトリウムにて行われた「いいいち」~いいもの、あえる、いちVol2~。
2025年2月に行われた第1回目の反響を受けて開催した第2回目も、本当にたくさんのお客さまにお越しいただくことができました。

仙台・宮城、そして東北のおいしいものや優れたクラフトを、このイベントを目指してきてくださった方や、「たまたま通りがかったよ」というお客さままで、さまざまな方に“東北のよいもの”に触れていただき、感謝です。

大人気だったワークショップは、「野郎ワークス」「ねこけし」「メリークリスマスランド」「HOJIA」さんの出展。

そのほか、現在開催中の大阪万博で世界一になった七ヶ浜SEASAWの「のりだれ」や昨年の「新東北みやげコンテスト」で最優秀賞に輝いた「まるごと牡蠣ソース」など、宮城を代表する調味料などを試食販売し、たくさんのお客さまにその味を知っていただくことができました。

ご来場いただいたお客さまへのアンケート結果をもとに、さらによいマルシェを目指してまいります。

ありがとうございました!!!
また次回、お目にかかりましょうね。

ジンジャーアップコーディアルみろく
三陸ジンジャー

三陸ジンジャーとは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

インバウンド特別賞 ジンジャーアップコーディアルみろく

しょうがの産地というと、高知県など温暖な場所のイメージがある方も多いことでしょう。
そのしょうがを、岩手県陸前高田市で育て「三陸ジンジャー」として販売している菊地康智さん。菊地さんは、震災後の2014年陸前高田市に移住し、しょうが栽培を始めました。


写真:菊地さんの畑は、陸前高田のまちを見下ろす高台にあります

「僕は千葉県民で、ここは、おばあちゃんの家。僕以外の家族は、震災より前に陸前高田市で生活していたんです。震災が起きて、家族にゆかりのある場所がとんでもないことになって。僕の家族は無事でしたが、避難されている方たちを見て衣食住の大切さをものすごく感じたんです。特に食べるものって大事だなって思って、食に携わる仕事として農業をしようと思いました」

何をつくるのかは決めず、「とにかく農業をやろう」との思いで陸前高田市に移住。
「地元の人たちは、ここを“岩手の湘南”って呼んでいて。雪もそんなに積もらないし、温暖なんですよね。ゆずの木とかお茶とかも栽培されていて、気候風土が東北の中で独特だっていうのを知りました。そんなときに地域の人たちの『しょうがをつくってみたい』っていうプロジェクトに誘ってもらったんです。『都会から来た若いあんちゃんが農業やりたがっている』っていうのを聞きつけてくれたんです。それでしょうがをつくり始めたんだけど、岩手でつくったことがないから情報もないし技術もない。県の農業関連の施設に問い合わせてもデータもないので、もう全く本当にゼロからっていう感じで。環境は合うんじゃないかという仮説のもとに勝手に始めたんです」


写真:菊地さんの無農薬しょうが。とにかく大きい!

こうして、2015年菊地さんのしょうが栽培が始まりました。
手探りながら、着実にしょうがを生産していった菊地さん。2017年には農家として起業。
「もう8年くらいやっていますけど、いまだに難しいと思いますね。しょうがは育てるのも難しい部類の野菜なんですけれど、それよりも保存が難しい。気温が13℃から15℃、湿度90%以上で、その環境を作り出してあげないと保管できないんです。ただ、その環境を再現したからといって、大丈夫というわけでもない。ガスが出たらそれをどう逃がすか…など、誰も知らないので、高知まで勉強しに行って。高知のJAさんのしょうがの倉庫を受けている設備屋さんを訪問しました」

そして、六次化にも乗り出し、「ジンジャーアップコーディアル みろく」を開発。
「本当は一番やりたくなかったんですよね、六次化って(笑)。だって、みんなやってるし。でも、市場動向を見たときに、『コロナ後に5年で2倍に伸びる』というようなデータがあって。留学している友人が『ドイツのマルシェでしょうがのドリンク、たくさん売ってたよ』と教えてくれて。それまで自分自身、しょうがは薬味…っていうイメージだったんですけれど、液体なら摂取しやすいし、体にもいい。なんかそのときに、腹落ちしたんですよ。それにお客さまが求めているのなら、つくってみたいと思いました」


写真:料理研究家やデザイナーと協働で開発した「三陸ジンジャー みろく」

こうして菊地さんは、仲間とともに、「ジンジャーアップコーディアル みろく」を完成させました。
「レシピをつくってくれた料理研究家からボトルのサイズやラベルデザインを手掛けたデザイナーなど座組をつくって、最初からチームで動いていました」
水を一切加えず、三陸ジンジャーを丸ごと搾った水分のみをベースに、陸前高田市産の柚子果汁や果皮、三陸野田村産のミネラル豊富な海塩と北海道産のてんさい糖を加えこっくりと煮詰めた「ジンジャーアップコーディアル みろく」は、菊地さんが予測した通り、海外のお客さまからの評判がとても高く、第11回新東北みやげコンテストでインバウンド賞を受賞しました。
「やはり、海外のお客さまのほうが、液体での摂取も含め、いろいろな形態に慣れていらっしゃるという印象。それに、ジンジャーには元気にするとかい活発にするっていうポジティブな意味があるのもよかったのかもしれません」


写真:ビールに合わせればビアカクテル「シャディガフ」に

そんな「ジンジャーアップコーディアル みろく」。菊地さんにおすすめの食べ方を伺いました。
「白湯に入れていただくのがおすすめなんですれど、アイスクリームにたらしてもいいし、炭酸で割ってもいい。お客さまのお好きなように楽しんでいただければうれしいですね」


写真:豚肉をフライパンで炒めて、麺つゆと「三陸ジンジャー みろく」を合わせれば、超簡単なのにおいしいポークジンジャーの出来あがり

夏の疲れで体力不足を感じている方は、ぜひ毎日の生活に「ジンジャーアップコーディアル みろく」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

菊地康智さんのこれまでのものがたりは、Yahoo!ニュースでご紹介しています。ぜひご覧ください。

三陸ジンジャー

所在地 〒029-2206 岩手県陸前高田市米崎町字川西96
TEL 090-5795-4861
URL https://www.instagram.com/36seasideginger/

第100回東京インターナショナルギフト・ショー秋2025

去る9月3日(水)~5日(金)までの3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われた「第100回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025」。
仙台市産業振興事業団では、販路開拓支援の一環として共同出展を行いました。出店エリアは、産地ならではの職人の技や生産背景から生まれるストーリー、伝統的な技術をモダンにアレンジした逸品を紹介する「伝統とModernの日本ブランドフェア」です。

参加したのは、miyaco nishio、Hikari Crew、Koquela、株式会社アルファエンジニアリング、ハリウコミュニケーションズ株式会社、有限会社川商の6社。


昨年に引き続き、「スカーフにもなるハンカチ」を出展したのは、miyaco nishioの代表・西尾都さんは「いろいろな業者の方とお話させていたくことができ、お取引にもつながりそうな感じです」と手ごたえを感じていた様子。


西尾さんにとってのギフトショーとは?と伺うと「仙台では出会えないバイヤーさんに会えること。今回、仙台らしい柄としては、ブルーインパルスの模様のハンカチを持ってきました。バイヤーさんと話していると、特に仙台らしいものを…というよりは、花柄など、小売店の雰囲気に合っているものを探しておられるような感じがしました」と話してくれました。


石巻のHikari Crewは「陶磁器ネックレス」を携えて初参戦。震災の瓦礫に埋もれ、割れていた陶磁器に新たな命を吹き込もうと、アクセサリーにアップサイクル。現在は、回収・寄贈された陶磁器からアクセサリーをつくっています。


代表の日妻ちえみさんは「すごく素敵ですねという共感や好意的な反応があった後、大量生産できますか? と聞かれることが多かったです。いろいろと勉強させてもらいながら、課題を持ち帰ることができそうです。今後の励みになる3日間でした」と笑顔を見せてくれました。


昨年に引き続き、「ミニ伝統こけし」のほかオリジナルのこけしアイテム、相馬の左馬をまとっただるまなどを出展したのは、Koquela。昨年の出展では、東京駅前にある五つ星ホテル「シャングリ・ラ東京」との縁をつなぎ、スーベニアショップでの取り扱いやクリスマスイベントも手掛けるように。


催事担当の我妻信志さんは「既存のお取引があるお店の方で、新企画をやりたいですとか、ポップアップをやりましょうといったお話をいただきました。また、オリジナルの商品をつくっていただけませんか?というお声がけもあり、とてもいい3日間でした」と話してくれました。


株式会社アルファエンジニアリングは、「地域資源アップサイクルバイオプラスチック」を出展。これは、カカオ殻のほか、植物全般、海草や雄勝石など副産物を活用したバイオ樹脂からお菓子の箱内トレイやTシャツ、壁紙などに応用できるシートを製作。さまざまなアイテムへの応用が可能なサステナブルな技術です。


GX推進課の茄子川直人さんは「サステナブル、アップサイクルの文脈でバイヤーの関心は高いと感じました。全体として好反応でしたね。ただ、ものづくりのストーリーは伝わるものの、購買行動につなげる展示やプレゼンなどの見せ方はもう少し工夫が必要だと感じました」と、3日間を振り返っていました。


金の招き猫アクリルスタンド」や「金のだるまアクリルスタンド」を出展したのは、仙台の老舗印刷所であるハリウコミュニケーションズ株式会社。


代表取締役の針生英一さんは「ペーパーレスやSNS普及により印刷需要が厳しくなる中で、事業転換を模索してきました。ギフトショーは初出展ですごく不安があったのですが、バイヤーのみなさんからすごくいい反応をいただいています。特に、インバウンド対応を求められている小売店さまからのお話をたくさんいただきました」と、新事業への手ごたえを感じていたようでした。


その美しさで目を引いていたのは、有限会社川商の「Jewel Kiriko 江戸切子×仙台宝飾」。仙台の宝飾職人が、切子ガラスを用いて一つ一つ手づくりするアクセサリーは、今回も多くのバイヤーの関心を引いていた様子。


代表取締役の小川将弘さんは「数年ぶりの出展ですが、今年はとても賑わっていますね。そして何よりも、海外のバイヤーさんがとても多い印象を受けました。まわりの方に伺うと、『やっとこれまでのギフトショーらしくなった』と話しておられたので、きっとこれが本来の姿なのでしょうね」と、話していました。

出展した事業者のみなさんにとって、実りの多かった「第100回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025」。販路拡大につながりますように。

よいみせ│もりそばSHIN

仙台の奥座敷・秋保温泉。古くは伊達政宗公が湯治に訪れたともいわれる名湯として、全国にその名を知られています。その秋保に今、「おしゃれでおいしいそば屋さんがある!」と話題になっているのが、「もりそばSHIN」。
秋保の温泉街、深い緑を讃える森に面したモダンな建物。2024年12月にオープンしてからわずか8カ月ではあるものの、平日にもかかわらずひっきりなしにお客さまがやってくる人気店となっています。


写真:「もりそば」は細麺から提供されます


写真:透明な器で提供される「かけそば」

提供するのは、「もりそば」と「かけそば」の2種類。その店名にもなっている看板商品の「もりそば」は、細麺と太麺の2種類を提供。「かけそば」は、注文時に細麺か太麺を選ぶことができます。
そばの前には、フレンチを思わせるような前菜の盛り合わせがテーブルに運ばれてきます。
このそばと前菜は、「もりそばSHIN」のオーナーである八巻真介さんの手によるもの。


写真:八巻さんお手製の前菜の盛り合わせ

「若い時から、そばが大好きで食べ歩いていたんです。それぞれにいいところはたくさんあるんですけれど、なかなかぴったり来るお店がなかったんですよね。それでだんだんと、『自分でこういう店をやってみたいなぁ』という気持ちが湧いてきました」と、八巻さんは話します。

「店をやってみたい」という思いは、秋保に土地を購入するとますます強くなっていきました。
「たまたま空いていたので購入したんです。自宅からも近いし、秋保は今とても盛り上がっている場所ですから。もし店ができなかったにしても、とりあえず買っておこうか、と」
土地を購入した八巻さんは、建築フェアに足を運び、Ginga architects主宰の武田幸司さんに出会い、店舗兼週末住宅の建築がスタートしました。
「内装ももうすでにイメージができていて、それをカタチにしてくれたのが武田さんだったんです」


写真:窓からは、秋保の深い緑を眺めることができます。紅葉や雪の季節も楽しみです

建物の外観はもちろんのこと、フレンチのカジュアルダイニングを思わせる内装、モダンな食器に、軽やかに流れるジャズミュージック…。そのどれを切り取っても八巻さんのセンスのよさが伺えますが、「もりそば」がテーブルに運ばれてくると、そのビジュアルがまるでパスタのようで驚かされます。
「まずは細麺から、そして細麺を食べ終わるころに太麺をご提供します。お客さまの様子を見ながらタイミングを見計らっているんです。細麺太麺の食べ比べって、ほかのお店でもやっていますけれど、同じ皿に盛られていることが多い。私自身、『こういう風に提供してほしいのに』って思っていたので、こうして時間差で提供しています。パスタのように盛るのは、とにかく見た目にこだわりたかったからなんです」


写真:細麺の後で提供される太麺。その食感の違いに驚かされます

起業前、八巻さんは自身の腕をあげるため横浜の某有名一流そば店で修業。その店のレシピを伝授されたのが、「もりそばSHIN」のそばつゆ。そのつゆにそばをくぐらせ、細麺からいただくと、香り高い出汁の風味にそばの香りが口いっぱいに広がります。続いて提供された太麺はコシがしっかりしており、面白いほどに細麺との違いを味わうことができました。


写真:濃厚で香り高いそば湯。これだけでも食べに行く価値あり!!

さらに特筆すべきは、そば湯のおいしさ。まるでポタージュスープを飲んでいるようなトロリとしたテクスチャーの後に鼻に抜ける出汁と薬味の風味…。聞けば、そば湯用に別途仕込みを行っているのだとか。その手間が、お客さまの「おいしい!」につながっているのです。

「そば屋って、どちらかというと年齢層が高めですよね。でも、もっと若い人にも来てほしいと思っていて。それでこの見せ方をしているのですが、狙い通り、おかげさまで若いお客さまがたくさん来てくださっています」


写真:「家族は大反対でしたよ」と笑いながら話す八巻さん

穏やかに、笑顔を絶やさずに話をする八巻さん。将来的な目標を伺いました。
「今はまだ昼だけの営業ですし、日によっては売り切れてしまって早く閉めることも。でも、この店は夜の雰囲気がすごくいいので、いずれは夜営業もやりたいですし、メニューの数も増やしたいです」

「もりそばSHIN」は、盛り上がりを見せる秋保の中で、これからもっともっと多くの人を惹きつける人気店になっていくことでしょう。

八巻さんの開業までのものがたりは、「アシ☆スタ」開業者インタビューでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

もりそばSHIN

所在地 仙台市太白区秋保町湯元字石名坂17-1
TEL 022-200-2285
営業時間 11:00〜15:00
定休日 毎週月曜日、第2•4火曜日ほか
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