よいみせ│もりそばSHIN

2025年9月1日

仙台の奥座敷・秋保温泉。古くは伊達政宗公が湯治に訪れたともいわれる名湯として、全国にその名を知られています。その秋保に今、「おしゃれでおいしいそば屋さんがある!」と話題になっているのが、「もりそばSHIN」。
秋保の温泉街、深い緑を讃える森に面したモダンな建物。2024年12月にオープンしてからわずか8カ月ではあるものの、平日にもかかわらずひっきりなしにお客さまがやってくる人気店となっています。


写真:「もりそば」は細麺から提供されます


写真:透明な器で提供される「かけそば」


提供するのは、「もりそば」と「かけそば」の2種類。その店名にもなっている看板商品の「もりそば」は、細麺と太麺の2種類を提供。「かけそば」は、注文時に細麺か太麺を選ぶことができます。
そばの前には、フレンチを思わせるような前菜の盛り合わせがテーブルに運ばれてきます。
このそばと前菜は、「もりそばSHIN」のオーナーである八巻真介さんの手によるもの。


写真:八巻さんお手製の前菜の盛り合わせ


「若い時から、そばが大好きで食べ歩いていたんです。それぞれにいいところはたくさんあるんですけれど、なかなかぴったり来るお店がなかったんですよね。それでだんだんと、『自分でこういう店をやってみたいなぁ』という気持ちが湧いてきました」と、八巻さんは話します。

「店をやってみたい」という思いは、秋保に土地を購入するとますます強くなっていきました。
「たまたま空いていたので購入したんです。自宅からも近いし、秋保は今とても盛り上がっている場所ですから。もし店ができなかったにしても、とりあえず買っておこうか、と」
土地を購入した八巻さんは、建築フェアに足を運び、Ginga architects主宰の武田幸司さんに出会い、店舗兼週末住宅の建築がスタートしました。
「内装ももうすでにイメージができていて、それをカタチにしてくれたのが武田さんだったんです」


写真:窓からは、秋保の深い緑を眺めることができます。紅葉や雪の季節も楽しみです


建物の外観はもちろんのこと、フレンチのカジュアルダイニングを思わせる内装、モダンな食器に、軽やかに流れるジャズミュージック…。そのどれを切り取っても八巻さんのセンスのよさが伺えますが、「もりそば」がテーブルに運ばれてくると、そのビジュアルがまるでパスタのようで驚かされます。
「まずは細麺から、そして細麺を食べ終わるころに太麺をご提供します。お客さまの様子を見ながらタイミングを見計らっているんです。細麺太麺の食べ比べって、ほかのお店でもやっていますけれど、同じ皿に盛られていることが多い。私自身、『こういう風に提供してほしいのに』って思っていたので、こうして時間差で提供しています。パスタのように盛るのは、とにかく見た目にこだわりたかったからなんです」


写真:細麺の後で提供される太麺。その食感の違いに驚かされます


起業前、八巻さんは自身の腕をあげるため横浜の某有名一流そば店で修業。その店のレシピを伝授されたのが、「もりそばSHIN」のそばつゆ。そのつゆにそばをくぐらせ、細麺からいただくと、香り高い出汁の風味にそばの香りが口いっぱいに広がります。続いて提供された太麺はコシがしっかりしており、面白いほどに細麺との違いを味わうことができました。


写真:濃厚で香り高いそば湯。これだけでも食べに行く価値あり!!


さらに特筆すべきは、そば湯のおいしさ。まるでポタージュスープを飲んでいるようなトロリとしたテクスチャーの後に鼻に抜ける出汁と薬味の風味…。聞けば、そば湯用に別途仕込みを行っているのだとか。その手間が、お客さまの「おいしい!」につながっているのです。

「そば屋って、どちらかというと年齢層が高めですよね。でも、もっと若い人にも来てほしいと思っていて。それでこの見せ方をしているのですが、狙い通り、おかげさまで若いお客さまがたくさん来てくださっています」


写真:「家族は大反対でしたよ」と笑いながら話す八巻さん


穏やかに、笑顔を絶やさずに話をする八巻さん。将来的な目標を伺いました。
「今はまだ昼だけの営業ですし、日によっては売り切れてしまって早く閉めることも。でも、この店は夜の雰囲気がすごくいいので、いずれは夜営業もやりたいですし、メニューの数も増やしたいです」

「もりそばSHIN」は、盛り上がりを見せる秋保の中で、これからもっともっと多くの人を惹きつける人気店になっていくことでしょう。

八巻さんの開業までのものがたりは、「アシ☆スタ」開業者インタビューでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

もりそばSHIN

所在地 仙台市太白区秋保町湯元字石名坂17-1
TEL 022-200-2285
営業時間 11:00〜15:00
定休日 毎週月曜日、第2•4火曜日ほか
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