第6回新東北みやげコンテスト
エントリー商品募集【終了】

第6回新東北みやげコンテストエントリー商品募集!
【エントリー募集は終了いたしました】

第6回目をむかえる「新東北みやげコンテスト」。
いよいよエントリー商品の募集がはじまりました。

審査を通過した商品は、バイヤーとの商談や販売会に参加することができます。
これまで受賞した商品は、新聞・テレビ・旅行雑誌など多数のメディアに掲載されております。

今年はどんな商品が集まり、東北の新しいおみやげとして
全国のひとたちの手に渡るのか楽しみですね。

たくさんのご応募、お待ちしております!

◆応募期限
2019年9月13日(金)

◆エントリー
必ず事業団のホームページにて応募要件などをご確認ください。

詳細はこちら
https://siip.city.sendai.jp/miyage2019

各賞を受賞した商品は、暮らす仙台の「よみもの」「よいもの」でご紹介しています。

第5回最優秀賞商品「最中で包んだ嶽きみスープ」掲載記事

株式会社ケサノフウケイ
「最中で包んだ嶽(だけ)きみスープ」

「最中で包んだ嶽きみスープ」は仙台市産業振興事業団が主催する新東北みやげコンテスト受賞商品です。
青森が誇るブランドとうもろこし「嶽きみ」を使用したスープやお茶は現在、株式会社ケサノフウケイが製造・販売しています。

「最中で包んだ嶽きみスープ」最優秀賞受賞

「嶽きみ」とは、青森県弘前市の嶽地区で収穫されるとうもろこしのこと。糖度が高く、まるでスイーツのような味わいで、青森県が誇る名産品のひとつになっています。その「嶽きみ」で作った「最中で包んだ嶽きみスープ」は鈴木農場「嶽きみ」100%使用。
鈴木農場は「嶽きみ」の先駆者で、三代目鈴木大賀氏は常に品質向上の研鑚に努めています。
※「きみ」とは津軽弁で「とうもろこし」のことです。

ケサノフウケイ様②
晴れた日の「鈴木農場」ここで育った嶽きみが極上のスープになります

その嶽きみを使用した極上のスープ「最中で包んだ嶽きみスープ」を開発したのが、株式会社ケサノフウケイの岩間憲一さんと蒔苗左右子さんです。そのきっかけは、おふたりが前職に就いていたころにさかのぼります。その会社の会長(当時)を通じて知り合った、嶽きみの生産者である鈴木農場二代目故鈴木健氏から「素材の味がしっかりするものを作ってほしい」と言われたのだそうです。

ケサノフウケイ様③
ケサノフウケイの岩間さん(左)と蒔苗さん(右)

すでに嶽きみを使ったレトルト商品などはあったものの、嶽きみそのものという味わいでないことに納得がいってなかったという鈴木さん。そんな鈴木さんの思いに、栄養士でもある蒔苗さんが応えることに。
「鈴木農場さんにお邪魔すると、いつもお茶代わりに自家製嶽きみスープを出してくれていたんです。それがとってもおいしくて・・・。その味を目指したんですよ」と話します。「ただ、素材の味を出そうと思って嶽きみの分量を増やせば増やすほど、粘性が増してカスタードクリームのようになってしまう。だからといって薄めるのも違うな、と。それで顆粒にしたのですが、それではスーパーマーケットに売っているスープと同じように見えてしまう。そこで『最中の中に入れてはどうか』とコンサルの方からアドバイスをいただいて、今の形になったんです」。

ケサノフウケイ様④

こうして、とうもろこしの形の最中に入った、かわいくてユニークなスープが誕生しました。
収穫してすぐに茹でて身を削いだら、フリーズドライにします。しかしながら、「フリーズドライにした嶽きみを粉砕造粒してくれる業者さんがなかなか見つからなくてね」と、代表取締役の岩間さんは笑います。そんな中、岩手県二戸市のサプリメントを作っている株式会社夢実耕望さんが粉砕造粒を引き受けてくれることになりました。「そこから、最中を作っている石川県の加賀種食品工業株式会社さんに顆粒を送るんです。このスープは、弘前、二戸、石川と旅しているんですね」と、岩間さん。

ケサノフウケイ様⑤

古都石川県金沢市で菓子種作りにこだわり続けて140年の老舗、加賀種食品工業株式会社。原料にこだわり、職人がひとつひとつ手作りでオリジナルとうもろこし型最中を作っています。

ケサノフウケイ様⑥
しばらくすると、最中がトロトロの食感に!

パリッパリに仕上がっている最中を割って、お湯を注ぐときれいな黄色のスープに。お湯の代わりに牛乳や豆乳を注げば、濃厚な味わいに仕上がります。割った最中はすぐに食べればサクサク。しばらく置けばトロットロの食感を楽しむことができます。

ケサノフウケイ様⑦
さわやかな甘みが特徴の嶽きみ茶

スープのために茹でて身を削いだ嶽きみの芯を焙煎し、“ひげ”も乾燥してブレンド。これで「嶽きみ茶」の完成です。奥行きのある上品な甘さを持つお茶は、煮出しても水出しでもおいしくいただくことができ、夏場の水分補給にもぴったり。「芯に甘みがあるので、こういうやさしい味になるんです」と、蒔苗さん。ホットでもおいしくいただけるので、温かい飲み物でほっこりしたいときにおすすめです。

ケサノフウケイ様⑧
子どもから大人までおいしくいただける「きみかほるサイダー」

嶽きみの商品開発はまだまだ続きます。鈴木農場の二代目から「サイダーを作りたい」と連絡を受けたおふたりは、またも新たな挑戦を始めました。「地元青森で地サイダーはたくさんあったんですけど、どれも同じ業者が同じ瓶で作っていたんです。そんなとき、以前飲んだ『小豆島オリーブサイダー』を思い出して。これは佐賀の業者さんが作っているのですが、瓶がかわいいんです」と、蒔苗さん。

ケサノフウケイ様⑨
初めての商品開発に、試行錯誤を重ねたという蒔苗さん

ペーストに加工され佐賀に送られた嶽きみは、なんとも珍しいサイダー「きみかほるサイダー」へと変身しました。炭酸は控えめなので、ゆっくり上下させて混ぜてもあふれることがありません。口に含めば、少し甘酒にも似た味わいのしゅわしゅわサイダーが広がります。

「どの商品もそうなのですが、生産者である鈴木農場のご家族の皆さんが喜んでくださったのが、なによりも嬉しかったですね、特にコンテストで最優秀賞を受賞したときは格別に」と、おふたりは笑顔を交わします。

こうして嶽きみを使用した商品を3アイテム開発した岩間さんと蒔苗さんは、2019年春、以前所属していた会社から商品を引き継いで株式会社ケサノフウケイを創業しました。

ケサノフウケイ様⑩
嶽きみ、そして商品への愛情たっぷりの岩間さん

「嶽きみは弘前のものですが、私たちは黒石市での創業を選びました。というのも、私たちと鈴木農場さんをつないでくれた前会長のお知り合いが、いろいろと手を差し伸べてくださったんです。また、黒石市では市民のみなさん、行政のみなさんなども応援してくださる。私たちにはありがたいかぎりです」と、岩間さん。

ケサノフウケイ様⑪
黒石市の「こみせ通り」にある古民家カフェ「高橋家住宅」にて

現在は、姉妹品として地元産の毛豆とポテトを使用したスープの開発にも取り組んでいるというおふたり。さらには、地元の酒蔵とのコラボレーションにより商品開発にも取り組む予定です。
これからもケサノフウケイは、黒石の人たちとともに「青森のおいしい!」を全国に伝えてくれることでしょう。

商品の詳細はこちら

                     ライター/岡沼 美樹恵

    商品のお問合せ・お取扱店

  • <お問合せ>
  •  TEL:0172-88-5802 FAX:0172-88-5803
  • <お取扱店舗>
  •  JR仙台駅内おみやげ処せんだい3号店(2F)
  •  JR仙台駅内おみやげ処せんだい4号店(新幹線中央改札隣)
  •  東急ハンズ仙台店(エスパル仙台東館4F)
  •  蔦谷書店多賀城市立図書館
  •  ※お取り扱い店舗情報は2019年7月1日現在のものです。
  • <販売サイト>
  •  URL:http://kesanofuukei.stores.jp

株式会社ケサノフウケイ

〒036-0377 青森県黒石市大字中町5番地
TEL:0172-88-5802 FAX:0172-88-5803
E-mail:kesanofuukei@clock.ocn.ne.jp
URL:http://kesanofuukei.com

※株式会社栄研より本商品を含む事業を新設分割にて承継

スクリーンショット 2019-05-28 9.33.40

デザイン活用ワークショップ
受講者募集【終了】

デザイン活用ワークショップ開催!

「なんとなくしっくりこない」「なんとなくぱっとしない」
その“なんとなく”曖昧なままにしていませんか?

ワークショップを通して、個々の課題を解きほぐし、問題解決への糸口を見つけます。

魅力が伝わる見せ方について一緒に考えてみませんか?

(公財)仙台市産業振興事業団では「どう魅せる?あなたの会社とその商品」と題し、「自社PR・商品などの見せ方」に関する悩みについて、他の受講者と意見交換・討論を行うことで課題を明確にし、デザインを使ってその課題を解決する方法を考えるワークショップを開催します。

日時:
2019年7月17日(水)
13:30-16:00 ワークショップ
16:10-17:10 相談会

場所:
公益財団法人 仙台市産業振興事業団 会議室A
(仙台市青葉区中央1-3-1 AER7F)

受講料:無料(先着20名)

講師:
仙台市産業振興事業団 ビジネス開発ディレクター 佐藤悠

詳細は事業団ホームページをご覧ください
※申し込みは終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございます。
https://www.siip.city.sendai.jp/n/2019/0717/01.html

banner_kurasu

株式会社ゼルコバドリーム
「蔵王 村上牧場の飲む手作りヨーグルト」

株式会社ゼルコバドリームは、仙台市産業振興事業団が主催する新東北みやげコンテスト受賞企業です。

第5回「蔵王 村上牧場の飲む手作りヨーグルト」特別賞

豊かな自然に恵まれた蔵王山麓に牛舎を構える「株式会社ゼルコバドリーム 村上牧場」

ゼルコバドリーム様①

1962年に1頭の乳牛から始まった牧場で、現在は乳牛の快適性を追及した飼養管理=カウコンフォートを基本に、清潔な環境を乳牛に提供しています。

サイズ変更_0020

カウコンフォートとは、牛たちが毎日を過ごすベッドを常に清潔に保ち、いつでもきれいな水が飲めて、満足に食べられる環境をつくり、牛自身のリズムで生活させてあげること。ゼルコバドリームでは、牛が常に牛舎で快適な生活が送れるようにしており、このアイデアは農林水産大臣賞を受賞しました。

ゼルコバドリーム様③

写真:牛舎に行くと、寄ってきてくれる牛たち。人懐っこくてかわいらしい!

実は、牛というのはとても繊細な生き物。村上牧場では、搾乳を担当する社長の村上利雄さんが毎日一頭一頭の顔を見て体調を確認しています。スタッフの嶋田優さんは「牛たちは一頭一頭名前がついているんです。私の父(=村上社長)は全員の顔と名前が一致すると言っていました」と笑います。

ゼルコバドリーム様④

写真:牛一頭一頭の名前を覚えているという、社長の村上さん。

牛が快適に過ごすのなら、放牧のほうがいいのでは?と聞くと、「放牧すれば強い子は快適な場所にいることができるのですが、弱い子はそうはいかないんです。みんながちゃんと快適に過ごすには、清潔な牛舎にいるのが一番なんですよ」と、嶋田さん。一頭一頭をしっかり見ている様子は、まるで学校の先生のようでした。

ゼルコバドリーム様⑤

牛たちに与える飼料も手づくりです。牧場内で育てたトウモロコシを丸ごとカットしてから発酵させ、コーンサイレージに。トウモロコシを刈った後の畑にはライ麦を植えて、春に収穫したらこれもサイレージにします。手間ひまを惜しまずきちんとした飼料を与え、快適な環境で飼育する。これこそが、ゼルコバドリームの牛乳の美味しさの秘訣なのです。

ゼルコバドリーム様⑥_2

牧場では、1日2回の搾乳を行います。搾られた生乳は30分以内に冷却タンクへ。このフレッシュな生乳をヨーグルトに加工したのが「酪農家の手作りヨーグルト」です。

ゼルコバドリーム様⑦

開発を担当したのは、嶋田さん。「毎日食卓で食べられるものが欲しくて開発しました。でも、食品会社に勤めていたわけでもなんでもなくて、いろいろ自分で調べながら試行錯誤して・・・。私は酸っぱいヨーグルトが苦手なので、甘味も何もかけずに食べられるものをつくりたいと思いました」。

ゼルコバドリーム様⑧

写真:ヨーグルトの開発秘話を話す嶋田さん。家族で協力しながら牧場を盛り上げています。

北海道から関東までさまざまな生産者を訪ねて研究したそうですが、「これだ!というものはなかったんですよね(笑)。なので、東京にある乳酸菌を扱う会社にうちの生乳を送って、『こういう感じで・・・』という希望だけ伝えて。ひとつの乳酸菌で3つの温度帯で発酵させてもらって・・・っていうのを繰り返したりして、結局、自分が食べたいと思うヨーグルトになるまで、1年くらい試行錯誤を繰り返しました」。

こうして出来上がったヨーグルトは、もっちりしたテクスチャー。まるで生クリームを食べているかのように濃厚で、ナチュラルな甘味も感じられます。そのままでももちろん、ちょっとしたトッピングを加えるだけで立派なデザートにも。

サイズ変更_0038

食べるヨーグルトをつくった後で、嶋田さんが取り掛かったのが「飲むヨーグルト」の試作。最初のヨーグルトと同じ乳酸菌を使うと味がイマイチだったそうで「それも乳酸菌をいろいろ変えて試作して。本当に大変でした」と苦笑します。

牧場内のタンクの中で発酵させてから攪拌し、容器に充填します。一度につくれるのは、大きいボトル40本、小さいボトルで200本と少ロット。なので、取り扱い販売店ではすぐに売り切れてしまうこともあるのだとか。

ゼルコバドリーム様⑩

また、牧場内のヨーグルト工房「アトレイユ」では、ヨーグルトとのむヨーグルト、どちらもいただくことができます。

ゼルコバドリーム様⑪

ヨーグルトはミックスベリーとハニーナッツ、のむヨーグルトはマンゴージュレとレモンジュレのそれぞれ2つのフレーバーを揃えました。

ゼルコバドリーム様⑫

「夏でもさっぱりと飲める、ジュレと合わせたのむヨーグルトが人気なんですよ」と、嶋田さん。

見た目にも美しい、ヨーグルトのさっぱりスイーツは、蔵王温泉の帰りに牧場に立ち寄る観光客にも大人気なのだとか。村田町を訪ねたら、ぜひ牧場で絶品ヨーグルトを試してみてはいかがでしょうか。

商品の詳細はコチラ

株式会社ゼルコバドリーム

住所 〒989-0841 宮城県刈田郡蔵王町小村崎原東7
TEL 0224-22-7033(代表) FAX 0224-22-7033
URL https://www.zelkova-dream.jp/

ゼルコバ ロゴ

ヨーグルト工房Atreyu(アトレイユ)

住所 〒989-0841 宮城県刈田郡蔵王町小村崎向原68-1
営業時間 10:00-15:00
定休日 なし
TEL 0224-22-7033

URL https://atreyu.murakami.farm/

ゼルコバドリーム様⑪

撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャルのほか、広告、雑誌、ウェブなど幅広く手掛けている。

hotta1

株式会社木の屋石巻水産
・やわらか小女子煮
・漢方和牛大和煮
・宮城県産牡蠣の燻製油漬け

株式会社木の屋石巻水産は、仙台市産業振興事業団が主催する新東北みやげコンテスト受賞企業です。

地元石巻を中心とした海産物を加工し、缶詰にして日本全国に宮城の海の幸を届けています。
第2回「やわらか小女子煮」優秀賞
※こちらは現在終売となっております。

第3回「漢方和牛大和煮」入賞
※こちらは現在終売となっております。

第5回「宮城県産 牡蠣の燻製油漬け」入賞

 3つの漁港を有する石巻市は、日本の中でも「魚のおいしいまち」として知られています。その石巻では、当然のことながら水産加工業も盛ん。そのひとつである、株式会社木の屋石巻水産は、1957年の創業。港町で、美味しい缶詰をコツコツとつくり、人々の食卓に届けてきました。

木の屋石巻水産様①

 そんな木の屋の看板商品は、「鯨の大和煮」。赤いボディに一目で柔らかいと分かる鯨の大和煮の写真がプリントされた缶詰は、木の屋のシンボリックな存在。震災前に巨大な看板になっていたこともあるので、覚えている人も多いのではないでしょうか。

木の屋石巻水産様②

 木の屋の本社と工場は、震災当時海沿いにあったため、甚大な被害を受けました。当時を振り返って、工場長代理の松友倫人さんは「震災直後は売る商品がなくて。缶詰倉庫も津波でやられ、普通では販売できないんですけど、『大丈夫な商品を販売してほしい』という動きが、お客様発信であったんですね。それがだんだん広がっていって、メディアでも取り上げられて。本来なら売り物にならない缶詰を義援金と交換という形で現金に換えることができたんですよ。だから、工場は稼動してなかったけれど、現金を得て社員に給料代わりに配ることができたんです。それもあって、震災前の社員がそれなりに会社に残ることができました。本当に感謝しかありません」。

木の屋石巻水産様③

写真:「木の屋石巻水産」ウェブサイト スクリーンショット

 ここ最近は、お客様と双方向のコミュニケーションにも力を入れ始めました。
「言い方は乱暴かもしれませんが、以前はオンラインショップも“売店をネットで表示しているだけ”の状態でした。木の屋を知っているお客様にはいいけれど、知らないお客様に届けることがなかなか難しかった。震災からの復興、そしてその先のことを考えて業務を再編し、その中の一環としてお客様とのコミュニケーションを増やそう、とウェブサイトもリニューアルしました」。
 新しくなったウェブサイトの中には、木の屋石巻水産の商品の裏側にあるストーリーや、そこで働く人たちの想いを伺うことができます。

木の屋石巻水産様④

木の屋石巻水産様⑤

木の屋石巻水産様⑥

写真:人気商品「金華さばの味噌煮」は、脂の乗った金華さばを人の目でも選別。缶の中にさばと調味料を加えた後に加熱調理します

 松友さんは「私は出身が静岡で、東京から転職で石巻に来たんです。『いしのまき』と読めなくて、『いしまき』だと思っていたくらい、縁のない場所でした。でも商品を取り寄せて食べてみたら『なんだこれは!』って衝撃を受けて。それで転職を決めちゃったほど(笑)。石巻は、木の屋の商品だけじゃなくて食、そして観光も素晴らしい。でも、地元の人にはそれが当たり前で、僕が『おいしい!』と言っても『あたりまえだっちゃ』って返ってくる(笑)よそ者だからこそ、『食べてもらうまでが大事』と思っていて、『食べたらわかる』を『食べてみたい』につなげることが必要なのだと思いました。その中で変えていったひとつがホームページで、見てくださった方が『きれいですね』とか『木の屋がどういうものをつくっているのか分かった』とおっしゃってくださるのがうれしくて」と笑顔をほころばせます。

木の屋石巻水産様⑦

写真:「木の屋石巻水産」美里工場に併設されたショップ。商品ラインナップをみているだけでも楽しい

木の屋石巻水産様⑧

第2回新東北みやげコンテスト優秀賞に輝いた「やわらか小女子煮」は、震災後に生まれた商品のひとつ。「三陸では、小女子(こうなご)が取れて、それを煮干にしてから佃煮にするんです。でも、せっかく新鮮な原料なんだから・・・ということで、佃煮を鮮魚からつくった。すると、食感も柔らかく、にがみやえぐみも取れたんです」。

他社と同じことをやってしまうと価格競争になってしまうところを、自社の持つリソースを最大限に活用しながらオンリーワンを開発。小さな子どもからお年寄りまで支持される商品となりました。

※やわらか小女子佃煮(白胡麻)は現在終売となっております。

木の屋石巻水産⑨

第3回新東北みやげコンテスト入賞の「漢方和牛大和煮」、第5回新東北みやげコンテスト入賞の「宮城県産 牡蠣の燻製油漬け」も震災後に生まれた商品です。

「栗原市にある関村農村と営業がご縁をいただいて、『一緒に何かできないか』と商品開発が始まりました。弊社は水産のイメージが強いとは思うのですが、もともとのメインは鯨です。鯨も牛も大型の哺乳類で、大きなブロックをスライサーでスライスして下茹でして缶に入れて・・・という、鯨のつくり方がそのまま和牛になったんですよ」と、松友さん。

※漢方和牛大和煮は現在終売となっております。

木の屋石巻水産様⑩

「牡蠣の燻製油漬け」は、一度燻製してから油に漬けたもの。スモーキーな味わいで、お酒のおつまみにぴったりです。松友さんは、「震災前は水煮を出していました。が、社内に燻製機があるので、自分たちでつくってみようということになったんです。宮城の牡蠣の美味しさを伝えるため、牡蠣屋さんから美味しいものだけを買って。価格面で高くなりすぎないように、あえて粒をそろえないでつくりました」と教えてくれました。

木の屋石巻水産様⑪

写真:新東北みやげコンテスト受賞商品3品は、お皿に並べるだけで立派なおつまみに。
パントリーに備えておけば、急なお客様のときに重宝しそうです

震災をきっかけに、大きく変わった石巻。「震災からの復旧が目標なのではなく、永続的に営業していけるようにしなくてはいけません。復旧しても働く人がいなかったら会社は回らないので、みんながそこで働きたいと思う会社にすることも大切だと思います。そして、『うちだけが儲かればいい』ではなく、地元で売り上げを立てて、利益を回せる会社でありたいと思うのです」。

水産のまち・石巻で、木の屋石巻水産はこれからも地域のみなさんと一緒に成長していくことでしょう。



牡蠣の燻製油漬け
の詳細はコチラ


国産あなご醤油煮の詳細はコチラ

株式会社木の屋石巻水産

石巻本社工場
〒986-0022 宮城県石巻市魚町1-11-4
TEL:0225-98-8894 FAX:0225-98-8896

美里工場
〒989-4206 宮城県遠田郡美里町二郷字南八丁2-2
TEL:0229-29-9429  FAX:0229-29-9438

直売所(美里工場1階)
営業時間 10:00-17:00
定休日  お盆・年末年始
工場見学・直売所 お問い合わせ
TEL:0229-87-5593

kinoyalogo

撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャルのほか、広告、雑誌、ウェブなど幅広く手掛けている。

hotta1

株式会社斉吉商店
「ひとくち金のさんま」

株式会社斉吉商店は、仙台市産業振興事業団が主催する新東北みやげコンテスト受賞企業です。
港町・気仙沼の新鮮な海の幸を、食べやすく調理して、食卓に届けています。

第3回「ひとくち金のさんま」入賞

斉吉商店様①

 宮城県の北部に位置する気仙沼市。古の時代から、豊饒の海の恩恵を受けてきた日本屈指の港町です。

 ここに本社を構える株式会社斉吉商店は、大正10年創業の水産加工会社。東日本大震災前までは、飲食店などに商品を納める卸業として商いを続けてきました。

斉吉商店様②

「震災をきっかけに小売りに変えたんです。小売りの仕事をしたかったので。だから、会社の創業は大正10年ではありますが、創業7年目の気持ちです」と話すのは、斉藤吉太郎さん。

斉吉商店様③

「自分もそうなんですけど、やっぱりお土産って常温で日持ちするものが欲しいじゃないですか。だから、低い温度でじっくり仕上げて日持ちする『ひとくち金のさんま』をつくったんです。『金のさんま』という商品は昔からあるんですけど、そのつくり方を工夫しました」。

斉吉商店様④

 商品ができてからもパッケージなどのデザインに時間をかけ、開発から1年半で販売を開始。

「パッケージで売ろうとは思っていないけど、会社の雰囲気を表現できているほうがいいよね、というので東京のデザイン会社さんに見てもらってこのような可愛らしいデザインになりました」。

「社員が外で見てきた“いいもの”と、自分たちができることを組み合わせることはいつも考えています。いつも何かしらはつくっていますよ」と、吉太郎さん。

 
斉吉商店様⑤

 魅力的な商品を次々と世に送り出していく斉吉商店。
本社から車を走らせること10分ほどの高台には、「鼎 斉吉」があります。ここは、斉吉商店の商品を購入することができるショップと、啓志郎さんが腕を振るう食事処。

斉吉商店様⑧

「もともとは予約のみのレストランをやってはいたんですけど、それをこの場所に移して、予約なしで大丈夫な食事処にしたんです」と、啓志郎さんは話します。

斉吉商店様⑦

 お店での売れ筋商品は、やはり『金のさんま』だそう。

「どの家庭でも食べる料理なんですよ。さんまを煮るのって、気仙沼では定番で。うちもおばあちゃんが炊いていたものを近所に配ったり、親戚にあげているうちに『美味しい』って言われ始めて、そこから磨いて商品になっていったんですよね。『金のさんま』は、たれを継ぎ足して30年。私より先輩です(笑)。あと最近は、やはり常温で日持ちする『ひとくち金のさんま』も人気ですね。

斉吉商店様⑧

斉吉商店様⑨

斉吉商店様⑩

写真:鼎斉吉のお料理の数々。この味を目指し、遠方から足を運ぶお客さまも

斉吉商店様⑪

 社員が協力しあって、美味しい商品を全国に届けるだけでなく、そして地元の“働きたい会社”を目指す斉吉商店。みなさんも気仙沼に足を運んだら、ぜひ訪ねてみてください。

商品の詳細はコチラ

株式会社斉吉商店

住所 〒988-0031 宮城県気仙沼市潮見町2-100-1
TEL 0226-22-0669 FAX 0226-23-2253
URL http://www.saikichi-pro.jp/

斉吉商店ロゴ

鼎 斉吉

住所 〒988-0014 宮城県気仙沼市柏崎1-13
TEL 0226-22-0572
営業     10:30-17:30
お買いもの 開店から閉店時間まで
ランチ営業 11:00-14:00
喫茶営業  14:00-17:30(LO 17:00)
夜営業   4名様以上 17:30以降21:00まで
予約コースのみ5,000円から
定休日 火曜日
URL http://www.saikichi-pro.jp/store/kanae/

サイズ変更_0016

撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャルのほか、広告、雑誌、ウェブなど幅広く手掛けている。

hotta1

山長 小野寺商店
「気仙沼海ごはん 海のもと」

山長 小野寺商店は、仙台市産業振興事業団が主催する新東北みやげコンテスト受賞企業です。

港町・気仙沼の新鮮な海の幸を取り揃え、食卓に届けています。

第2回「気仙沼海ごはん 海のもと」特別賞受賞

小野寺商店様①

日本屈指の港町・気仙沼市。

ここで、厳選した海の幸を販売しているのが、「山長 小野寺商店」です。

「主人が3代目なんです。このお店は主人のおばあさんがリヤカーを引いて行商していたのが始まりなんですよ」と話すのは、小野寺由美子さん。

小野寺商店様②

「新東北みやげコンテスト」で特別賞を受賞した「海のもと」の生みの親です。

 山長小野寺商店も、東日本大震災によって、大きな被害を受けました。

それまで卸中心だった商いを、小売りへと変更。

「今までの生き方ではダメだ、って思ったんです。それで仮設店舗で小売りを始めました。それこそ、震災のすぐ後は、たくさんの方たちが応援に来てくれて、商品も買って行ってくれました。でも、そんな状態がずっと続くわけはないし、自社商品がなかったら生き残れない!って」。

商品開発の経験がない由美子さん。「でも、宮城は米どころだし、海のものをふりかけにしたら受けるんじゃないかと思ったんです。それに、常温で軽くて持ち帰りやすいものなら、お土産としてもいいと思ったんですよね」。

小野寺商店様③

 そこで由美子さんは、仙台市産業振興事業団や創業スクエアの協力を仰ぐことにしました。

「フードコーディネーターさんから助言をいただいたりしたんですけど、なかなか決まらなくて…。魚がいいかなとか、海藻がいいかな…とか、アパートの台所で試作の日々で(笑)。結局、海藻をふりかけにしようということでできたのが『海ごはん』という商品です。自社商品をつくろう!って決めてから1年経っちゃいました」。

小野寺商店様④

 その後、パッケージデザインをデザイナーに依頼。「デザイナーさんと一緒に仕事をしたことがなかったのですが、やっぱりプロの方はすごいんだなと思いました。気仙沼らしいシンプルなパッケージで、すごく気に入りました」。

小野寺商店様⑤

「海ごはん」に続き、さらに商品開発を進めていった由美子さん。

「乾物って買っても使いきれない…という声を聞いて、じゃあ、使いきりの個別包装のものもつくろう!と。それが、『海のもと』なんです」。

小野寺商店様⑥

 ふのり、わかめ、とろろ昆布を小さな使い切りパックにしたことで、いつもの料理にひと手間加えたり、ちょっと味のアクセントがほしいときのアイテムになりました。

「ご紹介いただいた商品開発のプロの方と、サラダのトッピングにしてみたり、カップラーメンに加えてみたり。いろいろ使えて、便利だなって自分でも思っちゃいました」と、屈託なく由美子さんは笑います。

小野寺商店様⑦

 「自分たちでつくり出した商品は我が子のようですね。この商品をきっかけにスーパーマーケットトレードショーにも参加したんです。もちろん、営業も初めてで。でも、この経験を通して、モノの見方が大きく変わりました。それに、新東北みやげコンテストで賞までいただけて、うれしい限りです」。

小野寺商店様⑧

 自ら商品を開発し、営業に回り、店も切り盛りする由美子さん。実は、東京出身で嫁いでくるまで気仙沼には縁がなかったのだとか。

「だからこそ、気仙沼の海のものがおいしくて、素晴らしいかわかる部分もあると思うんです。これからもいいものを全国のみなさんに届けていきたいです」。

 そんな由美子さんに今後の目標を聞いてみました。

「春夏秋冬、4種類のふりかけをつくりたいんです。秋はサンマ、冬は大島のゆず…とか。大人のふりかけをつくって、ギフトにしたいんですよね」。

 今やすっかり港町の女将さんとなった由美子さん。

愛らしい笑顔と、おいしい海の幸でこれからもたくさんの人に幸せを届けていくことでしょう。

山長 小野寺商店

住所:〒988-0066 宮城県気仙沼市東新城1-7-5
TEL:0226-22-1816
URL:https://www.k-yamachou.com/

yamacho

撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャルのほか、広告、雑誌、ウェブなど幅広く手掛けている。

hotta1