三陸ブルーイング・カンパニー合同会社
「三陸ビール」

三陸ブルーイング・カンパニー合同会社は、仙台市産業振興事業団が主催する
「新東北みやげコンテスト」の受賞企業です。


第7回 「三陸ビール」お取り寄せ特別賞

岩手県大船渡市。東日本大震災で甚大な被害を受けたこの場所で、クラフトビールを通して東北の魅力を発信しているのが、「三陸ブルーイング・カンパニー」。代表の南忠佑さんは、結婚を機に奥様の出身地である大船渡市に通うようになり、その豊かな自然に魅了されたといいます。


写真:三陸の魅力を伝えるべくリリースされた、三陸ブルーイング・カンパニーのビールたち

「もともと山登りやフライフィッシングなどのアウトドアが好きで、自然豊かなところでビールを飲むのが僕の喜びでした。大船渡は結婚してから初めて行き来するようになったのですが、海がきれいで魚介類がおいしいだけでなく、山も近い。山の緑が美しく、川も流れていて、大きな魅力を感じたんです。でも、普段東京にいる僕からすると、三陸の素晴らしい魅力がこちらに伝わっていないように感じて…。それで、この三陸に新しいクラフトビールのブランドを立ち上げ、この場所の自然や食などの魅力を発信していきたいと考えました。あと、三陸ブルーイング・カンパニーを立ち上げた3年前、大船渡は震災のかさ上げがようやく終わるかどうかのタイミングで新しい街並みができてきていましたが、そうした前向きな情報も伝わってきていないな、と思って。自分が感じた三陸の自然の魅力を発信していくことで、地域の一助になりたいと思ったんです」。


写真:自然の中でおいしい空気とともにグビッとやりたいクラフトビール。飲み口がライトなので「最初の一杯」として最適

発信のツールは数多くある中、なぜクラフトビールを選んだのでしょうか。「やっぱりビールが好きだったんですよね(笑)。いつかはブルワリーを立ち上げたいと思っていたので、ブルワリーを巡って独学でビールの醸造の勉強をしていたんですよ。ただ、自分で醸造の技術をマスターして設備投資までやろうと思ってもなかなかできるものではありません。そこで、委託醸造というOEM生産でやるのもひとつの手だと思いついたんです」。


写真:小規模バッジで何度も醸造を繰り返しながらレシピをブラッシュアップしたそう

三陸地域の豊かな食を伝えるため、副原料にこだわったという南さん。ベルジャンホワイトをベースにした「週末のうみねこ」には、地元の椿茶を。セゾンスタイルの「恋するセゾン」には、陸前高田市の北限のゆず、そしてIPAの「伊達男IPA」には宮城県登米産のブラン米であるだて正夢を使用。「自然豊かな三陸の魅力を発信するうえで、地元の副原料を使いたいと思いました。あと、自分たちのビールなので醸造所さんでつくっていただく際には、麦芽の配合比率、麦芽の煮沸温度、長さ、ホップの設計、組み合わせ、入れるタイミングまですべて考えたレシピを持ち込んでつくっていただいたんです」。


写真:「週末のうみねこ」の副原料である椿茶。南さんは「飲んだあとで、ほんのりお茶っぽさというか、カテキンを感じる味わいです」と


写真:「恋するセゾン」の副原料は、北限のゆずの皮と山椒をチョイス。「ベルギーでは農作業を終えたあとに、セゾンタイプをグビグビと飲んだそう。陸前高田の広い大地の土の香り、緑の香りを感じられるビールになりました」と、南さん


写真:「伊達男IPA」には、宮城県登米市のブランド米・だて正夢を使用。「軽くてクリアな飲み心地が特長です。ホップを多めに入れているので、苦みというよりは柑橘系の爽やかな香りが広がります」

初めてのお披露目は、地元のイベント。「キャッセン大船渡という新しい街なみができたときに、街づくり会社のみなさんが『地元の飲食店を巡って梯子酒を楽しんでもらおう』というイベントを仕掛けたんですね。そのウェルカムドリンクとして選んでもらい、ビールを提供するきっかけをいただきました。大船渡でクラフトビールが受け入れられるのか不安だったのですが『すごくおいしいね』と言っていただけて。無料でビールを配るイベントではあったのですが、本当にうれしかったですし、自信がつきました」。


写真:「週末のうみねこ」は、海の幸との相性が抜群!三陸産のほたてに、塩コショウ、オリーブオイルを回しかけてカルパッチョにすれば、簡単で贅沢な一品の完成

その後、ボトリングして「第7回新東北みやげコンテスト」に出品。入賞したことで、多くの人たちの目に触れる機会を得ました。「うみねことセゾンは、ピルスナーモルトといわれるラガービールに使われるモルトを使っているのでライトな飲み口です。ビール好きな人にいわせると軽すぎるといわれることもありますが、幅広い方に飲んでいただきたいと思って。食事の邪魔をせず、一緒に楽しめるビールになっていると思います」。


写真:「恋するセゾン」には「お野菜のほか、チキンポーク、赤身のお魚が合いますよ」との南さんのアドバイスを受け、ハワイの郷土料理「ポケ」を合わせました。レシピは後日、Instagramでご紹介!


写真:ホップをガツンと効かせた「伊達男IPA」には、牛肉がベストマッチ!塩とスパイスだけで味付けしたステーキのおいしさを引き立ててくれます


写真:2021年8月に新発売となったクラフトジンジャーエールの「ガガニコジンジャーエール」。お酒が飲めないという方は、ぜひこちらをお試しあれ!

現在は、オンラインストアのほか仙台市内のイオンの一部店舗でも取り扱いが始まるなど、人気商品となった三陸生まれのクラフトビール。南さんは「三陸ビールと名乗っている以上、いつかは三陸で醸造するのが夢。リアルがあれば、地域の人が集まるコミュニティにもなりますし、外から人を呼ぶこともできる。実は三陸沿岸には醸造所がどんどんできているんですね。一緒に盛り上げていけたらいいなと思っています」。

三陸から日本全国へ―。豊かな自然が生んだクラフトビールは、多くの人たちを笑顔にしていくことでしょう。

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三陸ブルーイング・カンパニー合同会社

所在地 〒022-0002 岩手県大船渡市大船渡町字地ノ森24番6
URL https://www.sanrikubeer.com/

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。

秋田県醗酵工業株式会社
秋田杉GIN

秋田県発酵工業株式会社は、仙台市産業振興事業団が主催する
「新東北みやげコンテスト」の受賞企業です。


第7回 「秋田杉GIN」地域性特別賞

今や空前のクラフトブーム。クラフトビール、ウイスキー、コーラ…。そしてなにより世界的な注目を集めているのが、ジャパニーズ・クラフトジンなのです。


写真:産学官連携で生まれた「秋田杉GIN」

ここでジンというお酒について少しだけ解説すると、ジンは17世紀にオランダで熱病対策に開発されたお酒。大麦やライ麦、トウモロコシなどを原料とした蒸留酒にジュニバーベリーなどのスパイスを漬け込んで再蒸留し、各メーカーがそれぞれの香りを持つジンを開発しています。そんなジンに、ご当地ならではの材料を漬け込んでつくられるのがクラフトジン。


写真:天然秋田杉の葉。リラックス効果もある香りを活かしたクラフトジンをつくることになりました

そんなクラフトジンブームの中、秋田工業高等専門学校、秋田県立大学、秋田県総合食品研究センター、そして秋田県醗酵工業株式会社による産学官連携で生まれたのが「秋田杉GIN」です。

秋田県醗酵工業株式会社の菅美登里さんは「緑に恵まれ日本酒をはじめとする酒文化も豊かな秋田県で、天然秋田杉の香りを活かしたお酒をつくることができないかというプロジェクトが発足し、資金をクラウドファンディングで調達。その返礼品として出資者の方々へお届けした『Akita Dry Gin』をより多くの人に味わっていただきたいという想いから商品化したのが『秋田杉GIN』なんです」と教えてくれました。


写真:杉の葉のほかに、これらのボタニカルを漬け込むレシピを完成させました

ウイスキーが流行っていた中、「原酒が少なくなった後、世界的にジンブームがきていました。ジンは、漬け込み、香り付けするのに比較的自由度の高い酒類であり、秋田の特産品の特徴を活かすには向いていると話し合い、秋田県を代表する日本三大美林の一つである「天然秋田杉」の香りを再現したクラフトジンを開発したいというプロジェクトが走り出しました。まげわっぱや住宅の資材になるのは秋田杉の幹の部分で、葉の部分はいつも廃棄されていたんです。でも、香りが一番いいのは葉の部分で、リラックス効果があるということが学会でも発表されるなど科学的根拠も伴っていました。秋田杉の葉の清々しい香りと、ジン特有のハーバルな風味が絶妙にマッチングするよう、およそ1年に及ぶ分析、研究を重ねました」。


写真:杉の葉とボタニカルをアルコールに漬け込み、深い香りを引き出します

秋田杉の葉に含まれているイソプレノイドという香り成分は、人間がリラックスしているときに発するα波という脳波を増強することがわかっています。そのアロマ効果を活かし、さらにオレンジピールやレモンピールといった柑橘系をも漬け込むことによって、さわやかですっきりとした味わいのジンが完成しました。「焼酎や日本酒では、まず香りを加えることはせず、素材の香りを活かすことが一般的です。この『秋田杉GIN』は杉の葉やオレンジピールなどもすべて漬け込んで、浸漬(しんせき)法と呼ばれる方法で抽出、蒸留しています。季節の温度によって素材のエグみが出てしまうなど難しい方法ではあるのですが、直接漬け込むことでボタニカルの香りをより深く引き出すことができるんです」。

実は、秋田県醗酵工業株式会社では、地元で「ばっけ」と呼ばれるふきのとうのとうを使用した『秋田CRAFT美GIN』というジンを製造した経験があり、その経緯もあって今回のプロジェクトに参加したのだそうで「クラフトジンの魅力のひとつに『季節ごと、仕込みごとに味が変わる』というのがあるとは思うのですが、この『秋田杉GIN』に関しては、これまでの弊社の経験と、製造ラインもあることから、安定的に生産することを第一に製造しています。クラウドファンディングの返礼品のときには無濾過だったので少し濁ったジンだったのですが、販売にあたってブラッシュアップし、見た目もクリアで、シャープな味わいにし、まるで飲む森林浴のようなジンに仕上げました」。


写真:秋田杉GINの炭酸水割に合わせたのは、ローズマリーポテト。乱切りにしたジャガイモに塩コショウして、多めのオリーブオイルで揚げ焼きに。仕上げにローズマリーを散らせば出来上がり!


写真:塩コショウ、薄く小麦粉をまぶしたメカジキをバターでソテーして、ディルを散らした「メカジキのディルソテー」とも相性抜群。まわりに散らしたソースは「ざおうハーブ」のディルドレッシングを使用

「新東北みやげコンテスト」での受賞によるみやげ需要が高まったほか、5月には「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2021」で最高金賞を受賞。「おかげさまで、多くの引き合いをいただくことができました」と、菅さんは話します。


写真:マンゴーやベリーなど、凍らせたお好みのフルーツにジンを注いで、ちょっぴりスイートなカクテルに

菅さんは「なかなか外に飲みに行くことができないこの時期、お家でちょっと贅沢な時間をこのジンと過ごし、リラックスしていただけたらうれしいです」と、家飲みでの需要拡大に期待を寄せます。

この秋は、香り豊かな「秋田杉GIN」で、リラクシングなバータイムを楽しんではいかが?

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秋田県醗酵工業株式会社

所在地 〒012-8511 秋田県湯沢市深堀字中川原120-8
TEL 0183-73-3106
URL https://www.oenon.jp/

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。

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