オイル漬け専門店
Norte Carta
「秋田しょっつる仕立て
しいたけタプナード」

オイル漬け専門店Norte Cartaは、仙台市産業振興事業団が主催する
「新東北みやげコンテスト」の受賞企業です。

第7回 「秋田しょっつる仕立てしいたけタプナード」アイディア特別賞

※現在商品名は「とろっとうまみ椎茸タプナード」に変更になっております。



写真:規格外のしいたけを有効活用した「しいたけタプナード」。ANA国際線ビジネスクラスの機内食にも採用されている逸品です

秋田県の食べ物といえば、きりたんぽに稲庭うどん、ハタハタにいぶりがっこ…とさまざまなグルメが挙げられますが、実は秋田は生しいたけの出荷量、消費量ともに日本一の「しいたけ天国」でもあるのです。

そんな秋田の知られざる名産品をオイル漬にして全国へと発信しているのが、2018年に八峰町で創業したNorte Carta(ノルテカルタ)。代表の岡本大介さんは「僕が水産系の会社に在籍していたときに、アワビを使ったオイル漬を作ったんです。お客さまからの評判も良かったし、市場を調べるうちに“オイル漬に特化した商品づくり”っておもしろいかも…と思ったんですよ。というのも、これまでは、食材加工のいくつかのバリエーションのひとつとしてオイル漬があって、いわゆるサブ商品的な扱いが多かった。そういうのじゃなくて、“いろんな食材をオイル漬にする”みたいなことをやりたいなと思ったんです。それこそ、ジャム屋さんとか干物屋さんみたいな感じで、オイル漬専門店をつくろう、と。言ってしまった者勝ちだなと、勢いだけでつくってしまったので、スタート時は商材ゼロだったんですけど」と笑います。

オイル漬専門店をつくると決めた岡本さんでしたが、「原材料を調達しようにもできたばかりの個人事業ということで、まぁそれは難しいですよね(笑)。そんな中で、たまたま知り合いのしいたけ農家さんに会ったときに、『規格外のしいたけで食べきれないものは廃棄している』という話を聞いて。それはもったいない!というのでスタートしたのが、うちのしいたけ商品なんです。農家さんにとっても廃棄するものが収入になるし、うちとしても必要な分だけの仕入れで済むので、ありがたかったです」。


写真:菌床しいたけは、八峰町で生産がさかんに行われている特産品のひとつ

ただ、「なぜ秋田でオリーブオイル漬なのか」という明確な理由付けが必要だと感じていたという岡本さん。「調べてみると、『秋田は県民一人当たりの生しいたけの消費量が日本一』だということがわかって。でも、なんで日本一なのかは周りに聞いてもまだ謎なんですけど(笑)」。

さらには「ヨーロッパでは、オイル漬にアンチョビを使用するんですね。アンチョビってずっと寝かせておくと魚醤になるので、魚醤であるしょっつるをオリーブオイル漬に使うことで“秋田でなければならない理由”になりました。


写真:しょっつるの原料となるのは、秋田県の県魚で県民のソウルフードであるハタハタです

こうして2019年4月に、秋田県産のしいたけを使用した3商品「しいたけタプナード」「しいたけオイル漬」「しいたけバーニャカウダ」を販売開始。「3種類出したのは、1種類では怖いと思ったからなんです。使用しているのは親指大の小粒のしいたけなのですが、商品開発担当者と相談して。そのまま使うものと刻んだもの、ペーストにしたものの3種類を開発しました」。

販売開始直後は展示会などでも「なぜ秋田でしいたけなの?」と、なかなか厳しい反応が続いていたそう。そこで岡本さんは「キャッチ―なものがほしいと思って」、「いぶりがっことチーズのオイル漬」を開発し、販売を開始します。すると、世界が一気に変わりました。


写真:経済産業大臣賞を受賞しただけでなく、テレビ番組で紹介されたことでバズった「いぶりがっことチーズのオイル漬」

この商品が経済産業省大臣賞を受賞して販路が一気に広がったことに加え、テレビ番組で芸能人が「おいしい!」と評したことから瞬く間に品切れ状態に。この「いぶりがっことチーズのオイル漬」がきっかけとなり、しいたけ商品も品薄状態が続いています。また、「しいたけタプナード」もANAの国際線ビジネスクラスの機内食に採用されるなど、一気に注目度が高まりました。


写真:代表の岡本さん。今後も秋田の産品を使用したオイル漬をリリースする予定だとか


写真:タプナードとは、フランス語で「ペースト」の意味。そのままトッピングしたり、牛乳や生クリームで伸ばせばソースにもなる優れものです

岡本さんは「ローカルのものって雑誌やウェブで記事にしやすいけど、地元の人が食べているかというと食べていない現実がある。秋田でも秋田以外の場所でも“日常のちょっといい場面”で使ってほしいと思って開発しました」。


写真:カリッと焼いたバゲットに「しいたけタプナード」をトッピング。ホームパーティーで喜ばれそうなパスタの完成

その意図の通り、秋田から東京をはじめとする大都市から販売が開始され、オンラインでの販売も好評だという「しいたけタプナード」。オイル漬、バーニャカウダと並び、しいたけのおいしさを堪能できる逸品として、プロの料理人たちからも高い評価を受けています。


写真:ズッキーニに粉チーズをまぶして焼き、「しいたけタプナード」をトッピング。最後にオリーブオイルを回しかければ、白ワインにぴったりの一品に


写真:シーフードとの相性も◎。リゾットに添えれば、うま味たっぷりのアクセントになりますよ

◆「シーフードリゾット しいたけタプナード添え」のレシピは、Instagramで公開!

「僕は大阪の出身で、だからこそ秋田を俯瞰できる」と自らを評する岡本さん。「秋田はお酒も食べ物もなんでもおいしい。まだまだ埋もれたこの場所のよい食材を使って、商品を開発していきたいと思います。なによりも地元の農家さんに喜んでいただけるのであれば、時間がかかってでも育てていきたいですね」と、未来に目を向けます。

秋田で生まれた、新たな東北の銘品を、ぜひみなさんもお試しあれ。

株式会社ノルテカルタ

所在地 〒018-2664 秋田県山本郡八峰町八森古屋敷18
TEL 0185-57-3444
URL https://www.nortecarta.com/

取材/2021年6月

新東北みやげコンテスト
特別販売会
三井アウトレットパーク仙台港【終了しました】

\東北6県のおみやげが集まりました!/

本日8月13日(金)から、19日(木)まで、仙台市宮城野区の「三井アウトレットパーク仙台港」の1Fセンタープラザにおいて「新東北みやげコンテスト」の特別販売会を開催中!
これまでの受賞商品に加え、本販売会を運営する株式会社HAKKAのバイヤーである佐藤望さんがこれまでに培ってきたメーカーとの直接交渉で仕入れた商品もずらり。

佐藤さんは「私の仕事はお客さまと商品をつなぐこと。作り手の皆さんの思いも一緒に持って帰っていただくのが使命。食べ物であれば食卓にあがったときにどのように提供されるのがいいのかまで勉強しています」と。



この販売会のためにクラウドファンディングで資金を募り、最上級小麦粉を使用して製造された「白石一温麺」(はたけなか)も並ぶなど、話題性も十分。

また、仙台を代表するラーメンの名店「だし廊」も出店中。仙台空港内の出発ゲート内にある「だし廊GoLD」のように、自分の好きな麺とスープをチョイスできるので、いろいろ選んで“お家だし廊”を楽しんでみてはいかが?

近くにお越しの際は、ぜひ足を止めてみてくださいね!

第8回 新 東北みやげコンテストについて

公益財団法人仙台市産業振興事業団
経営支援部 経営支援課 担当:西槇
TEL 022-724-1122 FAX 022-715-8205
E-mail keieishien@siip.city.sendai.jp
URL https://siip.city.sendai.jp/miyage2021/

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●感染症対策には十分な配慮を行っておりますが、お客さまにも、マスク着用、手指消毒、ソーシャルディスタンスにご協力いただけますようお願い申し上げます。
●予告なくイベントは中止、延期されることもありますので、ご了承ください。

オンライン開催
デジタルマーケティング
セミナー
参加者募集!【終了しました】

\参加者募集!/

公益財団法人仙台市産業振興事業団では、中小企業でも取り組みやすいWEB・SNS・ECサイト・動画等の運用方法をわかりやすくご紹介します。自社商品/サービスの魅力をインターネットで広く発信するための、「実践ノウハウ」「ホームページ活用」「SNS効果」「ネット通販」等について、課題をお持ちの方、ぜひ本セミナーをご受講ください!

【講師紹介】三浦 哲志
b.mode株式会社 代表取締役
Grow with Googleパートナー
(公財)仙台市産業振興事業団ビジネス開発ディレクター

│主催│
■公益財団法人仙台市産業振興事業団

│日時│
■令和3年9月22日~令和4年2月24日(10回)
14時00分~16時00分(セミナー90分・質疑応答30分)

│対象者│
■仙台市内に本社のある中小企業者で自社でHPを持っている、或いはSNSを運用している方

│募集人数│
■各講座20人(先着順)
※必要な回のみ申し込むことも可能です

│受講料│
■無料

│参加方法│
■Web会議システム「Zoom」によるオンラインセミナーです
※当事業団ではオンラインWeb会議システム「Zoom」の利用に関するご質問にお答え致しかねます。受講に必要なパソコンやスマートフォン、インターネット通信環境等につきましては受講者の皆様にご準備いただきます。

受講プログラム等、詳細につきましては事業団ホームページをご覧ください。

お申込・お問合せ先(事務局)

公益財団法人仙台市産業振興事業団
経営支援部 経営支援課
〒980-6107 仙台市青葉区中央1-3-1 AER 7F
TEL 022-724-1122
FAX 022-715-8205
E-mail keieishien@siip.city.sendai.jp

世嬉の一酒造株式会社
「クラフトコーラ こはるコーラ」

世嬉の一酒造株式会社は、仙台市産業振興事業団が主催する
「新東北みやげコンテスト」の受賞企業です。

第7回 「クラフトコーラ こはるコーラ」お取り寄せ特別賞

今、世の中はクラフト飲料ブーム。とくに東京から火が付いた「クラフトコーラ」は、さまざまな地域でその地域性を活かしたものがつくられているほか、大手飲料メーカーも参入するなど、その市場はますます拡大していっています。


写真:大正7年(1918)創業の老舗である世嬉の一酒蔵。「世の人々が喜ぶ一番の酒造りを目指す」をモットーとしています

そんなクラフトコーラを、実は10年以上も前に世に送り出していた人たちが、岩手県にいました。それが、「世嬉(せき)の一酒造」のビール部門である「いわて蔵ビール」のみなさん。代表の佐藤航さんは「もともとのはじまりは、『地場産麦芽でビールをつくろう』というところから始まっているんです。東北農業研究センターさんと農事組合法人アグリパーク舞川さん、そして私たちで小春二条大麦という、寒冷地向け小規模醸造用の大麦を開発し、それを使用したビールをつくることに成功したんです。そんな中で、アグリパークの担当の方がお酒を飲めないということがわかって、じゃあ、ノンアルコールのものをつくろうか、となったんです」と、笑います。


写真:クラフトビールに使用する小春二条大麦をつかって、クラフトコーラを仕込みます

当時は、地サイダーがブームでしたが、佐藤さんはクラフトコーラに挑戦することに。「自然食のコーラをつくったら面白いんじゃないかと思って。実際完成したときには、自然食を取り入れている人たちから結構な引き合いがあったんです。反応は良かったのですが、ビール部門が忙しくなってしまったこともあって、コーラはお休みすることになったんですよ」。


写真:コロナの影響でビールのタンクに空きが生じ、クラフトコーラを仕込むことが可能になったそう

それから時が流れること、およそ10年。「コロナの影響で、飲食店からのビールの需要が一気に減りました。そして、夏祭りやビールイベントなども中止になったし、中国やアメリカへの輸出もなくなって、ビールの醸造タンクが空いたんです。僕らのスタンスは、『大変なときには無理をしない』ことなので、『僕らにはこはるこーらがあるから、それをつくろうじゃないか』となったんですよ。昨今のクラフトコーラブームよりはるか前につくったものだったので、再開するにあたってレシピを見直しましたが、時間があったのでじっくり取り組むことができたんですよ」。


写真:スパイスの香りがふくよかな「こはるコーラ」。体に優しい味わいです

佐藤さんがつくると決めたのは、「体にいいコーラ」。「精製した砂糖ではなく、血糖値が上がりにくい麦芽糖を使用したいと思いました。香辛料も入れて、体に優しい飲み物を…となった結果、子どもが飲みにくいコーラになってしまった(笑)。麦芽糖を使用してるので、味としては昔の冷やし飴に近く、ゴクゴク飲むという感じではないんです。どちらかというとクラフトビールに近くて、ゆっくり、会話を楽しみながら味わって飲んでほしいですね」。


写真:いろいろな料理との相性も◎! パテからつくる、ファストフードじゃないハンバーガーはいかが?

「体に優しい」が出発点の「こはるコーラ」ですが、一般のお客さまのコーラのイメージが某大手飲料メーカーのコーラの味で固定されてしまっていることから「これは、コーラじゃない!」と言われてしまうこともあるんだとか。

佐藤さんは「清涼感が足りないとか、香りが強いとか言われることもありますね。実は、コラの実(*)を入れるか迷ったんです。これを入れるといわゆる「コーラ味」になるので、お客さまのコーラの味のイメージと合致する。でも最終的に、この商品は10年20年かけて育てていきたいよね、ということで『これがいい、優しい味がほっとする』という人を増やしていきたいと思い、コーラの実は入れないことにしました。25年前にクラフトビールを最初に出した時も、『なんだ、このビールは?』という反応で受け入れられなかった。でも25年経ってみると、クラフトビールは一般的に受け入れられているし、人気もある。なにより、クラフトのいいところは、バッチ(*)ごとに味が違うんです。それは、つくりながら改善していくから。『こはるコーラ』も、ゆっくりじっくり育てていきたいですね」。

*コラの実=アフリカ原産の常緑樹・コラノキになる種子
*バッチ=1回の仕込みで出来上がるビール量の単位


写真:6種類のこけしがかわいい「こはるコーラ」のラベル。6種類コンプリートしたくなっちゃう!?

10年ぶりに再び世に出ていくこととなった「こはるコーラ」のデザインは、東北らしいこけしを模した6種類。「これまでうちの商品は酒販免許のあるところにしか卸せなかったけれど、コーラなら道の駅や高速のパーキングでも販売できます。そういう売り場を意識していることを伝えたら、味は1種類だけど顔は6種類のラベルに仕上げていただきました。銅のラベルも微妙に違うので、コレクションしてもらってもいいのかな、と思います」。


写真:バニラアイスを浮かべて、コーラフロートに。優しい甘みで、子どもから大人まで楽しめます


写真:ジンやウイスキー、ウォッカなどのハードリカーを合わせて、カクテルに。大人だけの贅沢な時間を過ごしては?

佐藤さんは、次なる展開も準備中で、「今後、クラフトコーラの種類もいくつかあってもいいかなと思っているのですが、実は今、クラフトジンジャーエールをつくっているんです。これも、麦芽糖だけでつくるもので、現在開発中です。『こはるジンジャー』も楽しみにしていてください」。

商品の詳細はコチラ

世嬉の一酒造株式会社

所在地 〒021-0885 岩手県一関市田村町5-42
TEL 0191-21-1144
URL https://www.sekinoichi.co.jp

取材/2021年6月

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。