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ヘアーサロンフジ|地域企業業務効率化サポート補助金事例紹介#4

理美容グループ店舗の顧客管理統合と自動ヘッドスパ設備導入による業務効率化

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「ふじさん」の愛称で長く地域に愛されてきたヘアーサロンフジの設立は1957年(昭和32年)。現オーナーのお父様が涌谷町で理容店を開業したのが始まりで、その後まもなく仙台へ。地域には何代にもわたって利用するご家庭も多く、同店HP冒頭の『赤ちゃんからお年寄りまで』のフレーズはまさに、お客様とともに重ねてきた歴史そのものを物語ります。

「私はもともと理容師だったのですが、以前の理美容法では女性にパーマをかけることができなかったもので、男女ともにお客様として迎えるために美容師の免許を取得しました。以来、理美容兼業のスタイルでお店をやっています」と語るのは、オーナーの奥様であり理美容師でもある目々澤智恵子さん。「従来のお客様を大切にしながら、できることを少しずつ増やしてきた感じです。いまではヘアースタイルだけでなく、メイクや着付け、ヘッドスパ、ネイル、マツエク&パーマ、脱毛など、頭からつま先までトータルにケアできるところが独自の強みとなっています」

身だしなみという安定した需要がある理容業ですが、昨今ではニーズの多様化に対応しながら、原材料費や光熱費の上昇、人材難にも向き合わなければなりません。こうした環境変化のなか、ヘアーサロンフジではどのような課題を抱えていたのでしょうか。

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地域に根差した理美容店としてまもなく70年。親子三代にわたるお客様も。

 01  今回の補助金活用の背景にあった課題は?

昨年の4月に事業譲渡による店舗増設があり、3店舗体制となりました。常連のお客様からは「いつ来てもいっぱいだね」とよく言われていましたから、混んでいるお店から空いているお店に顧客誘導を図るいい機会かもしれないと考えました。

ただ、譲渡された店舗は狭く、複数の施術を同時に行うのが困難という物理的な制約を抱えていたため、多店舗連携で有効活用するには、まず空間を効率的に使えるようにしなければならないという課題がありました。

あと全体的な経営に関して、付加価値強化に向けた構想はたくさんあるのに、スタッフが多能なスキルを身につけ、成長しながら活躍していけるだけのゆとりや体制は十分とはいえず、それが長く課題となってきました。人材難と言ってしまえばそれまでですけど、そもそも理美容業は属人化したプロ・テクニックの提供が主体ですから、それ以外の業務、例えば予約・問合せ対応やお客様への予約確認等々をシステム化できれば、そのリソースで新たな付加価値の創造に挑戦できます。ですから今回は、補助金活用に際して、空間と人材の有効活用という別々の課題がいったん業務効率化に集約されたことで、共に解決に向けて動き出したといえます。

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東北での導入は当店が2番目。リラクゼーション効果も大きい自動ヘッドスパマシンは、これからファンも増えそう。

 02  補助金をどう活用し、どのような成果が得られましたか?

まず手狭な新店舗の改善策として自動ヘッドスパマシンと自動シャンプー機を導入しました。自動ヘッドスパマシンは「頭浸浴」のトレンドワードでも知られている機器で、フェイスラインから頭部全体へ炭酸泉を掛け流しにすることで深いリラクゼーション効果をもたらし、さらに日常のシャンプーでは落とし切れない汚れや残留物を高濃度炭酸がきれいに取り去ってくれます。自動シャンプー機は、トリートメント成分がしっかり届くように髪と頭皮の状態を整える「プレシャンプー」用に導入しました。

これらの具体的な成果としては、施術時間がそれぞれ15分程度から3分程度まで短縮されました。スタッフはお客様をアテンドするだけで、あとはマシンが自動で施術してくれるわけです。それから、自動ヘッドスパマシンの導入は当店が東北で2店目だったこともあり、「頭浸浴」のネット検索でヒットして来店されるお客様が増えました。自動シャンプー機も、高い水圧によるマッサージ効果があるのでとても好評です。以前の同種製品はまるで嵐の中にいるような騒音がネックだったのですが、当店が導入した最新型はその点が改善されており、今回の選定の大きなポイントとなりました。

お客様をご案内した後はマシンにお任せ。最新型の自動シャンプー機はお客様にも好評です。

顧客管理業務の効率化に関しては予約管理システム「Lステップ」をプランアップしました。これは、LINE公式アカウントの機能を拡張するMA(マーケティング・オートメーション)ツールで、それまでスタッフが手作業で行なっていた顧客管理業務の多くを自動化することができました。一例を挙げると、お客様が自分で入力して予約時間を変更できるようになり、スタッフにとってもお客様にとっても効率的になったと思います。

全体的な成果として、各店の空き状況が可視化されたため、混雑時の店舗間の振替によって機会損失を防ぐことができています。さらに現場の成果を数字でみると、ご予約のお客様への事前連絡が自動リマインドになったことで、これまで1日20分程度かかっていた作業時間が削減され、顧客履歴の一元管理化により施術前の確認時間がお一人あたり5〜10分削減されました。加えて、自動リマインドはキャンセル率の低減が期待できますし、来店後のフォローメールが自動化されたことでリピート率の向上が期待できます。

各店舗の空き状況が一目で確認できるので、効率的にお客様をご案内できます。

 03  大変だったことを教えてください。

新しい機器やシステムを日常の業務で問題なく使いこなせるようになるまでは相当の時間が掛かるだろうと当初はそう考えていたのですが、実際は予想と異なりました。若いスタッフは、新しいものに馴染むのがとにかく早いんです。例えば、メーカーさんが自動シャンプー機の使い方を説明している様子を誰かが自発的にスマホで撮って、次の瞬間にはそれを全スタッフで共有しているのですから、本当に感心しました。Lステップについても、予約管理だけでなく、多機能な顧客管理システムとして便利に使いこなしています。今回の業務効率化では、若い世代の底力をあらためて見た気がしますね。

 04  今後の業務効率化のビジョンは?

美容室しか利用したことのない女性にとって顔剃は未経験の美容であることが多く、そうしたところから、当店では理美容兼業の魅力を女性のお客様の間で徐々に広めてきたのですが、このごろは若い男性もそのターゲットに該当することがわかってきました。ですから、脱毛などのメンズエステは今後の展開として期待できるかもしれません。今回の補助金活用では、業務効率化という視点から空間と人材の有効活用へと辿り着くことができたので、今後も広い視野で戦略を練っていきたいと思います。

若い世代のスタッフと一緒に新しい取り組みを進める目々澤さん

 05  最後に、今回の補助事業の感想をお聞かせください。

専門家の先生が、私たちの事業化構想を伴走するようにフォローしてくれたことがとても印象に残っています。おかげでこのようにビジョンを形にすることができました。自分たちのできることを増やしながら、地域のトレンドを作っていくという当店のスタイルが、今回の補助事業を経てさらに強化されたと思います。

中小企業診断士・ウェブ解析士
安田若菜

 担当コラム

支援担当者からコメント

本事業は単なる設備更新ではなく、多店舗経営における人時生産性向上とサービス平準化を明確な目的として位置づけた、戦略性の高い補助事業でした。
支援では、本投資が多店舗運営の効率化と収益向上にどのように寄与するかを整理し、設備導入による業務削減時間や生産性向上効果を目々澤様とともに試算しました。導入後の具体的な活用方法についても検討したことで、若いスタッフが主体的にシステムを活用する体制づくりにつながりました。
本投資は働き方改革や将来的な事業承継を見据えた基盤整備でもあります。今後は蓄積された顧客データを活用し、地域における理美容業の先進モデルへ発展されることを期待しています。

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企業概要

ヘアーサロンフジ

事業内容:理容・美容業
ヘアーサロンフジ HP

〒984-0826
宮城県仙台市若林区若林2丁目5−7
(写真は河原町店)
TEL022-286-5451


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