株式会社稲庭うどん小川
稲庭うどんから生まれたエール「小川」

株式会社稲庭うどん小川は、仙台市産業振興事業団が主催する
第10回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

アイディア特別賞 稲庭うどんから生まれたエール「小川」

秋田県の南の玄関口である湯沢市。四季折々の豊かな自然と食が魅力的なこの町で、古くからの郷土料理として人々の胃袋をつかんできたのが、「稲庭うどん」です。その歴史は古く、徳川家綱が第4代将軍となった翌年、明暦元年(1655)には、稲庭町でうどんの製造が始まっています。

多くの稲庭うどんメーカーが軒を連ねる湯沢市。

「創業1982年。うちは一番の後発なんです」と話すのは、「株式会社 稲庭うどん小川」(以下、「稲庭うどん小川」)の専務取締役・小川選子さんです。


写真:稲庭うどん愛が止まらない小川さん。とてもキュートな方でした

稲庭うどん小川のはじまりは、タクシー会社を経営していたお父さまが、お客さまから聞いた一言がきっかけだったそう。

「ある日、東京のバイヤーさんを駅まで乗せたそうなんです。そのときに、『稲庭うどんの品数が一年中安定して供給されていない』『メーカーによって品質にばらつきがあっていいものを仕入れるのにちょっと苦労をしている』という話を聞いたそうです。それで、『自分の生まれ育った稲庭で、皆さまに満足いただける高品質の商品を通年で安定供給しよう。もともと食品には興味があるし手を動かすのも好きだから、自分にもできるのではないか』と思ったのだそうです。当時はタクシー会社を経営しながらのうどん製造立ち上げでした。その時のことは、私も子どもながらに記憶しています」


写真:小川さん自らが調理してくださった比内地鶏の稲庭うどん。絶品でした!

もともと贈答品としての需要が高かった稲庭うどん。新規参入者である「稲庭うどん小川」では着眼点を変え、「高品質ながら、リーズナブルに楽しんでもらえる商品づくり」を行いました。

「そのおかげもあって、全国の量販店さまへの出荷率は業界トップクラスになりました。また輸出にも力を入れ始め、香港をはじめとするアジア各国、北米やヨーロッパと取引をしています。洋の東西を問わず世界各国で麺を食べる文化はありますし、北米やヨーロッパではどんどん日本食のレストランができています。海外市場も私たちにとってはとても大事なんです」


写真:どんなお料理と合わせてもおいしくいただけます

とても丁寧にうどんをつくっている稲庭うどん小川ですが、どうしても製麺時に出てしまうのが、端材。

「お店で購入いただいたお客さまに持っていっていただいたり、秋田県の老人ホームやこども食堂に無償でご提供しているのですが、それでも追いつかないんです。それで、湯沢市で中小企業を支援している『ゆざわ-Biz-』に相談したんです。そのとき、ちょうどこのビールをつくってくださった羽後麦酒さんも『地元湯沢市の企業とコラボしたい』とご相談に来ていたんです。それでご縁をいただきました。
もともとビールには小麦もつかわれるので『それならいけるのではないか』と。それでも初めてのことになるので、秋田県総合食品研究センターに技術支援のお願いをして、商品化に至りました。味は普通のビールにすることもできたのですが、稲庭うどんらしさを残すために、塩味をほんの少し残して『あ、なんとなく稲庭うどんの味がするね』という感じに仕上げています。とはいえすっきりした味わいになっているので、食中酒として楽しんでいただけますし、軽めなのでお休み前のちょっとした時間にナッツなどをおつまみにしながら召し上がっていただけたら」。


写真:「青森ホタテで缶パイ」と稲庭うどんを合わせて。豪華な食卓に

このユニークでエシカルな商品「稲庭うどんから生まれたエール小川」は、メディアにも多数取り上げられました。

「おかげさまでいろいろ注目いただき、『飲んでみたい』というお客さまが多く、1週間で完売してしまったんです。現在では地元の酒屋さんのほか、羽後麦酒さんのオンラインショップで購入いただけます」

今後、このビールに期待することを伺いました。
「より多くの方に召し上がっていただきたいです。そのため、現在はもっと販売店を増やせるよう、価格の見直しをして再販したいと考えています」

秋田を代表する名産品からつくられたビール。ぜひみなさんも、試してみてはいかがでしょうか。

専務取締役・小川選子さんのものがたりは、Yahoo!ニュースでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

※株式会社 稲庭うどん小川は「第11回新東北みやげコンテスト」でも「アイディア特別賞」を受賞。
商品の詳細はオンライン商談カタログ「SELECT TOHOKU」でご覧ください。

株式会社 稲庭うどん小川

所在地 〒012-0107 秋田県湯沢市稲庭町字大森沢144
TEL 0183-43-2803
FAX 0183-43-2857
URL https://ogawaudon.com/
受付時間 8:30~17:30(月~金)

よいみせ│秋保ワイナリー


今や、秋保の名スポットとなった「秋保ワイナリー」。
2014年にスタートしたこのワイナリー(店舗のオープンは2015年)は、建築家である毛利親房さんが東北沿岸復興の目的で立ち上げたものでした。

女川町の施設の建築を手掛けた毛利さんは、震災で大きなダメージを受けた沿岸部の農家や漁師を食を通じてどうにか応援できないかと考えたそう。
宮城県産のワインができれば、それに合わせる料理が欠かせない。沿岸部の牡蠣やホヤなど、宮城ならではの食の魅力を発信したいと考えました。さらに、自分のつくるワイナリーが、ワインづくりを始めたい人の勉強の場所になればいい、そう思ったといいます。
さらにその思いは広がり、テロワール(=生産地の気候風土と人の営み)と、マリアージュ(食事と酒のペアリング)を掛け合わせた「テロワージュ東北」を提案。


写真:寿司専門の白ワイン「鮨」を手にする毛利さん

さらに、2024年には「秋保バレー協議会」を仲間とともに立ち上げ、新たな活動にも取り組んでいます。
「今年はインバウンド普及元年ということにしたんです。というのも、仙台という場所はインバウンド客の通過点になってしまっているから。牛たんを食べて、何かちょっと買い物をして…だけではない食の楽しみ方を提案するようにしたいと考えています。これは富裕層向けのアイデアで、おいしいもの、おいしいお酒を楽しんで満足すれば、インバウンド客はどんどん発信してくれる。それでまた仙台にインバウンド客が増える…という計画を進めています。たとえば、秋保にワイナリーがあると知ってもらえたら、ワイン好きの人は『秋保に来ておいしいものを食べたい』となるでしょうし、ここにはブルワリーもある。お隣の作並温泉にはニッカウイスキー、市内には酒蔵もあるので、 仙台のタクシー会社さんなどとも協力して、酒蔵、蒸留所、醸造所を巡るツアーを企画しているんです」。

さらに毛利さんは寿司専用のワイン「鮨」にも着手。
「お寿司屋さんでしか飲めないワインで、今いろいろ仕込みを計画中です」。


写真:ワインに合わせたい、地元の銘品もそろっています

スタートから10年。毛利さんの秋保、そして仙台発展への思いはまだまだ止まりません。
ワイナリーに併設された店舗では、ワインの提供やテイスティングを始め、さまざまな地元商品やワインも購入可能です。

ぜひ、みなさんもこのところ発展目覚ましい秋保に、遊びに行ってみて下さいね。


写真:店内では、買い物も飲食も楽しめます


※秋保ワイナリーホームページより

秋保ワイナリー

所在地 〒982-0241 宮城県仙台市太白区秋保町湯元枇杷原西6
URL https://akiuwinery.co.jp/

<ショップ&レストラン&見学>
営業時間
ショップ&カフェ9:30 – 17:00
レストラン 11:00~17:00(21:00 木金土)
※当面の間ディナーは予約制コース料理のみ
アラカルトメニューは予約なしでOK

・ランチ11:00~15:30
※ラストオーダー はそれぞれ30分前
※毎週火曜定休

「第11回新東北みやげコンテスト」当日リポート

受賞商品決定!

去る11月21日(木)、仙台市産業振興事業団が主催する「第11回新東北みやげコンテスト」が開催されました。267点の商品がエントリーした今大会。入賞した52商品が一堂に会し、5つの特別賞、4つの優秀賞、そして最優秀賞が選ばれました。そして今年からは審査方法も一部変わり、「インバウンド特別賞」は外国人留学生、新たに生まれた「ベストユース特別賞」には宮城学院女子大学の学生が審査員として参加。10年を経て、さらに進化したコンテストとなりました。

授賞式に際して挨拶に立った郡和子仙台市長は「会場で本当に素晴らしい商品、そして生産者の方と出会うことができました。受賞された商品だけでなく、今回応募いただいたすべての商品が、たくさんの方に届きますように」と、エールを送っていました。


受賞の発表は、まずは特別賞から。

インバウンド特別賞

ジンジャーアップコーディアル みろく 三陸ジンジャー│岩手県

ベストユース特別賞

DakeDeli 三種6缶セット 株式会社味の加久の屋│青森県

デザイン特別賞

もりおか石割桜クッキー MOYANE協議会│岩手県

地域性特別賞

しょっつるナッツ 株式会社ノルテカルタ│秋田県

アイディア特別賞

プラントベース(昆布&椎茸)つゆ付き稲庭うどん  株式会社稲庭うどん小川│秋田県

優秀賞に選ばれたのは、2つの食品と2つの雑貨。

[食品]

アップルパイの素 株式会社0172│青森県

浜ののりバジル 合同会社fluir│宮城県

[雑貨]

津軽塗アクセサリー 株式会社小倉内装│青森県

こけしタオル 朱色 株式会社なるみ│宮城県

そして、最優秀賞に輝いたのは、

まるごと牡蠣ソースセット FISHERMAN’S KITCHEN│宮城県


でした。

受賞のアナウンスを聞いたFISHERMAN’S KITCHENの阿部和也さんは「えっ!」と驚きを隠せないながらも、ステージでガッツポーズ。会場は、とても和やかなムードに包まれました。


上記の受賞商品の誕生のものがたりは、これから「暮らす仙台」でご紹介していきますので、お楽しみに!

入賞商品につきましては、オンライン商談カタログ「SELECT TOHOKU」にてご紹介しております。

メリーメリークリスマスランドとムーミンのお話

世界中で愛される、ムーミンとその仲間たち

フィンランドの人気キャラクター「ムーミン」が、2025年に80周年を迎えるにあたり、台湾の人気通販サイトPinkoi(ピンコイ)が、オリジナルコラボレーション商品「Pinkoi×Moomin」を販売しています。

この企画は、Pinkoiがムーミンをあしらったオリジナルグッズのアイデアを世界中のクリエイターに呼びかけて実現。20社程度の狭き門の中採用されたのが、仙台を拠点に活躍するイラストレーター・泉友子さんが主宰する「メリーメリークリスマスランド」です。


写真:「メリーメリークリスマスランド」を主宰するイラストレーターの泉友子さん

「2024年8月から2025年9月までの期間限定で、ムーミンの80周年をお祝いするアイテムをつくりましょうという趣旨で公募があったんです。日本から、そして仙台・宮城からの応募なので、日本っぽい、そして宮城っぽいもの…ということで、折り紙とこけしを提案しました。また、『マッチ箱クリップ』などで一緒にグッズをつくってきた佐々木印刷所さんにご協力いただいて、ペーパークリップも制作しました」と、泉さん。

ムーミンこけしの木地を制作したのは、「にゃんこけし」の作者でもある木工造形家の阿部浩秋さん(うらにわあとりえ)。阿部さんがひとつひとつ丁寧にひいた木地に、泉さんが絵付けを施します。ムーミントロール、スナフキン、リトルミィ、そしてムーミン谷の住人たちから恐れられる魔物・モランが、なんともかわいらしいこけしになりました。


写真:折った後の図柄の出方も楽しみなムーミンの折り紙

ムーミンの折り紙は、ムーミンのパターン柄から6種類をピックアップ。

折り紙として使うのはもちろん、メモ用紙やお手紙を書いても気分が上がりそう。

「本当は和紙の方が日本っぽいとは思ったんですけれど、やはり台湾の方は折り紙といってもピンと来ないかもしれないので、文字が書きやすい上質紙を選んだんです」


写真:10種類のデザインのクリップ。かわいくて、何に使うか迷ってしまいそう…

ペーパークリップは、ムーミントロールのほか、ガールフレンドのスノークのおじょうさん、スニフといったキャラクターに加え、ムーミンの青い家まで10種類が可愛らしいマッチ箱に入っています。

「外箱は、ムーミンの絵本の絵を使っているんです。絵本からキャラクターが飛び出したようになっています。ブックマークにしたり、お手紙やメモにつけたりしてもかわいいです。紙製品ではありますが、丈夫で何度でも使えるので、いろいろな方に手にしていただけるとうれしいですね」と、泉さんは笑います。

これらの商品は、台湾の通販サイトPinkoiでのみの販売。

気になる方は、ぜひサイトをのぞいてみてくださいね。

メリーメリークリスマスランドのサイトでは、泉さんのオリジナルこけしなどを販売中。

こちらもぜひチェックを!

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株式会社エイ・ワンド
青森ホタテで缶パイ4種

株式会社エイ・ワンドは、仙台市産業振興事業団が主催する
第10回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞 青森ホタテで缶パイ4種

青森県青森市。青森駅からほど近い場所に、店舗を構えるエイ・ワンド。小ぢんまりとしていながらも、店内はりんごをモチーフとしたテーマパークのような楽しさ。そのエイ・ワンドが、新たな商品ラインナップに加えたのが、青森県が全国有数の生産量を誇る「ホタテ」です。

この商品が生まれた経緯について、株式会社エイ・ワンド常務取締役の高森暖(のん)さんは、こう話します。

「2年前、コロナのときに観光客の方がうちのお店に来たんですね。そのとき、飲食店も休みが多くて、『青森に来ておいしい酒と肴を食べようと思ったのにお店がどこも休みだ』って話していて。それで、酒屋さんで買ったお酒をホテルで飲むのに、うちの干しりんごをつまみに買って行ったの。干しりんごも決してお酒に合わないわけじゃないけど、青森にはおいしい魚がたくさんあるわけだから、なんか寂しくなっちゃってね。それで、ホテルに帰ってパパッとすぐ簡単に食べられるお酒のおつまみがあったらいいなって思ったんですよ」。


写真:「思いついたらすぐ行動しちゃうの」とチャーミングな笑顔で話す高森さん

さらに、ホタテの輸出制限などもあり、ホタテの生産者が苦境にあったことも高森さんの背中を押しました。

「もう輸出はほとんどダメでね。それにホタテの生産量も毎年厳しくなっていて、ホタテの会社の知り合いなんかは、『ホタテ業はもう終わりなのかな…』みたいな感じで話していて。でも、青森っていったらホタテだし、ホタテをつまみにするっていうのが一番いいことだなと思って。そこでホタテの缶詰をつくろうと思ったの。ホタテの缶詰は今までももちろんあったんだけど、私、缶を開けたときの生臭い匂いが苦手で好きじゃなくて。だから、そういう生臭さのないおいしい缶詰で、爪楊枝もつけてすぐその場で食べられたら、電車の中とか、旅館とか、いろんなところでおつまみやおやつみたいな感じで食べられるなって思って」。


写真:ビールにぴったり!あっさり味の「しょうゆ」

こうしてホタテの缶詰をつくることを決意した高森さん。

「今回は、お酒のお供っていうのがコンセプトなので、日本酒、ビール、焼酎、ワインに合わせて味を変えようと思って。それで、お酒好きな人たちで集まって試作して、みんなで味わいながら『これはもうちょっと濃くした方がいいんじゃない?』とか、『ちょっとしょっぱすぎるよ』とか、そういうのを飲み比べしながらやってね。しょうゆ、みそ、オイルっていうのは決まったんだけど、せめてもう1種類は欲しいなって思って。そのときに『エビチリは子どもも好きだし、ホタテチリがあったっていいじゃん』って思いついて。それでトマトチリが決まったの」。


写真:焼酎に合わせるなら、ちょっぴりピリ辛の「トマトチリ」を

高森さんは青森市内で缶詰の業者を探し始めますが、青森市内にはいないことが判明します。

「私、ものをつくるときには、まずは青森市、それが無理なら青森県、それが難しい場合は東北…って決めているんです。青森市で缶詰をつくれないってなったから、青森県内で探したら、八戸市にあったのね。ほら、八戸って港町で水産加工の会社も多いから」。

高森さんのレシピを完全再現した「青森ホタテで缶パイ」は、こうして完成しました。

「トマトチリは、チリソースを使っているわけじゃなくて、豆板醤とかケチャップとトマトペースト、玉ねぎペーストを合わせて、香辛料を合わせたもの。お砂糖もてんさい糖を使っていて、添加物は使っていないので、安心して食べてほしいです。このトマトチリは、新東北みやげコンテストでも、バイヤーさんたちからすごく評判がよくて。このおかげで優秀賞が取れたのかなって思ってるくらい。おかげさまでよく売れていて、店舗でも在庫が少なくなってきているんですよ」。


写真:ワインには、アヒージョを思わせる「オイル」を


写真:コクのある「みそ」は、日本酒が何杯も進みそう

新東北みやげコンテストで優秀賞を受賞したことでの影響を伺いました。

「ちょうどそのすぐ後に、知り合いの会社の周年パーティーがあったんですけど、賞を取ったことで新聞にも載ったので、すごく喜んでもらえて。あとは、お中元お歳暮という形で購入してくれる人も多くて、本当にありがたいですよね」。


写真:「しょうゆ」はご飯と和えて、混ぜご飯に。大葉を刻んで乗せれば、朝食にもぴったりの一品に


写真:「みそ」を稲庭うどんと合わせて。時間がない日のブランチにどうぞ

現在、「しょうゆ」「みそ」「オイル」「トマトチリ」の4種をラインナップしている「青森ホタテで缶パイ」。高森さんは「今、レモンバジルを試作しているんです。ただ、レモンの酸で缶がさびてしまうから、そこのところを研究中。あとは、最初に商品開発を始めたときに、カレーを試作したんだけど、缶詰の会社さんに『カレーは匂いが残るから、専用の機械を購入してください』っていわれてしまったのね。今はちょっときついけど、いずれは釜を買ってカレー味も出したいですし、ホタテのショップも出したいの」と笑顔をのぞかせます。


写真:クリームチーズを塗ったバゲットに「トマトチリ」をトッピングすれば、おいしいタパスのできあがり


写真:「オイル」にワインビネガーを加えて、ホタテ入りドレッシングに。野菜をモリモリ食べられます

これから商品ラインアップを増やしつつ、進化を遂げていくであろう「青森ホタテで缶パイ」。

オンラインショップや青森県内のおみやげ店、仙台市内では「東北スタンダードマーケット」で購入することができますよ。

この商品を開発した高森暖さんのものがたりは、Yahoo!ニュースでご紹介していますので、ぜひご覧ください。

株式会社エイ・ワンド

所在地 〒030-0803 青森県青森市安方1丁目11-10
TEL 017-777-6345
FAX 017-777-6345
URL https://a-wando.net/

取材/2024年8月

タコ焼きよりもタコ焼きの味!?
仙台で「たこ揚げクン」、爆誕!

仙台市に本社を構える食品卸会社「かね久」と老舗かまぼこメーカーの「鐘崎」がタッグを組んで、新たな商品を開発しました。その名も「たこ揚げクン」。その新商品お披露目会が、去る10月8日に行われました。

北海道などで水揚げされるミズダコは、加工の段階で皮をむかれます。しかし、ミズダコ10kgのうちおよそ1kgを占める皮の多くが未利用となっていたのです。

この状況に立ち上がったのが、「みらい・バリュー・TOHOKU 企画」でした。これは、水産資源の漁獲量の減少、枯渇の深刻化を受け、各団体や企業の強みを活かした産学官連携で、貴重な資源を有効活用し、商品開発から販売までを行うプロジェクト。このプロジェクトをけん引する、かね久が鐘崎に声をかけて実現したのが、この「たこ揚げクン」だったというわけです。


写真:たこ揚げクンの原材料となるミズダコの皮。遠藤社長の呼びかけで商品化が実現しました

かね久の遠藤伸太郎社長から声をかけられたという鐘崎の嘉藤明美社長は二つ返事でOK。

嘉藤明美社長は「弊社でもかつてタコを使用したかまぼこをつくっていたのですが、タコの価格高騰で製造を中止していました。今回、お声がけいただいて光栄です」と話していました。

遠藤社長も「今は資源として漁獲量が減っているだけでなく、『価格が高い』『調理が面倒』などの理由で魚の消費量も落ちています。こうした加工食品にすることによって、気軽に楽しんでいただけたら」と話していました。

本物のタコ焼きのようなタコの風味と、かまぼこの持つ食感の両方を楽しめる「たこ揚げクン」。グルテンフリーで、ヘルスコンシャスの方だけでなく小麦アレルギーのある方も味わえるのが大きな魅力。


写真:グリーンカレーになったたこ揚げクン。絶品です

ミヤギシロメ入りのグリーンカレーや、能登産の根菜と高級魚・のどぐろでつくったかまぼこを使用したおでんなど、関連商品も販売されるとのこと。


写真:おでん風のたこ揚げクンは、これからの寒い時期にぴったりの商品

かね久の冷凍食品自動販売機で販売されていますので、普段の食卓だけでなく、年末のパーティーの一品としても活躍してくれそうですね。

株式会社かね久

所在地 〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2丁目6−4
TEL 022-353-7697
URL https://kanekyu-panko.com/

株式会社鐘崎

所在地 〒984-0001 宮城県仙台市若林区鶴代町6-65
TEL 022-231-5141
URL https://www.kanezaki.co.jp/

よいみせ│籠屋ハセガワ

宮城県東松島市の住宅街にたたずむ、1軒の蔵。この場所で、代々伝わる古い木造の蔵を改装して営業しているのが「籠屋ハセガワ」です。
取材班が到着すると、とびきりの笑顔で「いらっしゃーい!」と元気よく代表の長谷川明美さんが迎えてくれました。


写真:築140年の蔵をリフォームした「籠屋ハセガワ」の店内

「うちでは、山ぶどうの樹皮を利用した籠細工をつくっています。梅雨時期に山に入り、山ぶどうの蔓の樹皮を剥いでくるんです。この時期でないと樹皮が固くなってしまうので剥ぐことができない。4週間から6週間が勝負なんです。そうして剥いだ樹皮はカビなどを予防するためにも3か月から6カ月ほどしっかり乾燥させます。そして編む直前に数時間水に浸してから角材のカドなどをつかってなめす。そうすると、余分な皮がはがれて、きれいなヒゴができるんですよ」。


写真:山ぶどうの樹皮は、乾燥させた後で編む直前に水に浸し、なめしてから使用します

樹皮を5ミリ、10ミリのヒゴ状にして、それを50本程度でまとめてつくり、それを編むときには霧吹きで湿らせつつ編んでいくそう。その工程は実に手間のかかったものですが、長谷川さんはなぜ、この籠バッグなどの籠細工を始めることにしたのでしょうか。
「20代の若かりし頃に出合ったのですが、そのときは『素敵だな』とは思ったものの、手が出なくて。憧れだけはずっとあって、ある時、知人の雑貨屋さんをお手伝いをすこししていたときに、『自分でつくれないかな?』って思うようになって。もともとものづくりが好きで、娘の洋服をつくったりしていたから、これもいけるかな…?って(笑)。それで教えてくれる教室を調べたら、当時、日本に2カ所だけあって。そのうちのひとつが、古川にある『ちいくろ工房』さんだったんです。それで先生のところに行って習うようになり、技術を身に付けました」。


写真:東松島市の住宅街にたたずむ、「籠屋ハセガワ」の工房兼店舗

こうして山ぶどうの蔓で小物を編むようになった長谷川さん。籠細工を販売しようと思ったのは、意外なことがきっかけでした。
「今、工房と店舗にしているこの蔵は、夫の実家が所有しているもので。義父が『お前たちに遺すのも大変だろうから、俺の代で壊す』って。義父としては私たちに負担をかけまいとしていってくれたのですが、私はどうしてもこの蔵を残したくて。それで義父さんに『私に使わせてほしい』とお願いして残してもらったんです。蔵を残すからには修繕費と維持費が必要で、『それなら籠細工をつくって売ろう』となり、また一から勉強しなおした感じです」。


写真:もともと手芸が好きで、得意だったという長谷川さん

140年超の歴史を持つ蔵の修繕は、いわゆる一般の工務店では難しかったようで「義父の伝手で、知り合いの一人親方にお願いしました。躯体も傾いていたり、柱も古くて色が変わっていたりで大変な修繕工事を行っていただきました。内装に関しては、仙台市内のアトリエモルソーさんにお願いしてつくっていただきました」と長谷川さんは話します。


写真:代表的な網代編の籠バッグ

一般的によく見られる編み方は「網代編」というものですが、長谷川さんが主に製作している籠バッグは、籠の中が見える「うろこ編」という技法で編んでいるのだそう。
「東京にある教室で、編み方をいくつか教えてくださる教室があって、そこで習ってきたんです。洋服をつくったりするのが好きだったもので、バッグの中に布を入れたいなって思って。中に入る巾着ひとつで表情がガラッと変わるのも素敵だなって思ったものですから。それに、うろこ編は網代編に比べると制作時間も短いんです。網代は3週間から1カ月、うろこは2週間程度かかります」。


写真:内側に入れる巾着でさまざまな表情を見せるうろこ編の籠バッグ

今は、お客さまからの注文も多く、「お待たせしている状態が続いています。それでも…という方はぜひお店のほうに来ていただき、展示してあるサンプルからオーダーをお受けする形になります。今後は、日本だけでなく海外への進出も考えておりまして、10月には香港の展示会に出品する予定。それから、世界各国でワークショップもやってみたいですね」と、長谷川さん。

東松島から、手づくりのクラフトで世界へ―。
長谷川さんの挑戦は始まったばかりです。

籠屋ハセガワ

所在地 〒981-0503 宮城県東松島市矢本大林28−1
TEL 070-8338-6052
URL http://kgyhsgw.com/

\マッチ箱シリーズのニューフェイス!/

ヤギのイボンヌのペーパークリップが誕生しました

「暮らす仙台」でおなじみの「マッチ箱」シリーズに、新作が登場!
これまでにも、宮城にゆかりの深い「こけしクリップ」や、仙台メディアテーク内にある「KANEIRI museum Shop6(ろく)」とタイの漫画家ウィスト・ポンニミットさん(通称 タムくん)の人気キャラクターがコラボした「マムアンちゃんクリップ」生み出し、おみやげ品として人気を博してきたこのシリーズ。次なるキャラクターは、岩手県宮古市に本店を構えるヤギミルク専門のスイーツ店「パティスリーレドシェーブル」(運営:しあわせ乳業株式会社)のオリジナルキャラクター、ヤギのイボンヌです。


写真:ヤギミルクのクッキー。食べ終わった後の缶の使い方もお楽しみのひとつ

なにかもの言いたげなその表情がなんとも愛らしいイボンヌは、クッキー缶やアパレルなど、さまざまな商品に展開されています。
今回、このペーパークリップになったのには、過去10回にわたって行われてきた「新東北みやげコンテスト」が深く関係していました。


写真:外箱は赤、紫、青の3種類(中身はすべて一緒です)

この「マッチ箱クリップ」を制作した株式会社佐々木印刷所(仙台市)の佐々木英明さんは、「『第10回新東北みやげコンテスト』で、歴代最優秀賞の商品展示をしあわせ乳業の社長さまがご覧になり、弊社の商品を気に入っていただいたのがきっかけです。後日、しあわせ乳業のグッズ制作担当の女性の方から連絡があり、マッチ箱クリップの制作依頼が来ました。それが、2024年4月のことです」と教えてくれました。


写真:気になるページのブックマークにも

商品開発について苦心したことについて伺うと、「私どもはイボンヌの世界観がわからなかったので、クッキーなどの商品を買ってみたり、東急ハンズで開催されていたイボンヌのポップアップショップなど拝見したりしながら制作を進めてまいりました」と、佐々木さん。

岩手出身の佐々木さんの奥さまも喜んでいたそうで、「とてもかわいいキャラクター、お菓子と一緒に購入していたけたら幸いです」と笑顔で語ってくれました。


写真:手帳のデコレーションにも

このイボンヌのかわいらしいペーパークリップは、仙台市内では、藤崎近くに店舗を構える「パティスリーレドシェーブル 仙台店」で購入可能です。
読みかけの本のブックマークや、スケジュール帳のデコレーションなどに活用してみてくださいね!

株式会社佐々木印刷所

所在地 〒983-0035 仙台市宮城野区日の出町2丁目2番16号
TEL:022-236-1281  FAX:022-236-1284
URL http://www.sasaki-print.com/

パティスリー レ・ド・シェーブル 仙台店

所在地 〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町3丁目1−12
TEL 022-281-8308
URL https://yagimilk.jp/