中編|マッチ箱マガジンで巡る仙台さんぽ(全3回)

マッチ箱仙台時間イラスト

「鳥平」でおいしい焼き鳥を楽しんだあとは、こちらもジュンコさんの行きつけである「菅原酒店」へ。122年もの歴史がある酒屋では、店主の前田尚養さんとのおしゃべりと、お酒が大好きな老若男女が訪れるのでした。

|菅原酒店

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お酒好きの仙台市民でこのお店を知らない人はいないはず!

ジュンコ:このお店に来るお客さんは、みんなおしゃべりが好きですよね。
前田さん:やっぱり僕との会話が楽しいんでしょうねえ(笑)。お客さんは僕たちのしょうもない話を聞いてくれるし、まあ僕も「しょうもないなあ」と思いながらみんなの話を聞くことも多いよ? ま、お互いにね(笑)。

|ここは会話が楽しい場所

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気さくな人柄の前田さん。
テンポのよい会話のなかで笑い声が絶えない。

ジュンコ:お客さんどうしはお店に来ているうちに、自然と顔を覚えちゃうみたいですね。
前田さん:なんかね、常連どうしが友達になっちゃうのよ。ここで知り合って結婚したカップルもいるよ。
ジュンコ:私はこのお店のつながりでお仕事の依頼が来たこともありますからね。そういうつながりがあるのもうれしいところです。

|私はいつも、琥珀エビス!

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私はいつも、お腹が「ちゃぽんちゃぽん」になるまで飲んじゃいます。

ジュンコ:このお店には週に1度は来ているかな。おいしい日本酒がたくさん揃っているけど、私はひたすら「琥珀エビス」を飲んでいます。隣になったお客さんとお話するのも楽しくて、「私たちもう1軒行きますけど、一緒にどうですか?」なんて声を掛けることもありますよ。

|このお店とジュンコさんの絵は似ているんです

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前田さんがリーダーを務めるインストバンド「Zndada ORCHESTRA(ズンダダ オーケストラ)」。ジュンコさんがフライヤーを手がけたことも多数。

ジュンコ:前田さんとはもう3年くらいのお付き合いになりますかね。友人と一緒にこのお店に来たとき、前田さんのバンドが今ちょうどライブをやっているよって教えてもらって。それを見に行ったのが初対面だったのかな? 何度かライブを見に行っているうちに、フライヤーを描かせてもらうようにもなりました。
前田さん:僕らがやっているバンドと、ジュンコさんの絵って共通点があるような気がしているんです。ユニークでピースフル。このお店の常連がジュンコさんの個展に行ったりすることがよくあるけど、やっぱりそういうつながりがあるからなんじゃないかな。

|米の甘みが楽しめる「甘旨SAKE」がコンセプト

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地酒をはじめ、全国各地から厳選した日本酒が揃う。
3種の飲み比べセットもある。

前田さん:このお店には甘口の日本酒を置いています。すっきりしたお酒だと、何か料理を食べたくなりません? うちにはフードを置いていないから、甘い酒を揃えていて、ほぼ毎日ラインナップが替わりますね。
ジュンコ:お酒の味を楽しみつつ、かわいいグラスで飲めるのもいいですね!

|これからも老舗酒屋ならではの役割を担っていく

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お客とスタッフのテンポのいい会話は隣で聞いているだけでも楽しい。

前田さん:お店自体は今年で122年目。日本酒スタンディングバーとしてのスタイルになってからは7年目になりました。この時代でも、古くからの酒屋の役割ってあると思うんですよ。「ちょっと荷物置かせて」とか、「薬飲むから水ちょうだい」とかね。そういうのを受け入れるのもこのお店の役割なのかもしれないなと思っています。
ジュンコ:これからも変わらずに楽しいお店のスタイルを続けてほしいです!

菅原酒店

  • 創業明治28年。仙台の中心部で街の変化を見守り続けている老舗酒屋。店内には日本酒スタンディングバーのスペースがあるほか、珍しい種類のタバコや宝くじを販売している。
  • 住所:仙台市青葉区一番町4-3-1 菅原酒店ビル1F
  • 営業時間:9:00〜21:00(金曜、祝前日は〜23:00)
  • 定休日:無休
  • 電話番号:022-222-6381
  • URL:https://twitter.com/maedanaokiyo

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イラストレーター 佐藤ジュンコ

福島県出身、仙台市在住。書店勤務時代に不定期発行されたフリーペーパー「月
刊佐藤純子」が評判を呼びイラストレーターの道へ。マッチ箱マガジンでは「松
島」「白石」「仙台時間(21 時~24 時)」を担当。著書に「月刊佐藤純子」(2015年)、「佐藤ジュンコのひとり飯な日々(コーヒーと一冊)」(2015
年)、「仕事場のちょっと奥までよろしいですか?」(2017 年)など。

佐藤ジュンコさん_PROFILE

フリーライター 及川 恵子

1982年気仙沼生まれ。石巻育ち、仙台在住。大学で建築を学んだのち、出版社勤務を経てフリーライターへ。グルメ取材、インタビュー、レビュー、レポート、なんでもお任せあれ。知ること、書くこと、人に会うことが好きです。それと、音楽と旅と猫も好き。
mail:keikooikawa[at]me.com

及川プロフィール

前編|マッチ箱マガジンで巡る仙台さんぽ(全3回)

マッチ箱仙台時間イラスト

仙台にゆかりのあるイラストレーターたちがつくり上げたマッチ箱マガジン。それは、マッチ箱に入った小さなガイドブック。今回は佐藤ジュンコさんが手がけた「仙台時間(21時~24時)」を片手に、おいしいお酒が楽しめるお店を巡りながら夜の仙台を散歩します。

|鳥平

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「このお店はおだやかに楽しんで帰れるお店。ご年配の常連さんが多く、仲良くなれると嬉しい」とジュンコさん。

まずは、昭和の香りが残る焼き鳥店「鳥平(とりへい)」へ。ジュンコさんが足繁く通うこの店は、店主の十倍(とべ)渉さんをはじめ、スタッフのみなさんが家族のようにあたたかく出迎えてくれます。

|ジュンコさんが惚れ込んだ手料理の数々

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ジュンコさんの定番はサバ味噌、卵焼き、ポテトサラダ。
思わず目移りしてしまうメニューがずらり。

ジュンコ:最初にこのお店に来たのは、まだ書店で働いていた頃。焼き鳥はもちろん、卵焼きやおひたし、サバ味噌とか、家庭的な手料理が大好きです。このお店は、居酒屋と家のちょうどいい中間な感じがするんです。今ではもう、「私のホーム」ですね。あ、ビールをひとつお願いします!

|最初は謎の人物でしたね

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店主の十倍 渉さん。

雑貨のデザイナーという一面も持っている。

十倍さん:ジュンコさんがお店に来たばかりの頃、イラストレーターだってことを知らなかったんです。時々お店でノートに絵を描いているのを見かけては、「何してる人なのかなあ」って思っていたくらい。それくらい「謎の人物」でした(笑)。
ジュンコ:そういえば絵を描いているときに、「漫画家なの?」って話しかけられたこともありましたね。それがきっかけでおしゃべりをするようになって、いろんなところでお店を紹介させてもらうようになりました。

|絶品のナンコツはここだけの味わい

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「ナンコツ」(1本200円)。1日10本限定なので、確実に食べたいなら開店後すぐの来店がおすすめ。

ジュンコ:さっそく焼き鳥をいただきましょう! カリッと焼かれた「皮」も好きだけど、「ナンコツ」もおいしいですよね。どちらもこのお店でしか食べられない味と食感なんです。
十倍さん:そうそう。うちのナンコツはほかにはない食感だと思いますよ。豚1頭から2つしか取れない希少な部位を使って、仕込みに2時間かけていますからね。だから1日10本限定なんです。
ジュンコ:え! そんなに貴重だって知らないで、「わー、不思議な食感だー!」なんて思いながらたくさん食べていました。今まで食べたナンコツに詫びたくなります…(笑)。

|「じゅんこちゃん」の名でボトルキープ

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ボトルにイラストを描くジュンコさん。
焼酎のボトルが一気にポップな雰囲気に!

ジュンコ:いつもここで注文するお酒は瓶ビールか日本酒。焼酎のときはポットごとお借りして、お湯割りにして飲んでいます。友達と一緒に来ると、すぐになくなっちゃう(笑)。みんなでお湯を注ぎながら、楽しく飲むのが好きです。

|変わらないこと。そして変わっていくこと。

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「大豆ハムカツ」(540円)。大豆で作られていながら、歯ごたえや味わいはハムそのもの。

十倍さん:このお店は今年で38年目。焼き鳥のタレも38年継ぎ足して使っています。もしかすると、それを知らないで食べている人も多いかもしれないですね。
ジュンコ:秘伝のタレだから、あんなにおいしいんでしょうね。そういえば今年メニューを新しくしましたよね? まだ食べたことのないメニューがいっぱいあるなあ。
十倍さん:そうそう。(2017年)4月にメニューをリニューアルして、ベジタリアンの方や食事制限をしている方でも安心して食べられるヴィーガンメニューも加わったんです。あ、ジュンコちゃんはまだ「大豆ハムカツ」はまだ食べたことなかったよね? ぜひ食べてみてよ!
ジュンコ:これは大豆だって言われないとわからないくらいハムの食感そのものですね! おいしいなぁ。

|ジュンコさんの名店をファンも巡る!?

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「引越し先をこのお店の徒歩圏内で探したこともあるんです!」と語るほど、「鳥平愛」にあふれるジュンコさん。

十倍さん:そうそう! 今年の夏にジュンコちゃんのファンだっていう方がお店に来てくれたんですよ。3人でいらっしゃって、カウンターで飲んでいったけど、ジュンコちゃんが紹介しているお店を全部まわっているみたいだよ。
ジュンコ:え、うれしい! でも私の行きつけのお店に全部行っていたら、いつまでもキリがないかもしれないなあ(笑)。

鳥平

  • 昔懐かしい雰囲気のなか、多彩なアテとお酒を楽しめる一軒。県庁裏の立地ゆえ、サラリーマンを中心に愛され続けている。手間ひまかけた料理はもちろん、ヴィーガンメニューも好評。
  • 住所:仙台市青葉区上杉1-4-32
  • 営業時間:17:00~22:00
  • 定休日:土・日曜、祝日
  • 電話番号:022-265-9780

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イラストレーター 佐藤ジュンコ

福島県出身、仙台市在住。書店勤務時代に不定期発行されたフリーペーパー「月
刊佐藤純子」が評判を呼びイラストレーターの道へ。マッチ箱マガジンでは「松
島」「白石」「仙台時間(21 時~24 時)」を担当。著書に「月刊佐藤純子」(2015年)、「佐藤ジュンコのひとり飯な日々(コーヒーと一冊)」(2015
年)、「仕事場のちょっと奥までよろしいですか?」(2017 年)など。

佐藤ジュンコさん_PROFILE

フリーライター 及川 恵子

1982年気仙沼生まれ。石巻育ち、仙台在住。大学で建築を学んだのち、出版社勤務を経てフリーライターへ。グルメ取材、インタビュー、レビュー、レポート、なんでもお任せあれ。知ること、書くこと、人に会うことが好きです。それと、音楽と旅と猫も好き。
mail:keikooikawa[at]me.com

及川プロフィール

ホテルメトロポリタン仙台イーストから、 香りのおもてなし誕生

|ホテルのコンセプトを香りで表現

2017年6月、仙台駅に東北のゲートウェイとしてオープンした「ホテルメトロポリタン仙台イースト」。
「東北六感 SENSE OF TOHOKU」をコンセプトに、東北ならではのおもてなしを目指しています。東北六感とは、6つの「○○感」を表現しています。

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<東北六感>
①ホテルへと向かう「期待感」
②土地の魅力である「風土感」
③お客様に寄り添う「まごころ感」
④スタイリッシュなホテルで味わう「非日常感」
⑤メトロポリタンブランドの「安心感」
⑥お客様とこれからもつながり続ける「予感」

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3階ロビーは青森の奥入瀬をイメージ

3階エントランスよりホテルに入ると、ふわり、と爽やかな香りが鼻をくすぐります。この香りこそが、「東北六感 SENSE OF TOHOKU」を表現したオリジナルアロマです。
このアロマの香りを考案したのは、アロマブランドデザイナーとして、アロマデザインやアロマを使った企業ブランディングを手がけている浜出理加さん。コンセプトの考案に携わった、ホテルメトロポリタン仙台の女性スタッフ武田あやさん、小島由佳子さんと共にお話を伺いました。

|スタッフ自らが、コンセプトを考案

「ホテルメトロポリタン仙台イースト」の開業にあたって、社内スタッフによるプロジェクトを立ち上げました。そこでは「どのようなホテルにしていきたいか」「お客様へのホスピタリティはどう表現するか」などについてメンバー自らが考え、実践していこうと取り組んできました。

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(左から)小島由佳子さん、浜出理加さん、武田あやさん

武田あやさん:さまざまな職種のスタッフにヒアリングを行い、お客様のチェックインからチェックアウトまでのストーリーを考えました。それが、「東北六感 SENSE OF TOHOKU」。
香りは記憶と直結しますから、お客様がまたここに来てくださったときに「帰ってきた」と思っていただけるよう、エントランスに香りのおもてなしをしたいと思いました。ただ、人工的な香りはコンセプトに合わないような気がしました。そこで、精油を使った香りをつくりたいと浜出さんに相談したんです。

|旅先の香りを持ち帰る―

こうしてプロジェクトメンバーは、浜出さんに香りのデザインを依頼することとなります。
そして、青森ヒバなど4種のアロマをブレンドしたこのオリジナルの香りは、宿泊者専用ラウンジと3階メインエントランスの他に3階、4階の化粧室に設置されました。

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青森の津軽びいどろを使用(4階化粧室)

浜出さん:青森の奥入瀬をイメージした空間に、どっしりとした東北の大地、そして雪の下に待っている春を表現しました。
小島さん:お客様からもとても好評です。すぐに「販売はしていないのですか。」とお問い合わせをいただきましたので、当ホテルのオリジナルグッズとしてディフューザーを販売させていただくことになりました。

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ホテルメトロポリタン仙台イースト フロントにて購入可能

旅先の思い出の香りを自宅に持ち帰るなんて、とても贅沢なおみやげ。今後、この「SENSE OF TOHOKU」が、日本のあちこちで香ったら、素敵だと思いませんか。

ホテルメトロポリタン仙台イースト

住所:宮城県仙台市青葉区中央1-1-1
TEL:022-268-2525(代表)
URL:https://east-sendai.metropolitan.jp/

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株式会社グリーディー 浜出 理加

17年間女性下着メーカー「ピーチ・ジョン」にて商品企画をはじめ、マーケティングを担当。2017年独立後、ホテルメトロポリタン仙台イーストの香りデザインをプロデュース。
他にも三陸石鹸工房KURIYAのブランドアドバイザーとして商品開発をはじめ多数実績あり。
自身も手作り石けんやアロマデザイン、オイル美容のワークショップを開催している。
URL:https://www.greedyweb.com/

浜出さんプロフィール

12月の東北地元ごはん「お正月はワンプレートおせち」

伝統的な和食って、知っているようで知らないものですよね。
特に盛りつけが難しい。実際にやってみると、バランスがうまくとれません。

以前、海外からのお客さまに「生姜をどうして『はじかみ』と呼ぶことがあるの?」とたずねられて、答えられなかった苦い思い出があります。すぐに料理の本を買って、必死に勉強をしました。
もう、そのお客さまと会うことはないかもしれないけれど、日本人として、すらすら説明したかったな。

ワンプレートおせち03

和食の盛りつけの美しさは「和」の文字の意味そのものだと思います。
調和、そして融合。
小さなあしらいひとつにも手をかけ、心をこめた料理を出せば、お客さまも喜んでくれるはず。
お正月は代表的な和食「おせち」料理をワンプレートにして盛りつけよう。

ワンプレートおせち02

10月東北地元ごはんライン

おせち_まろん

大きく見事な「善兵衛栗マロングラッセ」は、そのままでも十分迫力があります。さらに、おめでたい雰囲気を出すために、ちょこんと金箔を飾ってみました。

おせち_あなご

「宮城県三陸産煮真あなご一尾つくり」はひと手間かけて、「煮穴子のテリーヌ」にします。トマトピューレで紅白に染めて、添付のタレをソースにします。

おせち_しずく

おせちに欠かせないのがかまぼこです。丸くてかわいい「みやぎの雫」を4等分して並び替えれば、市松模様に。

おせち_むすー

「ミガキイチゴ・ムスー」

新年はスパークリングワイン「ミガキイチゴ・ムスー」で乾杯。やや辛口仕上げの味わいはおせち料理とも相性が良く、ついつい飲みすぎてしまいそう。

「煮穴子のテリーヌ」のつくり方

ワンプレートおせち01

<用意するもの>
パウンド型1本分

<材料>
煮穴子 2パック
ホタテ貝柱(刺身用)280g
生クリーム 200cc
卵1個、塩9g、トマトピューレ大さじ1

【つくり方】
1.煮穴子は表面の水分をふきとっておく。パウンド型にラップをしきつめ、オーブンは180度に熱しておく。
2.ホタテ貝柱は4つに切り、フードプロセッサーにざっとかける。生クリーム、卵、塩を加えてなめらかになるまでよく撹拌する。
3.半量をボウルに取り出し、トマトピューレを加えて色をつける。
4.パウンド型にクッキングシートをしいて煮穴子を1枚乗せ、トマトピューレ入りの生地を平らに流し入れる。さらに穴子をしき、残りの生地を入れて平らにならす。
5.深めのバットに2~3枚重ねたキッチンペーパーをしき、その上にパウンド型を乗せ、バットに湯をはってから天板ごとオーブンに入れる。湯煎の状態で1時間火を通す。オーブンから取り出し、十分冷やしてからキッチンペーパーを外す。切り分けて盛りつけ、煮穴子のタレを添える。

料理教室「紫山のごはん会」主宰
フードクリエイター 佐藤千夏

2002年より創作料理の教室を自宅で開催、素材を活かしたシンプルなレシピとセンスあるテーブルコーディネートが話題に。ほかに商品開発やセミナー講師、料理写真スタイリングなどで活躍中。
HP http://www.mgohankai.info

佐藤 千夏

撮影・デザイン/Pontic 渡邉樹恵子

女性らしさ、主婦的感覚を活かしたデザインを心がけています。 商品開発、パッケージ、撮影、販促ツール等、ワンストップで承ります。
MAIL:kie_pontic@me.com

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スウェーデンのていねいな暮らしを仙台に「Bjork(ビヨルク)」

オンラインショップ「Bjork(ビヨルク)」をご存じですか?素朴で温かみのある北欧雑貨がとても素敵で、いつまでも眺めてしまいます。過去には仙台にカフェと店舗が存在していた「Bjork」。現在、どんな活動をしているのか気になり、オーナーの菅野美貴さんにお話を伺いました。

「Bjork(ビヨルク)」instagram

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オーナーの菅野美貴さん

―「Bjork」を始めたきっかけはなんですか?

主人の仕事関係でスウェーデンに1年間、子どもと3人で暮らすことになったんです。行く前は、漠然と「何か好きなものが見つかればいいな。」と思っていました。元々、スティックリンドメリーというスウェーデンのデザイナーさんが好きで、アンティーク家具を集めたりしていました。偶然好きなものがある場所に行くことができて、嬉しかったですね。過ごしているうちに、人の出会いだったり、物との出会いだったり、実際の蚤の市の風景だったり、が一つになってきました。たまたま、訪れたアンティークショップが休みで、隣にあった白樺細工の工房に立ち寄って感動したことも運命を感じました。
また、北欧は女性の社会進出が世界でトップクラスなので、子育て支援もしっかりしています。女性が、働きやすい環境で輝いている姿を見てきました。日本でも、女性が自分らしく生きることをお伝えすることができたらと思いました。

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―スウェーデンでの暮らしが転機となって、「Bjork」につながるんですね。

「Bjork」はスウェーデン語で白樺っていう意味なんですよ。白樺は北欧全土に広がる1番暮らしに根づいている樹木。物がない時代には、白樺の木の皮をはいで、靴や帽子など衣類から食器やお鍋まで作っていました。その、暮らしに根づいた伝統工芸品から、素朴さや背景を知ることができました。また、「ていねいな暮らしや物を大事にする文化を伝えたいな」と思って、白樺細工を扱うオンラインショップを始めました。
白樺細工って木だから長持ちしない、と思う方も多いんです。でも、メンテナンスしながら使えば、100年~200年孫の代まで使えるんですよ。家族の歴史が詰まったものをすごく愛しているところが素敵ですよね。消費税が25%なので、物が買いにくいということもあります。でも、次の代に残せるような「いいもの」を買う習慣があって、簡単に捨てない。それがていねいな暮らしなのかなと思っています。「北欧」=「きれいなおうち」というわけではなくて、暮らし方がていねいなんです。

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―「Bjork」の活動スタイルもスウェーデンの影響を受けているんですか?

北欧の人たちは家族を大切にする国、残業もなく、子どものことは第一優先に考えています。職場全体がそういう雰囲気で、誰もとがめることはありません。
ビヨルクもそういう職場にしていきたいと思っています。春夏冬と長期休暇もしっかりとって、子どもの成長によりそった仕事のスタイルというものを心がけています。家庭も仕事も楽しむ北欧スタイルの活動をメンバーにも推奨しています。

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―仙台とスウェーデンって、共通点があるんですか?

北欧の町並みは高い建物が少なくて、とても仙台と似ているんです。人柄もシャイで温厚なところが共感できます。また、日本の東北でアケビやブドウの「かご」があるように、北欧にも白樺やネヅの木、モミの木などでつくられた「かご」があります。そういうつながりがおもしろいと思いましたし、縁を感じましたね。知っている国に来たような気分になると思いますよ。

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―今後の目標を教えてください。

カフェや店舗経営など、やりたいことは一通りやりきった気がします。それに、今を楽しんでいるので大きな目標は掲げていません。いい点も悪い点もどちらも経験して、無理のない「自分のスタイル」がわかりました。その結果、オンラインショップ・イベント・北欧の暮らしを伝える活動に絞ることにできました。「Bjork」という活動を続けていくことが、今の私にとって1番大切なのだと思います。その中で、新しいこと・もの・人との出会いは常に探していきたいです。
他には、フィンランド・リトアニア・ラトビア・ロシアの細工も素敵なので、もっと幅を広げたいです。民族のことももっと深く学び、その背景も含めて紹介していければいいですね。

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今回の取材は、仙台駅東口にある歯科医院「スウェーデンデンタル仙台」にスペースをお借りして行いました。歯を抜かず、生涯にわたってその維持をサポートするというスウェーデンの考え方に基づいた治療を行っているそうです。院内には菅野さんがコーディネートしたインテリアが並んでいますので、ぜひお立ち寄りください。

また、「Bjork(ビヨルク)」さんは12月8日から始まる「フィンランド+SENDAIクリスマスマーケット」にも参加予定。ホームページやインスタグラムもチェックしてみてくださいね。

フィンランド+SENDAIクリスマスマーケット 5DAYS

フィンランド独立100周年のメモリアルイヤーに、仙台駅前で初めてのクリスマスマーケットが開催。
フィンランド企業やフィンランドにちなんだショップ、作家のほか、仙台や首都圏のクリエイターのクリスマス作品や工芸品、お菓子やパン、ジャムなど、50個のブースが出展予定。

日程:2017年12月8日(金)~12日(火)
時間:10:00~21:00
会場:S-PAL + 仙台PARCO
URL:http://www.finland-sendai.net/

クリスマスマーケット告知

「Bjork(ビヨルク)」

ビヨルクロゴ

サンタの国「フィンランド」の伝統菓子で北欧風クリスマス

日本のクリスマスといえば、たっぷりの生クリームケーキにチキンいうイメージ。
フィンランドではホットワインの「クロッギ」を飲みながら、香辛料たっぷりのお菓子を食べて過ごします。
「フィンランド」は、サンタクロースが発祥した国として有名ですよね。

そんなフィンランドの伝統菓子をアレンジしたスイーツが、12月8日からの「フィンランド+SENDAIクリスマスマーケット」で販売されます。
一体、どんなお菓子があるのか、製作現場に潜入してきましたよ。

エウレカ_集合

|杜の都のスイーツ屋「エウレカスイーツ」

向かった場所は、仙台市地下鉄長町南駅から徒歩約5分にある「エウレカスイーツ」さん。
2017年10月にオープンし、どら焼きからケーキまでさまざまな種類のスイーツを取り扱っています。

エウレカ_店頭

店長の大島さんは関東で10年以上パティシエの経験を積み、奥さまの地元である仙台でお店を開きました。
「エウレカ」とはギリシャ語で「ひらめき」という意味なんだとか。
生活の中でちょっとした喜びとなり、ホッとする時間の手助けになるようなお菓子づくりを心がけているそうです。

エウレカ_大島さん

人気はモンブランの上にお花が咲いたような、かわいい見た目の「お花モンブラン」。箱を開けた瞬間に、思わず「かわいい!」と笑顔でいっぱいになるはず。
濃厚な栗のクリームが絶品で、子どもだけでなく大人の女性へのプレゼントにもぴったりです。

エウレカ_モンブラン

|フィンランドの伝統菓子をご紹介

12月8日からの「フィンランド+SENDAIクリスマスマーケット」で、エウレカスイーツさんが販売するお菓子は全部で4種類。ここからはフィンランドで7年半暮らした経験をお持ちで、クリスマスマーケットでトークもされるライティングデザインスタジオ LUMEの梅田さんのお話も交えながら、それぞれのお菓子について紹介していきます。

ピパルカック(ジンジャークッキー)

エウレカ_クッキー01

「ピパル」=「ペッパー」、「カック」=「クッキー」、という意味。
スパイスの効いたジンジャークッキーなんです。
お店でも販売されていますが、よく保育園のクリスマス行事で星の形のピパルカックを手づくりするそうですよ。

ヨウルトルットゥ(クリスマスのパイ)

エウレカ_パイ01

上に乗っているのは、プルーンを煮たジャムのようなもの。
お客さまが来たら、焼きたてのヨウルトルットゥに粉砂糖を振りかけてふるまいます。
この画像の他に、手裏剣のような形のものもあり、星のような形がクリスマスの雰囲気にぴったりですね。

コルヴァプースティ(シナモンロール)

エウレカ_シナモンロール01

こちらはクリスマスに限らず、フィンランドのカフェによく置いてあるのだとか。
映画の「かもめ食堂」でもシナモンロールが印象的ですよね。
現地では「カルダモン」というスパイスが大きな粒で入っており、シャリシャリした歯ごたえの大粒の砂糖が生地の上にのっているそう。

カリヤラン ピーラッカ(カレリア風パイ)

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ライ麦の生地に牛乳のおかゆがのった、不思議なお菓子。
日本で言う「おにぎり」のようなもので、スーパーで必ず売っているそう。
実際はもっとたくさんのバターの中に卵が入っており、温めたパイに塗って食べるとおいしいんだとか!
地域によって、にんじんなどの根菜をマッシュしたものだったりと違いはあるそうですが、フィンランドでもお米を食べていることにびっくりしました。

|おうちで簡単、ヨウルトルットゥのつくり方

市販の冷凍パイシートを使えば、簡単にヨウルトルットゥ(クリスマスパイ)がつくれるそうです!
今回はプルーンの代わりにジャムを使用したレシピをご紹介します。
エウレカスイーツの大島さんに教えていただきましたので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

<材料>
・冷凍パイシート
・ジャム

エウレカ_クリスマスパイ作り方

①冷凍パイシートを解凍したら、正方形に切ります。さらに、写真左上の図のように、内側に切り込みを入れます。

エウレカ_クリスマスパイ作り方02

②角をすべて中心に折ります。最後にジャムをのせて、オーブンで焼けば完成です。

|「フィンランド」の伝統菓子で北欧風クリスマスはいかがですか?

フィンランドのクリスマスは家族で静かに過ごすことが多いそうです。
クリスマスイヴの夜は公共交通機関も休みになり、次の日のお昼に教会へ出かけるのが一般的。
クリスマスの前には「ピックヨウル(小さいクリスマス)」という忘年会のようなものがあって、友達や職場の人と盛り上がるんだそう。

エウレカ_集合03

ご紹介した4種類のお菓子は「フィンランド+SENDAIクリスマスマーケット」で販売されます。
スパイスやホットワインで体を温めて、ゆったりとクリスマスの夜を過ごすのも素敵ですね。


エウレカスイーツ

  • 住所:〒982-0012 仙台市太白区長町南4-16-2-102
  • 営業時間:10:00~19:00
  • 定休日:月曜日(祝日の場合は営業、翌日が休み)
  • TEL:022-209-2692
  • URL:https://www.eureka-sweets.com/

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