写真の“完成度”は撮ったあとで決まる
光・構図・背景を意識して撮影できるようになったら、
次のステップは「撮影後の整え方」です。
最近のスマートフォンは高性能で、誰でも簡単にきれいな写真が撮れるようになりました。
しかし、撮影したままの状態では、色味や明るさがわずかに違って見えることがあります。
ほんの少しの調整を加えるだけで、印象は格段に洗練されます。
大切なのは“加工”ではなく“整える”こと。
見た人に「誠実さ」と「丁寧さ」を感じてもらうことが目的です。
本稿では、スマホでもすぐ実践できる補正と仕上げのコツを紹介します。
1. 撮影時の小さなコツ
—ズーム・角度・露出の調整で歪みを防ぐ
◎ズームを使って歪みを防ぐ
スマートフォンの標準レンズは広角寄り(約24〜35mm)なので、近づきすぎると被写体が歪んで見えます。少し離れて2倍程度にズームし、被写体を中央に捉えると形が自然になります。特にボトルや箱型商品は、真正面からズーム撮影すると“きちんと感”が出ます。
◎露出補正で明るさを調整
オート撮影では、白い商品が暗く写ったり、黒い商品が明るく飛んだりすることがあります。撮影時に画面をタップして明るさスライダーを上げ下げし、自然な明るさに整えましょう。理想は「白が白く、影が柔らかく見える程度」です。
スマホ撮影時のズーム距離と露出補正操作例
「少し離れてズーム。明るさは“白が白く見える”程度に」
2. 色味を整える
—ホワイトバランスで印象が変わる
写真が青っぽい、または黄っぽいと感じたことはありませんか?
これはホワイトバランス(色温度)の影響です。
自然光のもとでは「太陽光」設定が最も安定します。室内照明では、蛍光灯下なら“クールトーン”、電球色なら“ウォームトーン”が適しています。スマートフォンでも「WB(ホワイトバランス)」を設定できる機種が多いので、まずは「太陽マーク」や「電球マーク」を試してみましょう。
撮影後に色が偏ってしまった場合は、編集アプリで“色温度”を少し調整します。青みを減らすと温かく、黄みを抑えると清潔感が出ます。自然な色味=信頼感のある写真、という意識を持ちましょう。
ホワイトバランスの違いによる印象比較(青っぽい/自然/黄っぽい)
「色温度を整えるだけで印象が大きく変わる」
3. 撮影後の“整え方”
—アプリでの補正は最小限に
最近はスマホ純正アプリでも、高度な編集が可能になっています。ただし、加工しすぎると実物との差が生じ、ブランドの信頼を損ねることがあります。「整える」を基本に、次の3ステップを心がけてください。
◎ステップ1:明るさとコントラスト
まずは全体を明るくし、影の部分を軽く持ち上げます。コントラストは上げすぎないこと。自然光の柔らかさを保つと、上質な雰囲気になります。
◎ステップ2:彩度と色温度
彩度は「+5」程度まで。強すぎると人工的に見えます。色温度は撮影環境に合わせて微調整。 白が黄ばんで見えたらややクール寄りに、全体が冷たく感じたら少しウォーム寄りに。
◎ステップ3:トリミングと整列
被写体を中央や三分割線上に合わせてトリミングします。少し傾いた写真をまっすぐ整えるだけで印象が引き締まります。背景の余白を生かすと、SNSでも上質に見えます。
補正3ステップのイメージ(明るさ→色温度→トリミング)
「“加工”ではなく“整える”。自然な仕上がりが信頼をつくる」
4. トーンを統一して“ブランド感”を高める
撮影と補正を重ねていくうちに、ブランドの「色調(トーン)」が見えてきます。ナチュラルで柔らかい、明るくポップ、クールでシック——どの方向性でも構いません。大切なのは、発信全体でトーンを統一することです。
Instagramのフィードを一覧で見たときに、明るさや色味が揃っていると、それだけでプロらしい印象になります。
商品のバリエーションが多い場合でも、「光の向き」や「背景トーン」を統一するだけで、ブランドとしての一貫性が生まれます。
これはデザインでも同じ考え方です。“揃っている”ことが、見る人に安心感を与え、信頼へとつながります。
トーンを揃えたSNS投稿フィードのイメージ
「明るさと色味の統一が、ブランドの信頼感をつくる」
おわりに
3回にわたって、写真の「撮り方」と「整え方」を紹介してきました。写真は、単なる販促素材ではなく、ブランドの人格を表すビジュアルです。光を読み、構図を設計し、背景を整え、そして仕上げを丁寧に行う。
その積み重ねが“伝わる写真”をつくります。
特別な機材がなくても、工夫と観察力で十分に美しい写真は撮れます。
何よりも大切なのは、「この商品をどう見せたいか」を考えながら撮ることです。
それが、ブランドの世界観を伝える最初の一歩になります。
今日からぜひ、身近な光とスマートフォンで、
あなたのブランドらしい写真づくりを始めてみてください。
相談予約は電話またはフォームで承ります。
デザイナー
渡邉 樹恵子
デザインを通してビジネスを応援!商品開発の全体のディレクションから、パッケージや販促ツールの企画・発注まで、ワンストップでお手伝いします。写真スキルを生かしたデザインの提案も好評です。
