「印象」を決めるのは、機材よりも“基本”
「スマートフォンで撮っても、なんだか印象が暗い」
「実物よりくすんで見えてしまう」
そんな経験はありませんか?
実は、写真の仕上がりを左右するのはカメラの性能ではなく、
“光” “構図” “背景” という3つの基本です。
この3つが整うと、同じ商品でもまるでプロが撮ったような印象に変わります。
本稿では、日常的な撮影環境で実践できる「印象アップの3ポイント」をご紹介します。
1. 光を味方にする
—ライティングは“雰囲気”をつくる最強のツール
写真で最も大切なのは「光」です。
高価な照明機材がなくても、自然光をうまく利用すれば、柔らかく美しい写真が撮れます。
◎おすすめは午前中の窓際
- 東向きまたは南向きの窓際で、午前10時前後が理想。
- レースのカーテン越しに入る光はやわらかく、商品の質感をきれいに見せてくれます。
- 晴天の直射日光は影が強くなりがち。薄曇りの日がベストコンディションです。
◎影の調整は「レフ板」で
被写体の反対側に白い厚紙やスチレンボードを立てると、光が反射して影がやわらぎます。 レフ板がなくても、白い段ボールやコピー用紙で代用できます。 光が全体に“まわる”だけで、商品の印象は驚くほど変わります。
自然光撮影の配置例(窓/被写体/レフ板/カメラ)
「窓際の自然光+白レフ板で、やわらかい陰影をつくる」
2. 構図で“伝わり方”を整える
—視線を導くフレーミングの基本
構図は「どこに何を置くか」のデザインです。
SNSでは一瞬で判断されるため、バランスの良い構図が伝わりやすさを左右します。
◎三分割法
画面を縦横3分割して、その交点や線上に主役を置く方法です。 自然に視線が流れ、安定した印象になります。 背景や小物を使う場合も、この法則を意識すると整った印象に。
◎日の丸構図
主役を中央に配置するオーソドックスな構図。 Instagramの正方形トリミングにも相性が良く、プロダクトカットに最適です。
◎対角線構図
被写体を画面の対角に沿って配置する方法です。
複数のアイテムを撮るときに立体感や奥行きが出やすくなります。
構図を決めるときは、「見てほしい場所に視線を誘導する」意識を持つこと。
“伝わる写真”は、偶然ではなく意図の積み重ねでつくられます。
構図3パターン比較(三分割・日の丸・対角線)
「構図を意識するだけで、写真に安定感と奥行きが生まれる」
3. 背景を整える
—「余白」と「整理」がプロ感をつくる
どんなに被写体が良くても、背景がごちゃごちゃしていると印象は一気に下がります。
背景は“空間の引き算”。シンプルに整えるほど、主役が引き立ちます。
◎背景素材の選び方
白の模造紙や布:最も万能。明るく清潔な印象。
木目やコンクリート調の壁紙:温かみやナチュラル感を出したいとき。
布やランチョンマット:食べ物・雑貨におすすめ。
素材はシワが出ないように軽く貼り、背景と床をなめらかにつなげます。
壁紙シートやホームセンターの端材も、撮影用に使いやすいアイテムです。
◎背景の演出
イメージカットでは、あえて背景を少しぼかして奥行きを出すのがポイントです。
小物は「1〜2点まで」に絞りましょう。たくさん並べると焦点がぼやけます。
また、余白を残すことで、商品そのものの世界観が引き立ちます。
白背景のシンプル構成/木目背景での温かいイメージ構成
「背景を整えるだけで“高見え”に。余白がブランドの呼吸をつくる」
撮影環境は「整えること」から
プロの撮影現場でも、重要なのは機材より環境です。
テーブル・窓・白紙・自然光——この4つが揃えば、十分に美しい写真が撮れます。
三脚があれば構図を固定できるので、商品や小物の位置を微調整しやすくなります。
撮影場所を一度決めておくと、いつ撮っても統一感のある写真になります。
ブランドとしての「見せ方の軸」をつくることができるでしょう。
テーブル+窓+白紙のシンプルな撮影セット
「光・構図・背景が整えば、プロ並みの仕上がりに」
おわりに
撮影の上手さとは、センスではなく“整える力” です。
光を読む、構図を設計する、背景を整理する。
この3つの視点を持つだけで、どんな商品も自然と輝き始めます。
第1回で触れた「写真の目的」を意識しながら、今回紹介した3つの基本を組み合わせてみてください。
明るさや構図を少し変えるだけで、ブランド全体の印象が見違えるはずです。
次回は最終回として、「スマホでもできる!撮影後の整え方」をテーマに、
露出補正・ホワイトバランス・アプリでの仕上げテクニックを紹介します。
“加工ではなく整える”という発想で、写真の完成度をさらに高めていきましょう。
相談予約は電話またはフォームで承ります。
デザイナー
渡邉 樹恵子
デザインを通してビジネスを応援!商品開発の全体のディレクションから、パッケージや販促ツールの企画・発注まで、ワンストップでお手伝いします。写真スキルを生かしたデザインの提案も好評です。
