山長 小野寺商店
「気仙沼海ごはん 海のもと」

2019年1月25日

山長 小野寺商店は、仙台市産業振興事業団が主催する新東北みやげコンテスト受賞企業です。
港町・気仙沼の新鮮な海の幸を取り揃え、食卓に届けています。

第2回「気仙沼海ごはん 海のもと」特別賞受賞


小野寺商店様①

日本屈指の港町・気仙沼市。
ここで、厳選した海の幸を販売しているのが、「山長 小野寺商店」です。
「主人が3代目なんです。このお店は主人のおばあさんがリヤカーを引いて行商していたのが始まりなんですよ」と話すのは、小野寺由美子さん。

小野寺商店様②
「新東北みやげコンテスト」で特別賞を受賞した「海のもと」の生みの親です。


 山長小野寺商店も、東日本大震災によって、大きな被害を受けました。
それまで卸中心だった商いを、小売りへと変更。
「今までの生き方ではダメだ、って思ったんです。それで仮設店舗で小売りを始めました。それこそ、震災のすぐ後は、たくさんの方たちが応援に来てくれて、商品も買って行ってくれました。でも、そんな状態がずっと続くわけはないし、自社商品がなかったら生き残れない!って」。
商品開発の経験がない由美子さん。「でも、宮城は米どころだし、海のものをふりかけにしたら受けるんじゃないかと思ったんです。それに、常温で軽くて持ち帰りやすいものなら、お土産としてもいいと思ったんですよね」。

小野寺商店様③

 そこで由美子さんは、仙台市産業振興事業団や創業スクエアの協力を仰ぐことにしました。
「フードコーディネーターさんから助言をいただいたりしたんですけど、なかなか決まらなくて…。魚がいいかなとか、海藻がいいかな…とか、アパートの台所で試作の日々で(笑)。結局、海藻をふりかけにしようということでできたのが『海ごはん』という商品です。自社商品をつくろう!って決めてから1年経っちゃいました」。

小野寺商店様④

 その後、パッケージデザインをデザイナーに依頼。「デザイナーさんと一緒に仕事をしたことがなかったのですが、やっぱりプロの方はすごいんだなと思いました。気仙沼らしいシンプルなパッケージで、すごく気に入りました」。

小野寺商店様⑤

「海ごはん」に続き、さらに商品開発を進めていった由美子さん。
「乾物って買っても使いきれない…という声を聞いて、じゃあ、使いきりの個別包装のものもつくろう!と。それが、『海のもと』なんです」。

小野寺商店様⑥

 ふのり、わかめ、とろろ昆布を小さな使い切りパックにしたことで、いつもの料理にひと手間加えたり、ちょっと味のアクセントがほしいときのアイテムになりました。
「ご紹介いただいた商品開発のプロの方と、サラダのトッピングにしてみたり、カップラーメンに加えてみたり。いろいろ使えて、便利だなって自分でも思っちゃいました」と、屈託なく由美子さんは笑います。

小野寺商店様⑦

 「自分たちでつくり出した商品は我が子のようですね。この商品をきっかけにスーパーマーケットトレードショーにも参加したんです。もちろん、営業も初めてで。でも、この経験を通して、モノの見方が大きく変わりました。それに、新東北みやげコンテストで賞までいただけて、うれしい限りです」。

小野寺商店様⑧

 自ら商品を開発し、営業に回り、店も切り盛りする由美子さん。実は、東京出身で嫁いでくるまで気仙沼には縁がなかったのだとか。
「だからこそ、気仙沼の海のものがおいしくて、素晴らしいかわかる部分もあると思うんです。これからもいいものを全国のみなさんに届けていきたいです」。

 そんな由美子さんに今後の目標を聞いてみました。
「春夏秋冬、4種類のふりかけをつくりたいんです。秋はサンマ、冬は大島のゆず…とか。大人のふりかけをつくって、ギフトにしたいんですよね」。

 今やすっかり港町の女将さんとなった由美子さん。
愛らしい笑顔と、おいしい海の幸でこれからもたくさんの人に幸せを届けていくことでしょう。




山長 小野寺商店

住所:〒988-0066 宮城県気仙沼市東新城1-7-5
TEL:0226-22-1816
URL:https://www.k-yamachou.com/

yamacho

撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャルのほか、広告、雑誌、ウェブなど幅広く手掛けている。

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