よいみせ│鯛きち

2021年4月5日

菓子卸から、「たい焼き屋」への転身



仙台市民にはおなじみの、たい焼き専門店「鯛きち」。名掛丁本店、駅前店、そして木町店の3店舗を展開し、老若男女問わず愛されている仙台の名店です。
コロナ禍で規模の大小を問わず飲食業界が打撃を受ける中、2021年2月、「鯛きち」はこれまでにない取り組みを始めました。それがECサイトのオープンです。この新たな挑戦について、代表取締役社長の中津陽子さんにお話しを伺いました。




「鯛きち」のオープンは、2007年。本店である名掛丁が一号店です。
「うちはもともと、お菓子の卸売りをしていたんです。現会長が『いつか飲食店をやりたい』という夢を持っていたのですが、やろうと思っても、業界に精通しているわけではない。そんな中、商売柄お付き合いのあった製粉メーカーさんに『たい焼き屋なら社長でもできるんじゃない?』という一言をもらって。難しい料理を提供するというより、もともとのお菓子に近い部分でたい焼きをやろう!となったんですよ」と、陽子さんは教えてくれました。
オープン当初は、製粉メーカーから仕入れた粉で作ったたい焼きを提供していましたが、「そのうち、自分たちで出したい味というのが出てきたんですよね。あとは、どうしても焼きたてをお客さまに召し上がっていただきたいので、商品を出すのに時間管理を行っています。ある程度時間がたったものは下げて、また新しく焼き直すようにしています」(拓也さん)。
こうした細やかな顧客サービスとそもそものたい焼きのおいしさで、「鯛きち」は仙台に欠かせない名店となったのでした。


待っていてもお客さまは来ない。
もっと商品を広くお届けしよう_



2020年、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言や「新しい生活様式」によって日本中の飲食店が大きな打撃を受ける中、「鯛きち」もその例外ではありませんでした。「『待っているだけではお客さまは来ない、もっと広くお届けできるようにしよう』ということで、ECサイトに本格的に着手しました。それまでも、百貨店の催事などで出店し『お取り寄せで買いたい』と言われることもあって、やらなくちゃ、やらなくちゃ…とは思っていたのですが、忙しさにかまけていまして…(苦笑)」(拓也さん)。

ECサイトで販売するたい焼きは、お店で作っているものを急速冷凍。「急速冷凍なら、味が変わらないんです。さまざまなメーカーさんのものを貯めさせていただいて、決めました」(陽子さん)。
今後は、ギフト需要なども見据え「地元の食材を使ったたい焼きも作ってみたいですね」と話す陽子さん。さらに「いずれは、子どもたちがたい焼きを焼く楽しさを経験できるような場所を作りたい。夢物語ならいっぱいあるんです」と笑います。


「たい焼き」という日本人にとってのソウルフードで、この先「鯛きち」がどのような成長を見せてくれるのか、期待がふくらみます。





鯛きち

所在地:〒980-0021 仙台市青葉区中央2-1-30 須田ビル4F(名掛丁本店)
TEL:022-722-2155 FAX:022-722-2150
URL:https://taiankichijitsu.com/pc/