よいみせ│燦燦園ベリープラネット

仙台市若林区上飯田にある「ベリープラネット 燦燦園農園」。
県南の山元町でいちごを育て、直売している「いちご屋 燦燦園」が、仙台市内でいちご狩りを楽しむことができる場所として、2024年にオープンした施設です。敷地内には、いちごスイーツのカフェ「甘熟いちご屋 燦燦園 ハーベストビレッジ店」もあり、毎日多くのお客さまでにぎわいます。
写真:「ベリープラネット 燦燦園農園」社長の深沼陽一さん
燦燦園の社長である深沼陽一さんは、両親がいちごを育ててきたのを幼いころから見てきました。
「うちの母と父がいちごの直売でお客さんに本当に喜んでもらっているのを見て育ちました。そのときは当たり前に思っていたけれど、それってすごいことだった。震災で(山元町の)ハウスが流されてしまってから、ずっと(燦燦園の前身である)深沼農園の直売所をつくりたいという夢が強くあって、山元町で細々と直売所を再開させました。そして東京の浅草や神奈川の鎌倉で店をオープンさせて、毎日忙しくバタバタしている中、仙台市の方とこの商業施設をつくるという方々から、『仙台で、いちごを楽しめる場所をつくりませんか』とお話をいただいたのが、この場所が生まれたきっかけです。そこからいろいろあって、一時は『もう無理かな…』と思ったこともありましたが、無時にオープンすることができました。今年でいちご狩りは2期目になります」
写真:いちご狩りと直売所、さらにはさつまいもの詰め放題が楽しめる「燦燦園 ベリープラネット」
写真:敷地内には、カフェも併設。2026年3月には同じ商業施設内に「MUJI」もオープンするので、ますますにぎやかになりそう
燦燦園の大きな特長は、品種のよさを最大限に引き出す技術力。コンピューターで温度や湿度を管理し、これまで経験則だったいちごの生育を数字で“見える化”。これまで人の手に頼ってきた家庭を、ある程度オートメーション化して効率よく生育できるようにしました。
しかし、そのおいしさの秘訣は、燦燦園だからこそ。「深沼さんのいちごは他とは違うよね」といわれる、その秘密は何なのでしょうか。
写真:全部で50Rあるというハウスでは、計6種類のいちごを育てています
「両親が直売所をやっていて、そこで売ったいちごがおいしくなかったらお客さまから『おいしくない』って言われちゃう。震災の10年も前から客商売として直売をやっていたのが一番の強みかな、と。糖度を上げるためには…とか、味を濃くするためには…とかおいしくするための研究をして、さらに完熟で販売する。今の日本では、完熟だと棚持ちが悪いので、なかなか流通が難しい。でも、直売所なら朝採れのいちごを並べることができます。だから燦燦園は直売にこだわっているんです」
写真:朝採れのいちごが並ぶ直売所。三重県が開発した品種「かおり野」は、宮城ではとても希少な品種。ジューシーで甘くて美味でした!
今後の展望について伺いました。
「いちご狩りをやりながら、直売、流通、そしていちごを主とした六次化を進めていきたいです。隣接するレストランにしてもそうですけれど、いちごで楽しんでもらうのが一番。そして、いちご屋として、もっとやれることがあると思っているので、いちご狩りもほかにはできない、うちならではコンテンツを加えていこうと考えています。そのひとつが、ドッグランでワンちゃんと一緒にいちご狩りができるもの。以前開催してみたところ、とても評判がよくて。今でもお客さまから問い合わせがあるんですよ」
写真:他企業との協働で、いろいろなイベントも仕掛けていきたいという深沼さん
さらに、深沼さんは食育にも力を入れていきたいと話します。
「子どもたちに、土をポットにいれるところからやってもらって、苗を植えて、肥料と水をやる…。そのポットは持ち帰ってもいいし、うちでお預かりしてもいい。『いちごがこうやって育っていくんだよ』っていうのを見てほしいなと考えています」
写真:カフェのメニューも充実。スイーツだけでなく、ランチメニューも楽しめます
写真:ボリューミーなランチメニューは、男性でも満足の一品
燦燦園という名前は、農業には欠かせない太陽のSUNと、深沼さんの陽一のSUN、そして深沼さんのお母さまが大好きだったという、美空ひばりさんの歌「愛、燦燦」から。
「『私が死んだら、葬式で流してほしい』というくらい好きだったんですよ。燦燦園をつくる前に母は亡くなったんですが、どのくらいの規模で葬式あげたらいいのか分からなかった。だから、とりあえず一番大きな会場を抑えたんですね。そうしたら、その部屋に入りきらないほどの方たちがお別れに来てくれて。会場でずっと流れていた『愛燦燦』を聞いて、参列してくださった方たちが『燦燦しかないだろ』って(笑)。それで燦燦園になりました」
写真:話題の「白いいちご」も育てています
深沼さんの両親が燦燦と愛を注ぎ、手塩にかけて育ててきたいちご。
その技と味は、次世代に受け継がれ、多くの人たちを笑顔にし続けています。

