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海外見本市に出展してみよう!|コラム#43

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  • 販路開拓・販売促進
  • 新商品開発・新事業展開

2025.08.18

こんにちは。海外展開支援担当の三沢です。

私はオーエンで、海外の市場調査や販路開拓のお手伝いをさせて頂いています。今回は、台湾の総合食品見本市「FOOD TAIPEI 2025」を例に、海外見本市への出展についてお伝えします。

 

Made in Japanの底力

近年の円安進行やインバウンド需要の高まりを受け、国内市場が成熟化する中で、海外市場に目を向けられている事業者さまが増えてきています。特に食品市場は勢いがあり、海外の日本食人気はまだまだ衰え知らずです。日本産品の品質は評価が高く、伝統工芸品など日本らしさが特徴的なアイテムも引き合いが強くなってきています。
海外販路開拓の一手として、国際見本市への参加は有効手段の一つと言われていますが、実際に出展する際はどのような準備が必要になるのでしょうか。

 

出展に向けた準備

国内外の開催にかかわらず、一般的に見本市では新規顧客の発掘、販売促進、テストマーケティング、市場調査、情報収集など、幅広い活動を行うことができます。多くの企業が一堂に会するイベントですので、一社一社個別に訪問するよりも効率良く商談できるのがメリットです。また、継続出展することにより知名度向上に繋がり、ブランディング面でも効果を発揮します。

一方で、ただ出展するだけでは大きな成果は得られません。事前の準備が非常に重要です。特に海外見本市では、現地の人に向けた情報発信がポイントとなりますので、現地語に翻訳した販促物(企業・商品紹介のパンフレットなど)や通訳の手配が必要です。会場内で配る名刺も、英語や中国語で表記したものを準備することをオススメしています。

展示商品の手配については、事前の国際輸送または渡航時のハンドキャリーで対応される方が多いのですが、サンプルが食品の場合は、冷蔵・冷凍の温度管理にも気を配る必要があり、生鮮品を出品される方はいつもご苦労されています。
加えて、出展ブース内で使用する什器や備品も手配する必要があります。試食提供を目的とした調理を行う場合は、調理器具などを使用するための電源手配も必要です。展示ブースは見栄え良く装飾しますが、ディスプレイ業務を全て海外業者に依頼する場合、言語対応など困難を伴います。

 

オーエン主催イベント

ここまでお伝えすると、「海外出展は難しそうだな…」と感じられる方が少なくないと思いますが、最近は、海外進出に係る補助金・助成金を活用できるケースがあり、費用負担を抑えながら手配を進められる事例が増えてきています。
仙台市産業振興事業団(オーエン運営団体)では、例年、様々な分野の国内外見本市に出展し、参加者の皆さまの販路開拓のお手伝いをさせて頂いております。ブースの装飾やレンタル備品の手配、販促物の制作は当事業団でも行い、参加者負担をできる限り軽減できるようサポートさせて頂いております。
オーエン相談窓口では展示会出展経験が豊富な職員や専門家が在籍しておりますので、お一人おひとりのご相談・お悩みにあわせてアドバイスをさせて頂きます。

2025年6月25~28日に台北市内の南港展覧館で開催された「FOOD TAIPEI 2025」JETROジャパンパビリオンに出展し、当事業団でも台湾語のパンフレットを制作しました(写真左上参照)。

 

台湾の食品市場

2024年の1年間、日本から台湾への農林水産物・食品輸出額は1,703億円で、前年比11.1%増となりました。国・地域別では前年より順位を一つ上げて、米国、香港、に次ぐ世界第3位となりました。

農林水産省統計情報

「FOOD TAIPEI 2025」では、会期4日間で84を超える国・地域から計4万7,439人が来場しました(主催者TAITRA発表)。本見本市は台湾産食品のPRを主目的としていますが、海外事業者の出展も非常に多く、世界各国から台湾進出を目指す事業者が参加しました。

新しい仕入先や新商品発掘のため海外バイヤーも多数来場し、今年の上位5カ国には米国、マレーシア、フィリピンなどのバイヤーが入りました。海外見本市は国際色豊かな大型イベントに成長し、今や開催国・地域のみならず、世界各国のバイヤーと商談する機会が生まれる場となっています。

 

オーエン相談窓口

相談窓口でお話を伺っていると、「海外の方と商談をするのは、通訳がいたとしても緊張する…」といったご不安の声を聞くことがありますが、輸出商談に臨む際は決して身構える必要はありません。むしろ、外国人の方がコミュニケーションはフランクです。会社概要の説明や商品紹介を口頭で正確にできなかったとしても、事前に用意しておいたPR資料があれば十分に伝わりますし、展示ブースを訪問してくれた方々の反応や商品に関する感想を情報収集するだけでも有益なマーケットリサーチの機会となります。

海外関連事業は様々な支援機関で実施していますので、少しでも関心のある方は是非一度ご検討いただけたらと思います。相談窓口にて関連事業、補助金・助成金に関する情報提供もさせて頂きますので、「どこに聞いたらいいか分からない…」という方は、まずはオーエンにお問い合わせください。

 

まとめ

東北地方には、海外で知られていない高品質な商品や美味しい食べ物がまだまだたくさんあります。外国へ行くと、日本独自の文化や長年継承されてきた伝統技術について見方が変わったり、新しい視点が生まれることがありますが、こういった気付きは日本に居るとなかなか感じ取れないものです。
海外出張や輸出への取り組みは、ハードルが高いと思われがちですが、国際見本市の視察や出展を契機に、日本と海外のマーケットの違いや魅力を感じていただけるきっかけになればと思っております。

少しでも気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください!

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三沢 奈保子

海外展開支援アドバイザー

三沢 奈保子

海外販路開拓を応援!各国・地域のマーケット情報や輸入規制、貿易手続き、越境EC、海外バイヤーとのやり取りなど、一つ一つ丁寧にアドバイスします。