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データでみる兼業・副業~働く人のリアル~|コラム #16

  • 人事労務・採用育成

2020.12.16

こんにちは。人材確保支援課です。
現在、兼業・副業をテーマにしたウェビナー「宮城ケンミン100人にききました 兼業・副業~働く人のリアル~」の配信を行っております。

皆さまには動画と併せて、本コラムもお読みいただければと思います。

いまや兼業・副業は企業選択の重要な要素

新型コロナウィルス感染拡大の影響や働き方改革の浸透によって、兼業や副業で働くことへの関心が高まっています。

弊財団の職業紹介サービスをご利用いただいている学生や求職者からも、求人企業の働き方改革や兼業・副業への取り組みについて確認されることが多くなりました。また先日、UIJターンを検討している首都圏にお住まいの方からも「仙台で本業をしながら、今の東京の仕事は副業として続けたい」というご相談がありました。働く側にとって、兼業・副業はもはや企業選択をする際の一つの基準となっていることが伺えます。

ちなみに、「兼業」は複数の仕事を同時に行っている、「副業」は本業の他にも仕事をしている、というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。しかし、実際には、兼業・副業に法律上の定義はなく、明確な違いがあるわけではありません。

どれくらいの人が兼業・副業をしている?

では、実際に兼業・副業をしている人はどのくらいいるのでしょうか。

令和2年7月に労働政策審議会安全衛生分科会にて行われた調査結果を見ると、兼業・副業者は全体の9.7%と1割程度となっています。コロナ禍前の調査のため、現在はこれよりも高くなっている可能性があります。最近では兼業・副業をしている人の割合が4割を超える調査もありました。

兼業・副業をしている方の割合

(出所)「R2.副業・兼業に係る実態把握の内容等について_労働政策審議会安全衛生分科会」をもとに作成

また、兼業・副業をしている方を就業形態別に見ると、「フリーランス」が29.8%と最も多く、「正社員」は5.9%となっています。兼業・副業は組織へ所属の有無や雇用形態と大きく関わりがあるようです。

兼業・副業をしている方はフリーランスが最も多い

(出所)「R2.副業・兼業に係る実態把握の内容等について_労働政策審議会安全衛生分科会」をもとに作成

兼業・副業の仕事内容は?

リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」をみると、兼業・副業の仕事内容は本業の雇用形態に限らず「アンケート回答」が多くなっています。

兼業・副業をしている方の割合

(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」をもとに作成

ハードルが低いという点で取り組みやすいのかもしれません。そして、接客や軽作業が続いて多くなっています。どのような仕事内容を選ぶのかについては、兼業・副業を行う目的や自身の能力・余力とも関係しているようです。

なぜ兼業・副業をするの?

兼業・副業を行う理由・目的を見てみましょう。「生計を維持する」「貯蓄や自由に使えるお金の確保」の2つが圧倒的に多くなっています。特に生計維持については約5割となっており、自身のキャリアアップや仕事領域の拡大のために兼業・副業をする方は相対的に少なくなっています。

兼業・副業の目的

(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」をもとに作成

兼業・副業の今後の広がり

兼業・副業希望者は年々増加傾向にあります。国は兼業・副業を働き方改革の一つの施策として推進していますし、新型コロナウィルスで一気に普及したテレワークなど新しい働き方の後押しもあり、更に伸びていく可能性があります。一方、企業には兼業・副業への対応がますます求められるようになるでしょう。

今お読みいただいている皆さまの中には、「会社が兼業・副業を認めてないから自分には無理」、「社員には兼業をしてほしくない」、「仙台(地方)は関係ない」、「一部の人のみが対象でしょう」、「ITなど特殊な技能を持つ人のみの話だ」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、最近は、以前よりも手軽に兼業・副業を探せるようになってきています。中には、地域貢献に特化したもの、テレワークでできるものもあります。始める際のハードルが少しずつ下がっているようにも感じますし、すそ野が広がれば、兼業・副業に対する世の中のイメージも変わっていくかもしれません。

そして、兼業・副業の浸透によって、働き方改革が目指す「働く人々が、個々の事業に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるような社会」にも近づいていくのではないでしょうか。

仙台・宮城のリアルな声を聞いてみよう

今回は兼業・副業の現状についてお伝えしました。
動画配信では、宮城県に住む方々へのアンケート調査をもとに、企業として、一人の労働者として、人生100年時代を生き抜くためにどう行動するべきなのかを探っています。

兼業・副業に対して企業としてどう取り組むか、個人としてキャリアプランをどう築いていくのかを考えるきっかけなればと思います。ぜひご視聴くださいませ。

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