浜ののりバジル
カフェレストランSEASAW(合同会社fluir)

2025年10月27日

カフェレストランSEASAW(合同会社fluir)とは、仙台市産業振興事業団が主催する
第11回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞 浜ののりバジル

「第8回新東北みやげコンテスト」で「お取り寄せ特別賞」を受賞した「浜ののりだれ」。その商品をブラッシュアップし、おみやげ品としての需要を考慮しての小型化や無添加にすることでヘルシーコンシャスな人たちにも響く商品にしたことで、「浜ののりだれ」は、「第10回新東北みやげコンテスト」で最優秀賞に輝きました。




その最優秀賞を足掛かりに、人気YouTube番組「令和の虎」に出演。その知名度は大きく上がり、さらには「調味料選手権 2023」では、「地域の味ベスト賞」を受賞。その後、「にっぽんの宝物JAPANグランプリ2024-2025」日本一に、続く「世界大会2025」でもグランプリ輝いた、宮城が誇る逸品となりました。

そんなスター調味料を持つ、七ヶ浜の「カフェレストランSEASAW」は、なぜ新商品の「浜ののりバジル」を開発することになったのでしょうか。





カフェを運営する合同会社fluir代表の久保田靖朗さんは「この海苔とバジルのレシピは、最初の『のりだれ』を開発した当時からあったんです。当時弊社では小さな畑をやっていて、そこでバジルも育てていて。季節が夏だったので、『夏だし、新しい味をつくってもいいかもね』という話になって、マネージャーがつくってくれたんですよ。そうしたらめちゃくちゃおいしくて。商品として出したいとは思ったんですけれど、当時うちでは工場もなくて。お店のソースをつくる調理場で『のりだれ』の3種類を仕込んでいたから、もういっぱいいっぱい。それで出せなかった…というのが本当のところなんです」と、笑いながら話してくれました。


写真:久保田さんと、マネージャーで奥さまの加藤真子さん


「浜ののりだれ」が一気に有名になり、工場も稼働して生産体制が整ったところで、満を持しての登場となった「浜ののりバジル」。量産にあたって、自社の畑のバジルではなく、久保田さんは蔵王町の「ざおうハーブ」に依頼することになりました。
「やはり宮城のものを使いたいということ。あと、震災後の活動を通して、蔵王町議でもある『ざおうハーブ』の平間(てつや)さんのことを知っていたこと。それで『ざおうハーブ』さんにお願いすることになったんです」




久保田さんが意識したのは「海と山のマリアージュ」。同じ宮城の海のもの、山のものが一体となり、さわやかなのに濃厚でコクのある味に仕上がりました。ところが…。

「お店で商品として食べていただくソースとおみやげにするのは全く別物なんですよね。バジルって緑の食材で、緑の食材はすごく加工しにくいんですよ。色が悪くなるとか、香りが落ちるとか。かつ、生の状態からの加工になるので、今までとはもう全く違ったんです」




それでも試作に試作を重ね、「これならいける!」と確信した「浜ののりバジル」を完成させた久保田さん。しかし、そこにまた予期せぬことが起こります。
「2024年の5月に設計して、商品開発をして、検査機関にも出して、いろいろな方にもう卸していたんです。そうしたら、8月に入って、『なんか香りが違うな』と感じて。検査してみたら、あるロットから乳酸菌が出たんです。もちろん洗浄殺菌して万全を尽くしていましたが、バジルの葉についていた自然の乳酸菌が増えてしまった。乳酸菌とはいえ怖いので、9月のあたまに3000本ほど市場に出したものを自主回収したんです」


写真:「浜ののりバジル」と鶏ひき肉、玉ねぎ、パプリカを炒めてガパオ風ライスに。絶品!


7月の段階では「新東北みやげコンテスト」への応募を済ませ、一次審査を通過。11月の二次審査をわずか2ヵ月後に控えての自主回収となってしまいました。
「9月になってからもいろいろ試して、やり直して。10月あたまにあった『調味料コンテスト』も最終審査に残ったんですけど、棄権しました。でも、なんとか『新東北みやげコンテスト』だけは取りたい、やりたいと思って。そこからずっと商品開発し続けて、やっと『これは大丈夫だ』っていう工程が決まりました。最後の味の微調整は、実は前日の夜までやっていたんです」

その苦労が実り、翌日の「第11回新東北みやげコンテスト」では、優秀賞を受賞。郡仙台市長から笑顔で盾を受け取る久保田さんの笑顔が印象的でした。


写真:ピザ生地に「浜ののりバジル」を塗って、チェリートマト、モッツァレラチーズを乗せてオーブンへ。“追いソース”でバジルを散らせば、ワインも進むマルゲリータの出来上がり


今後について、伺いました。
「商品としてはもちろんですけれど、業務用なども展開できたらいいなと思っています。そうすれば、もっともっと生産者さんに還元できますから」


写真:フランスパンにコールスローとサラダチキン、キュウリを挟んでソースに「浜ののりバジル」を。うま味たっぷりバインミーになりますよ


久保田さんと開発担当のマネージャーである加藤真子さんの努力の結実ともいえる「浜ののりバジル」。2025年10月現在、原材料不足から一時生産を停止していますが、近日中に再販されることを期待しましょう!

久保田靖朗さんのこれまでのものがたりは、Yahoo!ニュースでご紹介しています。ぜひご覧ください。

カフェレストランSEASAW
(合同会社fluir)

所在地 〒985-0811 宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田浜長砂20-8
TEL 022-355-9119
URL https://www.seasaw7beach.com/