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『御用聞き訪問』と『産学連携支援』について|コラム#45

  • 資金繰り・事業計画
  • 新商品開発・新事業展開
  • 人事労務・採用育成

2025.09.26

皆さん、こんにちは。産学連携担当の久道好正です。
初めてのコラム掲載になりますので、簡単に自己紹介させていただきます。私は電気機器メーカーで商品の設計開発を担当していました。その当時は、県内外の企業様にも大変助けていただきました。その後は独立系設計会社で事業所運営(事業計画立案から利益管理等)を任されていました。次に国の研究機関で企画(大学との研究連携や研究開発成果の社会実装推進業務や公表等の業務)に携わってまいりました。
現在は産学連携の立場から地域企業課題解決マイスターの先生方と一緒に御用聞き訪問※1を行い、訪問した企業様の課題解決に向けた活動を行っています。産学連携については#32のコラムを参照してください。
まだ訪問させて頂いていない企業様も多くあります。今回は『御用聞き訪問』と『産学連携専門家派遣』について簡単にご紹介させて頂きます。

 

1.『御用聞き訪問』について

御用聞き訪問は産学連携支援の一つの形で、仙台市から委嘱された大学の先生と当事業団のビジネス開発ディレクター(BDD)が「何かお困りごとはありませんか」というスタンスで企業様を訪問させて頂く活動であり、企業様にとっては無料で大学の知を活かすことができるというメリットがあります。サザエさんに登場する三河屋さんをイメージしていただければ良いと思います。企業様が「間に合ってます」という状態が望ましいです。これまでに訪問させていただいた中で多かったと感じたご相談内容については、4項に記載します。皆様のところではいかがでしょうか?
この御用聞き訪問も20年が経過しました。これまでの活動については、御用聞き型企業訪問事業20周年記念事業※2に示すウェブサイトをご覧下さい。

 

2. 『産学連携専門家派遣』について

御用聞き訪問でお話を伺うと、時にはマイスターの先生方の専門分野以外の課題が出て来ることがあります。そのような場合は、私達BDDがその課題解決に適した大学の先生を探し、産学連携専門家派遣※3という支援制度を使い、御用聞きと同様に解決に向けたアドバイスを行います。中には大学との共同研究開発に発展したこともあります。
企業様が抱える課題は企業様ごとに異なりますので、少しでもお役に立てるような体制を構築しています。

 

3. 『企業間連携、取引先紹介』について

企業間での取引に関するご相談を受けることもあります。その場合は、BDDが過去に訪問した企業様情報や関係機関と連携しお役に立てるよう活動しております。中には、仙台経済圏を超えた都市間にまで範囲を広げた活動に発展する場合もあります。

4. 過去の相談内容について

御用聞き訪問の際に企業様から出て来る課題は、a.人材不足、b.自社製品開発、c.事業計画(次の方向性)の3つの課題が多いと感じています。御用聞き訪問では実際に企業様が置かれた状況をお聞きし、アドバイスさせていただいております。

a.人材不足について(人材採用に関する課題)

応募を検討する人は、その企業のホーページを確認し、どの様な会社なのか情報収集します。応募を検討する人に対しホームページから自社の事を理解してもらうことはマスト条件と思います。ホームページを整備したり、求人内容を解りやすく書く方法などは、事業団で支援することが可能です。
人手が不足するが故に、即戦力を求める傾向が強く見うけられますが、はたして即戦力と成りえる人材がどれだけいるかを考えてみて下さい。お金をかけてヘッドハンティングするという方法もあります。ヘッドハンティングの場合は、その人が貰っている待遇より魅力的な待遇を示すことも必要になってきます。人材を育てる余力が無いことは理解出来ますが、教えることが出来る人が居なくなってしまっては元も子もありません。人を育てる環境が整っていることは、応募を検討する上で重要なアピール要素に成り得ますので、今一度考えていただきたいと思います。

b. 自社製品開発について

自社製品開発については、開発途中の課題についての相談があります。また、これまでは請負事業を生業としてきた企業様が、自社製品を持って事業拡大を計画している企業様もあります。自社製品を持つことは、自社の技術をアピールし事業拡大するための一つの手法になります。大学の先生が持つ“知”を活かしつつ、これまでの成功事例を基にアドバイスして頂いております。

c.事業の方向性について

縮小する市場の中で活路を見出そうと考えている経営層の方もいらっしゃるかと思います。自社の強みは何か、自社の得意なことを活かして何が出来るか、その販路はどうすべきか、マイスターの先生を含め一緒に考えていきます。

5. まとめ

企業様が抱える課題は千差万別。些細なことでも構いません。BDD同士で情報を共有しお役に立てるよう活動していますので、まずはご相談をお待ちしています。

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久道 好正

産学連携コーディネーター

久道 好正

技術とヒトの両面から、ものづくりを応援!技術者として長年回路設計などに携わり、その後は技術者の教育や再就職にも取り組んできました。これまでの経験とネットワークを活かし、産学連携をサポートします。