新商品/サービス開発支援
「みやぎのピクルス」“みやピ”

2021年11月15日

\宮城県産にこだわった“みやピ”/

愛称は“へそピ”に“わらピ”に“ろめピ”。そして商品のシリーズ名は「みやぎのピクルス」で“みやピ”。これらは、秋保シードルの香りをまとった宮城県産食材のピクルスたち。


このピクルスの商品開発を手掛けたのは、IKI ZENの齋藤由布子さん。フードコーディネーターで管理栄養士でもある齋藤さんは、食生活相談を受けて来た中で、忙しい人、ストレスが多い人ほど、酢の物が足りないと常に感じてきたそうです。
「“より健康的な生活を目指して酢の物を多く取り入れましょう”と、さまざまな場面でアドバイスをしてきました。酢や柑橘類には、疲労回復や美肌効果があるといわれる成分が豊富に含まれます。そこで“手軽に食べられる”しかも“ヘルシー”なピクルスを作りました」。

写真:ご自身も「食のプロ」として活躍する齋藤さん

今回のメイン食材は、丸森町筆甫産の、へそ大根と天然筆わらび、そして栗原産のミヤギシロメ。「丸森町筆甫地区とは、援農ボランティアなどを通じて繋がりを頂く中で、『良い食材があるのに、ほぼ地元でしか消費されない』という課題も共有してきました。へそ大根や山菜は、地域内で大切に受けつがれてきた食材であり食文化です。従来の食べ方だけではなく、新たな魅力を後世にも伝えていければと思いました。ミヤギシロメは、栗原市にある川口納豆の門傅さんが育てている大豆です。私は門傅さんの農業や若手の育成に対する姿勢に共感していて、今回の商品開発についても相談してみたら、自社で栽培している大豆を使わせていただけることになりました」。


写真:「へそピは、お肉によく合うんですよ」と、齋藤さん


ピクルスの各レシピは、齋藤さんのオリジナル。「おいしいピクルスが市場にあふれている中で、どうすれば違いを出せるのかを試行錯誤しました。ピクルス作りではよく穀物酢やリンゴ酢が使われますが、後味が気になりなかなかワインに合う味にできなかったんです。そこで、国産のワインヴィネガーに秋保ワイナリーのシールドを加えてみたところ、ワインに寄り添う風味のピクルスに仕上がりました」。



写真:「わらピ」焼魚との相性が抜群なのだそう


齋藤さんは、調味料にもこだわりました。
「味付けに使用する調味料は吟味して選び、副材料のはちみつも筆甫産、梅干しは角田産、唐辛子は岩出山のよっちゃん農場のものなど、宮城県産にこだわりました。製造コストを下げようと思えば安い業務用があるのですが、自分が納得できる味にならない。ここで妥協してしまったら、せっかくの宮城県産食材の価値がなくなってしまいますから」。



写真:「ろめピ」は、アクアパッツァに添えるだけでなく、一緒に煮込んでもおいしいのだそう


さらに齋藤さんは、仙台市産業振興事業団の「新商品/サービス開発支援」を利用しました。マーケターやデザイナー、コピーライターなどブランディングのプロフェッショナルの力を借りながら、商品開発を進めていきました。
「民間ベースで依頼をすると何十万という費用がかかる部分を、事業団の専門家の方々に無償でサポートして頂きました。大事な最初の商品であるからこそデザイン、ネーミング、コピーはプロにお願いしたかった。ものづくりをするならこの制度を活用しない手はないと思います」と、話します。

写真:仙台市産業振興事業団「新商品/サービス開発支援」のチームとは、何度もミーティングを重ね、商品化をすすめていきました



現在、オンラインショップ他、仙台市内では、クリスロード商店街の「みやぎ・みちのくカイタク市場」、秋保ワイナリーにて、3種類のピクルスを購入することが可能です。
「今後も、パプリカやレンコンなど、宮城県産食材で新たなピクルスを作っていけたらと考えています」と、齋藤さん。次なる「ピ」が何になるのか、楽しみですね。



取材:2021年10月


公益財団法人仙台市産業振興事業団では、コロナ禍を乗り越え、付加価値の高い新商品またはサービスの開発を行おうとする事業者を対象に、マーケッターやデザイナーなど複数の専門家によるチーム支援を実施します。