夢☆宇宙米プロジェクト
「夢☆宇宙米おにぎり」

2020年8月17日

夢☆宇宙米プロジェクトは、仙台市産業振興事業団が主催する
「新東北みやげコンテスト」の受賞企業です。
第6回 「夢☆宇宙米おにぎり」アイディア特別賞



宮城県の県南に位置する角田市。豊かな自然に恵まれ、米や梅などの農産物がおいしいこと、そして宇宙航空開発機構JAXAの角田宇宙センターがあることから“宇宙のまち”としても知られています。

宇宙米① 写真:プロジェクトメンバーの4人。左から門間希道さん、森真孝さん、三由武仁さん、佐藤祐貴さん

その角田市で2018年にスタートしたのが「夢☆宇宙米プロジェクト」です。プロジェクトメンバーのひとりである、㈱森砂利店の森真孝さんは、「2019年に角田に道の駅ができるということで、地元のおみやげを作りたいと思いました。角田では、町おこしで5つの『め』をキーワードにしているんです。それが、米、豆、梅、夢、姫(*)なんです。そのうち、米と夢を合わせた商品を作ろう、ということになったんです」。

(*)宇宙への思いをはせることから「夢」、そして伊達政宗公の第二息女である牟宇姫が伊具郡角田要害主・石川宗敬に嫁いだことから「姫」

宇宙米② 写真:スペースXファルコン9は、アメリカのスペースX社が提供する商業用ロケットです

森さんは、「私どもは砂利採集業、建設業、生コンの販売が本業なのですが、鉱業ということで第一次産業に分類されるんです。同じ一次産業に携わるものとして、農業振興を行いたいという思いがずっとあったんです。地域振興、子どもたちの生涯学習を支援しつつ、農業振興ができることを考えました」。公益財団法人日本宇宙少年団かくだ分団の事務局を運営していた森さんは、JAXAともお付き合いがあったことから、JAXAへのコラボを申し出ます。
それが、「地元角田米の種もみをロケットで宇宙に飛ばす」ということ。「JAXAの方も『おお、いいね。珍しいけど面白いね』って言ってくれて。実際に、宇宙に持って行っても目に見えた変化はないけれど、宇宙を旅したからおいしくなっているんじゃないかな?なんて思っています(笑)」。

宇宙米③ 写真:国際宇宙ステーション「きぼう」内を浮遊する夢☆宇宙米の種もみ

2019年5月に打ち上げられた種もみは100g。「本当はもっと多く飛ばしたかったんですけれど、重さによって打ち上げの料金も変わるんです。打ち上げて、宇宙ステーションに運びこんで、そこで写真とビデオを撮ってもらうのに、実は1000万円もかかっているんです。もっと量が少なければお金は安いけど、今度はお米を増やすのが大変になってしまう。2年目からある程度生産が軌道に乗るようにとなると100gが妥当でした」と森さんは話します。

宇宙米④ 写真:現在のバリエーションは3種。今後の展開も楽しみですね

打ち上げられた種もみは1ヶ月間国際宇宙ステーション「きぼう」に滞在。6月に地球に帰還、7月に田植えされ、10月末に20kg弱収穫できました。現在販売されている「夢☆宇宙米おにぎり」は、2019年に宇宙を旅した種もみと同じ田んぼで取れたものを使用して製造されています。
夢☆宇宙米おにぎりの味は、鮭、わかめ、五目の3種類。消費期限も製造後5年と長期保存が可能で備蓄食料としておすすめですし、宮城ならではの品種「ササニシキ」を使用していますので味も折り紙つきです。

今年も夢☆宇宙米の作付けを行っており、来年は宇宙を旅したお米を使って「夢☆宇宙米おにぎり」を製造したり、精米して販売する予定です。

宇宙米⑤

宇宙米⑥ 写真:お湯を注げば15分、水を注げば60分で、かわいらしい三角のおにぎりができあがります

このユニークなアイディア商品は、2019年の「第6回 新東北みやげコンテスト」で初お披露目されました。「それまで、細々とやっていたので、受賞は嬉しかったですね。地元・角田の人からも『外からの人からも評価してもらえたんだね』と言ってもらえましたし、メディアにも取り上げられて、うれしい限りです」。

宇宙米⑦ 写真:「第6回 新東北みやげコンテスト」でアイディア特別賞を受賞しました

2020年には、5000㎡ほどの作付けにも成功したため、2tほどの収穫が見込めるそう。「お客さまの中には、『米粉にしてほしい』という方もいて。米粉にしたら、麺やパンの展開も可能になりますね」と夢はふくらみます。

宇宙米⑧ 写真:そのまま食べてももちろんおいしいのですが、「鮭」は、焼き鮭と合わせてだし茶漬けに。朝食や、夜食にもぴったり

宇宙米⑨ 写真:「わかめ」は、ほぐしてごま油で炒めたじゃこと合わせチャーハンに。味付けには角田名産である梅を使った梅干しを使用しています

現在は、角田市内の道の駅かくだ、阿武隈急行線の角田駅、台山公園内にあるコスモハウスのほか、プロジェクトに参加した森砂利店、ファミリーレストラン美よし家でも購入が可能。さらに、仙台市内ではPARCO2の「東北スタンダードマーケット」でも販売されています。

宮城のユニークなおみやげを求めている方、おいしい備蓄食料を探している方は、ぜひ手に取ってはいかがでしょうか?

商品の詳細はコチラ



夢☆宇宙米プロジェクト
(株式会社森砂利店)

事務局:〒981-1505 宮城県角田市角田字中島上100-1
E-mail:dream-space.rice@gmail.com
URL:http://www.morijariten.com/dream_space_rice-1.html

宇宙米⑥

撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャル(初年度から現在まで。来季で15季目)のほか、雑誌媒体の取材(街ナビプレス・仙臺いろはマガジン・ウォーカー・るるぶ)、商業写真撮影、番組用写真撮影と各方面で活躍。

堀田さんトリミング

取材/2020年7月






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