秋田県醗酵工業株式会社
秋田杉GIN

2021年9月6日

秋田県発酵工業株式会社は、仙台市産業振興事業団が主催する
「新東北みやげコンテスト」の受賞企業です。
第7回 「秋田杉GIN」地域性特別賞



今や空前のクラフトブーム。クラフトビール、ウイスキー、コーラ…。そしてなにより世界的な注目を集めているのが、ジャパニーズ・クラフトジンなのです。

写真:産学官連携で生まれた「秋田杉GIN」


ここでジンというお酒について少しだけ解説すると、ジンは17世紀にオランダで熱病対策に開発されたお酒。大麦やライ麦、トウモロコシなどを原料とした蒸留酒にジュニバーベリーなどのスパイスを漬け込んで再蒸留し、各メーカーがそれぞれの香りを持つジンを開発しています。そんなジンに、ご当地ならではの材料を漬け込んでつくられるのがクラフトジン。

写真:天然秋田杉の葉。リラックス効果もある香りを活かしたクラフトジンをつくることになりました


そんなクラフトジンブームの中、秋田工業高等専門学校、秋田県立大学、秋田県総合食品研究センター、そして秋田県醗酵工業株式会社による産学官連携で生まれたのが「秋田杉GIN」です。
秋田県醗酵工業株式会社の菅美登里さんは「緑に恵まれ日本酒をはじめとする酒文化も豊かな秋田県で、天然秋田杉の香りを活かしたお酒をつくることができないかというプロジェクトが発足し、資金をクラウドファンディングで調達。その返礼品として出資者の方々へお届けした『Akita Dry Gin』をより多くの人に味わっていただきたいという想いから商品化したのが『秋田杉GIN』なんです」と教えてくれました。

写真:杉の葉のほかに、これらのボタニカルを漬け込むレシピを完成させました


ウイスキーが流行っていた中、「原酒が少なくなった後、世界的にジンブームがきていました。ジンは、漬け込み、香り付けするのに比較的自由度の高い酒類であり、秋田の特産品の特徴を活かすには向いていると話し合い、秋田県を代表する日本三大美林の一つである「天然秋田杉」の香りを再現したクラフトジンを開発したいというプロジェクトが走り出しました。まげわっぱや住宅の資材になるのは秋田杉の幹の部分で、葉の部分はいつも廃棄されていたんです。でも、香りが一番いいのは葉の部分で、リラックス効果があるということが学会でも発表されるなど科学的根拠も伴っていました。秋田杉の葉の清々しい香りと、ジン特有のハーバルな風味が絶妙にマッチングするよう、およそ1年に及ぶ分析、研究を重ねました」。

写真:杉の葉とボタニカルをアルコールに漬け込み、深い香りを引き出します


秋田杉の葉に含まれているイソプレノイドという香り成分は、人間がリラックスしているときに発するα波という脳波を増強することがわかっています。そのアロマ効果を活かし、さらにオレンジピールやレモンピールといった柑橘系をも漬け込むことによって、さわやかですっきりとした味わいのジンが完成しました。「焼酎や日本酒では、まず香りを加えることはせず、素材の香りを活かすことが一般的です。この『秋田杉GIN』は杉の葉やオレンジピールなどもすべて漬け込んで、浸漬(しんせき)法と呼ばれる方法で抽出、蒸留しています。季節の温度によって素材のエグみが出てしまうなど難しい方法ではあるのですが、直接漬け込むことでボタニカルの香りをより深く引き出すことができるんです」。

実は、秋田県醗酵工業株式会社では、地元で「ばっけ」と呼ばれるふきのとうのとうを使用した『秋田CRAFT美GIN』というジンを製造した経験があり、その経緯もあって今回のプロジェクトに参加したのだそうで「クラフトジンの魅力のひとつに『季節ごと、仕込みごとに味が変わる』というのがあるとは思うのですが、この『秋田杉GIN』に関しては、これまでの弊社の経験と、製造ラインもあることから、安定的に生産することを第一に製造しています。クラウドファンディングの返礼品のときには無濾過だったので少し濁ったジンだったのですが、販売にあたってブラッシュアップし、見た目もクリアで、シャープな味わいにし、まるで飲む森林浴のようなジンに仕上げました」。

写真:秋田杉GINの炭酸水割に合わせたのは、ローズマリーポテト。乱切りにしたジャガイモに塩コショウして、多めのオリーブオイルで揚げ焼きに。仕上げにローズマリーを散らせば出来上がり!

写真:塩コショウ、薄く小麦粉をまぶしたメカジキをバターでソテーして、ディルを散らした「メカジキのディルソテー」とも相性抜群。まわりに散らしたソースは「ざおうハーブ」のディルドレッシングを使用


「新東北みやげコンテスト」での受賞によるみやげ需要が高まったほか、5月には「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2021」で最高金賞を受賞。「おかげさまで、多くの引き合いをいただくことができました」と、菅さんは話します。

写真:マンゴーやベリーなど、凍らせたお好みのフルーツにジンを注いで、ちょっぴりスイートなカクテルに


菅さんは「なかなか外に飲みに行くことができないこの時期、お家でちょっと贅沢な時間をこのジンと過ごし、リラックスしていただけたらうれしいです」と、家飲みでの需要拡大に期待を寄せます。


この秋は、香り豊かな「秋田杉GIN」で、リラクシングなバータイムを楽しんではいかが?

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秋田県醗酵工業株式会社

所在地 〒012-8511 秋田県湯沢市深堀字中川原120-8
TEL 0183-73-3106
URL https://www.oenon.jp/



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