株式会社テセラクト | 開業者インタビュー | 仙台市起業支援センター アシ☆スタ

開業者インタビュー

株式会社テセラクト

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ビジネスグランプリ2018 奨励賞 ~高齢者向けプログラミング教育キット~

御社の事業の特色、強みなどについてお聞かせください。

このごろ、若宮正子さんという方が日本人最高齢プログラマーとしてアップルの開発者向けイベントや国連で講演し、メディアにも取り上げられて脚光を浴びていますが、この方にプログラムを教えたのが私です。そして、若宮さんに教えた経験を基に開発したのが、当社の高齢者向けプログラミング教育になります。

若宮さんはスーパープログラマーのように報道されていますが実際は「配列」というプログラミングでは基本的な概念もやっていません。では、どうやってリリースまで行けたのか?それは若宮さんの頑張りが一番ではありますが、教える内容を最小限にする工夫もしていました。最終的なゴールの形をイメージして、それに合わせて必要なことだけを教え、余計なことは一切やらずに難しい場合は回避するという独自の手法です。サンプルプログラムのある部分をそのまま使えば同じ機能を組み込める、この部分を変えれば表示される文字が変わる、というように、ブロックを組み合わせるような感覚でお年寄りの方でもできる形にしています。シニアのみなさんが職業プログラマーになるのではないからこその割り切りです。

子ども向けのプログラミング教育はかなり増えて来ていますが、お年寄り向けプログラミング教育は競合がいない状況です。また、子ども向けの簡単なプログラミング言語ではなく、マーケットにリリースして他の人にも見てもらえるようスマートフォン用のIPhoneやiPadで動かすことのできる「Swift(スウィフト)」という言語を使っているのも特徴です。そのため、作ったアプリを簡単に家でお孫さんに見せて自慢できますし、若宮さんが世界中で話題になったのもiPhoneアプリだったからこそです。

起業の経緯やこれまでの歩み、苦労したことなどについてお聞かせください。

仙台のシステム開発会社に勤めていた私は震災直後、塩竈・浦戸諸島の漁業復興を支援する「うらと海の子再生プロジェクト」を立ち上げました。ちょうどITの主流がスマートフォンやクラウドなど新しいものに移り変わる時代の変わり目だったこともあり、2012年4月に個人事業主として独立。仕事の幅を広げるため、株式会社テセラクトとして法人化しました。

若宮さんからは最初、「お年寄りが若者に勝てるゲームを作ってください」と言われたので、まずはどういうものであれば若者に勝てるのか、若宮さんやほかのお年寄りの方からヒアリングを行い、一緒にアイデア出しを重ねながら、最終的に「ひな祭り」のアプリを作ることに決めました。さらに、それを私が開発するのではなく若宮さん自身が開発することで大きな話題になると確信して、若宮さんを説得し、技術的な指導を行ったことが日本人最高齢プログラマー誕生へとつながりました。

若宮さんは神奈川県藤沢市に住んでいたのでほとんどが遠隔での指導でした。目の前にいれば一緒に画面を見て指を差して教えられますが、画面のここにあるこれを選択して…というのを言葉で説明するのは大変。結局、若宮さんに何度も仙台に来ていただいて、アシ☆スタ交流サロンで教えたりもしました。

今後の展望や一緒に取り組みたいビジネスパートナーは?

まずは仙台のイベントスペースで教室を始め、フランチャイズ展開でビジネスとして拡げていくことを考えています。そのための教材を作成し講座も開講いたしました。
https://senior-programming.net/course/

併せて、「シニアプログラミングネットワーク」というコミュニティーを行っています。すでに仙台と東京・渋谷でキックオフイベントを行っており、今後は教室を月1回程度開放して「もくもく会」(自由に集まって各自黙々と勉強したり作業したりする会)を開催しています。そうするともっとしっかり学びたいという人も出てくると思いますので、そのときにプログラミング教育が受け皿になります。

お年寄りが苦手なのはどういう操作か、お年寄りが楽しいと思うのはどんなものか、それはお年寄りが自分で作れば一番よく分かります。そういった知見をもっと表に出していくと、いま日本で負債として捉えられているお年寄りを資産化できます。日本の輝くお年寄りを世界に誇れる武器にしていく、そのために、お年寄りの方向けの事業を行っている企業さんと協働できればと思っています。

これから起業を目指す方へのメッセージをお願いします。

お尻に火が付かないとやる気にならないので(仕事を辞めて)全力投球した方がいい、と言う人もいますが、私は反対の立場です。ちゃんとお客さんが見えてくるまでは会社を辞めない方がいい。ビジネスコンテストに出すのも自分の事業がいけそうかどうかを判断するバロメーターとしてはいいですよね。そこでお客さんがつくかもしれませんし、まったく声が掛からなかったら何か変えないといけないなと判断できます。

分かりやすく、目立つように、刺さるように、ということも大事です。若宮さんの例がそれを端的に示していますが、どうやったら話題を作れるか、その話題で人を集められるか。人が集まらないとお金が集まらないしビジネスにもなりません。注目を集めるといっても悪目立ちでは意味がなくて、社会に貢献するストーリーを描けるかどうかも重要です。

開業者情報

社名
株式会社テセラクト
代表取締役
小泉 勝志郎
開業
2015年7月
HP
https://www.tesseract.site/
電話
090-8616-1431
所在地

塩竃市尾島町8-20

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