開業者インタビュー

株式会社未来企画

医療・福祉

ビジネスグランプリ2018 グランプリ大賞 ~医・食・住の複合施設による地域共生型まちづくり Projectアンダンチ~

御社が設置・運営する「アンダンチ」についてお聞かせください。

医食住と学びの多世代交流複合施設「アンダンチ」は、入居者一人一人の「自分らしい暮らし」を大切にするサービス付き高齢者向け住宅「アンダンチレジデンス」に、看護小規模多機能型居宅介護事業所「HOCカンタキ」を併設しています。
そのほか敷地内には、施設で働くスタッフの子どもたちを中心にお預かりする「アンダンチ保育園」、手作り料理で健康をサポートする日本食レストラン「寝かせ玄米と日本のいいもの いろは」、障害者就労支援事業所と交流が生まれるコミュニティースペース「アスノバ」、地域の子どもたちが集う「駄菓子 福のや」も設けます。

我々が目指しているのは、入居者の方も地域の方々も、子どもから高齢者まで、障害があろうが無かろうが、あらゆる人が気軽に集まり、自分の役割を持ちながら心豊かに暮らす「地域の縁側」。地域住民の方々との交流イベントも積極的に行い、地域・多世代交流による豊かなまちづくりに貢献していきます。

起業の経緯やこれまでの歩み、苦労したことなどについてお聞かせください。

大学時代から起業を考えており、卒業して住友商事東北株式会社に入社してからも、取引先の経営者の方の人生観などに触れ、いつか事業を起こしたいという思いを持ち続けていました。妻の父が医者で、医療ではできない部分、看護や介護が必要な方の住まいの部分を事業として考えてほしいとも言われていました。

決断したのは震災後の2012年3月。実際に退社し、取り組み始めたのは、2013年10月。
はじめに、医療と介護をどう組み合わせることが地域のためになるかを考え始め、小規模多機能型居宅介護事業に行き着きました。
医療と組み合わせながら、いわゆるデイサービスや訪問介護、ショートステイ、ケアマネジメントを1カ所で行っていくことが出来る小規模多機能サービスが、ご本人にとってもご家族にとって一番いいのではないかと思ったのです。

そして、もう一つ理由があります。独り暮らしだった私の祖父は廊下で倒れて亡くなっているところをヘルパーさんに発見されました。その後、妻の祖父が自宅療養で最期を迎えたときには、子どもや孫がみんな集まっている中で息を引き取っていく姿を見て、良い最期の迎え方とは何か?を考え、在宅でしっかり介護をしようと心に決め、今もスタッフみんなと取り組んでいます。
開所から1年ちょっとは非常に苦労しました。利用者さんがなかなか集まらず、スタッフも半分以上が辞め、その分私がやるしかありませんので家に帰れない日々が続きました。それでも実直にケアを続け、その積み重ねで周りから少しずつ信頼を得ることができたと感じています。利用者さんもほぼ定員となり、一緒にケアをしたいと頑張ってくれるスタッフも集まってきてくれました。

今後の展望や一緒に取り組みたいビジネスパートナーは?

地域の農家さんと一緒に地産地消に取り組んでいきます。地元の食材を積極的に使うことで地域も潤うようにしていければと思っています。レストランの調理で使い、パッケージングして店で売り、売れ残った分は夕食に使う、農家さんは毎日一定量が売り上げとなり、私たちは地元の旬の食材が味わえて、食品ロスもありません。

施設内の庭では日曜にマルシェを開いたり、アスノバではレンタルスペースとしてヨガや音楽の教室を開いたりと、トライしたい人たちにも集まってもらえればと思います。そういう人たちを応援する意味も込めて、にぎわいをもたらすものや生活にプラスになるものを積極的に取り入れていきたいです。

この事業のひとつの意義は「子どもたちへの教育」なんだと思います。認知症がある人、障害のある人、多種多様な人が周りにいる環境で育っていけば、大人になっても自然な接し方ができ、人間としての幅が広がります。お年寄りの経験や知見が交流の中で子どもたちにちょっとずつ伝われば人間育成につながりますし、お年寄りの介護予防につながる側面もあります。

これから起業を目指す方へのメッセージをお願いします。

起業に限らず、いかに一歩を踏み出すかが重要で、その積み重ねがいずれ大きな違いになります。こうやったらいいと本に書いてあっても、それを実際にやる人は少ない。取りあえずやってみるとか、人の話を受け入れるとか、そういう素直さは私も大事にしたいと思っています。失敗したら次はどうやるか考えればいいだけ。楽観的かもしれませんが、そんなポジティブさも必要です。

あとは、相談できる人、メンターのような人がいると安心できますよね。私も苦しいとき義父の言葉に救われました。起業する前に「結婚して家族が“できたから”何かができないという選択はしないでほしい」と言われたことも覚えています。「“or”ではなく“and”の選択をしなさい」と言われて、どうすれば両方ちゃんとやっていけるかよく考えなさいということだと受け取りました。いまでもその言葉は大切にしています。

開業者情報

社名
株式会社未来企画
代表
福井 大輔
開業
2011年8月
HP
http://andanchi.jp/
電話
022-352-7613
所在地

仙台市若林区荒井7丁目4-1

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