株式会社ヤマトミは仙台市産業振興事業団が主催する、新東北みやげコンテスト受賞企業です。
第4回 「金華さばのハンバーグ」入賞

世界三大漁場のひとつ、三陸の海を臨む石巻市に本社を置く株式会社ヤマトミ。

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山と海をイメージさせるコーポレートロゴが目を引く食品会社です。

ヤマトミロゴ

「これまでは業務用卸が中心の水産会社だったけれど、震災を機に一般消費者向けの食品会社としてやっていこうという思いから、ロゴマークの必要性を感じました」と話すのは、常務取締役の千葉尚之さん。

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公的機関から、「プロの力を借りるべき」とアドバイスされたことから、コーディネーターと面談。さまざまなデザイナーの過去の実績を見て、もっとも自身のイメージに近いデザインマトカの遠藤和紀さんに依頼しました。

「何人かいたデザイナーさんの中で、我々の思いをくみ取ってくれるデザイナーさんが遠藤さんでした。とても才能豊かな方で、何案かつくってくださった中から選びました。コーポレートをつくったことで、箔が付いたと思います」。

 そんな千葉さんを中心とする商品開発チームが2年の歳月をかけて開発し、「今後は社の看板商品に」と意気込むのが、「金華さばのハンバーグ」です。

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「震災前は寿司ネタがメインの商品でした。コンビニさんに恵方巻の具材を卸したりと、業務商品だったんですね。ところが、震災で工場が大きなダメージを受けただけでなく、売り先が限られていたのと、材料が入ってこないためにつくれる量が限られていました。そんな中で、復興応援などのイベントで対面販売のお誘いがあったので、『じゃあ、一般消費者向けの商品をつくってみようか』ということになったんです」。

 三陸沖で獲れる金華さばは、宮城県民にとっておなじみですが、全国的には“幻のさば”と言われるほどに希少価値が高い食材。良質の脂が乗ったその美味しさは、日本中の食通をうならせています。

さば

  そんな金華さばを贅沢に使用したハンバーグが、株式会社ヤマトミの「金華のハンバーグ」。千葉さんは「当初は、さば100%でやろうと思ったけど、なかなかうまくいかなくて。僕らにとっては“さば100%”がこだわりではあったのですが、お客様にとっては食べやすいほうがいいという結論になり、今の形になりました」。

 良質の金華さばのほかに、玉ねぎ、セロリなどの香味野菜に加え、リンゴ果汁なども加えて食べやすさを重視しました。

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 「臭みを抑制する野菜を入れたほか、トマトソースには5種類のハーブを入れました。そのかいあってか、お魚が苦手だというお子さまにも好評をいただいています」。

 商品の開発にあたって、自治体や復興庁の支援を活用し、足掛け2年をかけて商品の開発に成功しました。
 そしてなんといっても目を引くのが、スタイリッシュなパッケージ。「一緒に事業を進めるにあたって、復興庁の方が連れてきてくれたデザイナーさんがいて。その方の協力のもとにパッケージやウェブサイトのデザインをしていただきました。おかげさまで、パッケージデザインに関してはどこに行っても大変よい評価をいただいています」。
 さらに復興庁から紹介されたデザイナーの手により、特設サイトも開設しました。

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 工場内で、ひとつひとつ手づくりされている「金華さばのハンバーグ」は、地元石巻のお土産店やオンラインショップのほか、全国展開する大型スーパー「コストコ」でも販売。その美味しさに加えて、添加物を一切使用していない安全性がヘルスコンシャスな人たちから高い評価を得ています。

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「さばは世界中で食べられているポピュラーな食材です。世界三大料理の国・トルコではさばのサンドウィッチが名物となっているほどなので、ぜひハンバーガーショップなどとコラボレーションしてこの金華さばのハンバーグを使ったハンバーガーを提供したいですね」と、夢は広がります。

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 そうした上で千葉さんは、「今後の課題は、コスト。金華さばを使用していることと、ひとつひとつ手づくりにこだわっているので、どうしても割高になってしまうんです。一般の低価格のスーパーに置くことを考えたら、つくり方や中身も変えないといけないかもしれないですね」と、分析します。

 一般向け商品は、この「金華さばのハンバーグ」だけではありません。煮焼きあなごや無添加いか塩辛、〆さばのほか、忙しい現代人が手軽に焼き魚を食べられるようにと「金華さばの塩焼き」も開発。この商品は、人気通販番組「ショップチャンネル」で紹介されるや否や、一躍人気の商品となりました。

「地元の伊達の旨塩を使って焼き上げていて、おかげさまで多くの方に興味を持ってもらえました。今後は、さばプロジェクトとして、ニッチなところを攻めていこうとも考えています。現在、シンガポールの病院食でなにかできないか思案中です」と、世界市場もにらんだ商品開発に取り組む予定だといいます。

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 世界三大漁場・三陸の海の「おいしい」を武器に、株式会社ヤマトミの挑戦はまだまだ続いていきます。



株式会社ヤマトミ

住所:〒986-0028 宮城県石巻市松並1-15-5(本社)
TEL:0225-94-7770 FAX:0225-94-7780
URL:http://yamatomi-isi.com/index.php

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撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャルのほか、広告、雑誌、ウェブなど幅広く手掛けている。

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