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インタビュー

企業の先輩

産地と消費者をつなぎ、人々の食を支える

仙都魚類株式会社 澤 大和さん

仙台市民の台所とも呼ばれる仙台中央卸売市場内で水産物卸売を営む仙都魚類株式会社。生産者やメーカーから仕入れた水産物を、仲卸業者などへの販売を通じて、一般消費者へ届けています。

今回は、仙都魚類株式会社で働く澤大和さんに、市場の仕事ややりがい、プライベートの過ごし方について聞いてみました。

仙都魚類株式会社 澤 大和さん

仙都魚類株式会社で働く澤大和さん。笑顔が素敵!

競りが始まる前の仙都魚類。各地から仕入れた水産物が所狭しと並ぶ

競りが始まると、飛び交う大声とともに市場内は活気に満ちていった

好きな魚に関われて、人間関係が良いところに惹かれた

2018年に仙都魚類株式会社に就職し、現在、水産食品部凍魚課に所属する澤さん。

幼い頃から魚が好きで、大学では海洋生物の研究をしていました。水産物卸売の仕事をしている先輩や関係者が周りに多くいたこともあり、自然と水産物卸売に興味を持ったそうです。

「さまざまな企業の説明会やインターンシップに参加しましたが、仙都魚類が一番楽しかったです。案内をしてくれた方の印象が良く、人間関係の良さを感じることができました」

就職活動をする上で、最も重要視していたのは人間関係。澤さんが所属する凍魚課には5名の社員がいて、上司との関係も良好だと、笑顔で話してくれました。

澤さん

出身は山形県、大学は北海道。「より地元に近い地域に就職したいと考え、仙台の会社を選びました」

マグロ

市場には人の背丈ほどある大きなマグロがずらりと並ぶ。この迫力を体感できるのも仕事の醍醐味だ

市場の仕事にコミュニケーションは欠かせない

市場の朝は早く、朝4時半頃には出社します。7時まで市場内で仲卸業者さんやバイヤーさんと商談をしたり、何気ない世間話をしたりします。

「世間話をすることも大切な業務の一つ。人と人との信頼関係のもとに成り立つ仕事なので、コミュニケーションは欠かせません。新人時代は先輩と一緒に回りながら、商品と販売先の顔を覚えました。『この人だから買おう』と思ってくれる方が多く、自分が紹介した商品では買ってくれないけど先輩が紹介した商品だと買ってくれた、ということも過去にありました。商品を売り込むこと以上に、自分を売り込むようにしています」

凍魚課では、ほたてや赤魚、えびなどの冷凍品をメインに扱っている。この日は新商品のほたてを売り込み、完売することができた

7時に事務所へ戻ってきて、次の日の発注や商談の準備をします。9時からは、メーカーや仕入れ先と新商品の商談や情報の交換。商品がどのような値動きになっているのか、要望が多い商品は何か、という話をヒアリングするそうです。

お昼頃に業務が終わるため、仕事帰りにお店や病院などへ行くことができて便利なのだとか。プライベートな時間を効率よく過ごすうえでも、メリットがある働き方といえますね。

澤さん

事務室に戻り、事務職の社員と商談の確認を行う

お客様に喜んでもらえることが嬉しい

「商品が売れない時は大変です。買ってもらうにはどうしたら良いかを考え、何回も通って交渉をします。そうならないように、普段からより良いものをお手頃な価格で仕入れるように心がけています」

スーパーに並ぶ時には、商品は小分けにされたり包装されたりして別の形に変わっていますが、澤さんには自分の商品だと分かるそうです。

「自分が紹介した商品が店頭に並んでいる時は嬉しいです。買ってくれるお客様がいるかどうか、ついつい陰から覗いてしまいますね(笑)。他にも、調理されてお弁当になったり、飲食店で提供されたりと、様々な形でお客様の元へ届き、喜んでもらえることが一番嬉しいです。人々の食を支えていると思うと、夢がある仕事だなって思います」

商品やお客様の動向に即座に対応できるよう常にアンテナを張る。メモ帳は必携アイテムだ

新型コロナウイルスの影響で、飲食店からの仕入れが減少していることを受け、スーパー向けの営業に力を入れるなどの工夫もしています。

「飲食店に行けないので、代わりに『おうちでいいものを食べたい』という方が多いですよね。普段はスーパーに並ばないような、ちょっと高級な食材を紹介することもあります」

職場環境が整っているから安心して働ける

大学を卒業し、朝早く起きる生活を始めるにあたって不安や不満は全くなかったと語る澤さん。

「社員寮があり、まずはそこで早起きの生活リズムを身につけます。先輩と一緒なので、仕事を教えてもらいながら、人間関係を築くこともできます。
他にも、社員食堂で朝食や昼食をとることができるので、食生活も安心です。おかずは肉料理も出ますが、やっぱり魚がおいしいです!」

朝食と昼食は社員食堂で。栄養に配慮されており、健康的な食生活を送ることができる

魚釣りにゴルフに、充実したプライベート

仕事だけでなく、プライベートも充実した日々を送っているそうです。

「休日は釣りへ出かけることが多いです。この業界には釣り好きが多いので、他の会社の人から『今度、一緒に釣りに行こうよ!』と誘ってもらうこともあります。また、最近ゴルフを教えてもらって、すごく楽しかったです。仕事だけでなく、趣味でも気が合うって最高ですよね!」

朝早くから楽しめる趣味があることで、休みの日もアクティブに過ごせるのは魅力的ですが、学生時代の友人と生活のリズムが合わないことについては気にならないのでしょうか。

「学生さんの今の生活習慣からは考えられないかもしれないですね。でも、意外と社会人になると、そんなに友達と仕事帰りに飲みに行く機会はないですよ(笑)。友達も仕事のことを理解してくれているので、寂しい気持ちになることはありません」

売り場には次々と人が来て、澤さんに声をかけていく

目標は一から商品を作り出すこと

澤さんに今後の目標を伺うと、「営業成績を良くすること」と「一から商品を作ること」と答えてくれました。「一から商品を作る」というのは、どういうことなのでしょうか。

「例えば、スーパーから『こういう商品がほしい』と要望があったとします。既存の商品に当てはまらない場合には、原材料を仕入れ、加工業者に依頼して、商品化することがあります。

どの加工業者に頼めばやってもらえるのか、原材料の手配、生産コストやお店での販売価格、お客様に手に取ってもらうためのパッケージ等々、たくさん考えなければいけません。そのためには、小売業者からの信頼や、生産者や業者との交渉力、商品化までの流れを把握できる豊富な経験が必要です」

澤さん

顧客の要望に応える商品をつくるため、日々経験を積んでいく

魚を知らなくても大丈夫、大切なのは喜んでもらえること

落ち着いた雰囲気の澤さんですが、お客様とのコミュニケーションをとり、真摯に商品と向き合う、熱意ある姿が印象的でした。また、休日もアクティブに活動して、充実したプライベートを過ごしているのも素敵です。

最後に、就活生へエールをいただきました。

「魚のことを知らなくても、飛び込める仕事です。知識は先輩やお客さんから教えてもらったり、実際に試食をしたりして、少しずつ身につくので心配する必要はありません。
特に、人と話をすること、食べることが好きな人にはぴったりな仕事だと思います。生産者と消費者をつなぎ、人々の食を支える仕事にぜひ挑戦してください!」

(2021/4/23取材 ライター/撮影:笠松 宏子)
※撮影時は、マスクを外していただきました

澤 大和さん 仙都魚類株式会社

プロフィール
出身は山形県、大学は北海道。より地元に近い地域に就職したいと考え、仙台の会社を選ぶ。魚は食べることも釣ることも好きで、休日はプライベートで仕事の関係者と釣りに行くほど、アクティブにすごしている。

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