人と人との関係を大切に ものづくりを支える仕事
株式会社ニノテック
株式会社ニノテックは1946年創業のエンジニアリングサービス商社。
工場やオフィス向けの設備や機器、システムを主に取り扱い、生産現場や職場環境の最適化を提案しています。
今回は仙台支店に勤務する髙橋 裕(たかはし ひろ)さんに、仕事の内容ややりがいについて、お話を伺いました。

髙橋裕さん。福島県出身。大学では古文書の研究をしていたという。趣味はアカペラ
東北のものづくりを支えたいという思いで商社に就職
福島出身の髙橋さんは地元の大学を卒業後、2020年にニノテックに入社。同年8月に仙台支店に着任しました。
現在は制御部に所属し、工場やオフィスで使用される制御部品やシステム、OA・FA機器の営業を担当しています。
※OA機器はオフィス業務の自動化に使われる機器。FA機器は工場の自動化に使われる機器。

髙橋さんが勤務する仙台支店。本社のある福島県には営業所のほか物流センターなどの拠点もある。
入社から2年、営業の仕事を精力的にこなす髙橋さんですが、就職活動を始めた頃は明確なキャリアプランがあったわけではなかったと言います。
「具体的な志望先企業がなかったので、まずはいろいろな企業の情報を収集しました。住宅メーカーや様々な業界の商社を受けたり、大学職員の説明会にも参加したりしました。」
就職活動が進むにつれて、自身の中で徐々に方向性が見えてきたそうです。
「人と話すのが好きなので、営業職が自分には合っているんじゃないかと考えるようになりました。東北で育ったので、東北に貢献したいという気持ちも強かったです。」
ニノテックの存在は地元のテレビCMを見て以前から知っていたとのこと。
「地域のものづくりを支える仕事に魅力を感じました。また、社員の皆さんが楽しそうに笑っていたり、いきいきと話をしたりする姿を採用試験の際に見て、この会社で働いてみたいと思いました。」

朝と夕方は事務所で顧客への連絡や書類作成などを行う。日中は顧客を訪問することが多い。
誰にでも相談できる、前向きになれる環境
髙橋さんに職場の良いところを伺うと、すぐに答えが返ってきました。
「相談しやすい雰囲気があるところです。自分で調べてみてもわからないことは、周りに聞くことができます。直属の上司でなくても気軽に相談できます。
また、弊社には失敗を責めるよりも、未来に向けてどのようにすべきかを考える文化があります。
以前、部品を発注しようとしたら、すでに製造が終了していて発注できないトラブルがありました。私の確認不足が原因なのですが、上司が一緒に対応策を考えてくださって、メーカーと調整した結果、なんとかその部品を調達することができました。
一瞬、頭が真っ白になって焦りましたが、同時に周りにサポートしてもらっていることを実感したできごとでした。」

困ったことがあれば、上司や先輩がサポートしてくれる
続いて、ご自身の業務についても聞いてみました。
「会社の方針やルールの範囲内であれば、自分の行動を自分で決められるところが営業の良いところです。当然、売上目標は設定されていますし、責任も伴いますが、自分の裁量で進められる分、自由度が高く、自身の能力を発揮しやすいと感じています。
また、地元企業とのお付き合いを通じて、知見が広がるのも魅力の一つです。例えば、製造系企業との取引を通じて、製造業の世界を知ることができますし、製造業の中でも業界や企業によって、さらに異なる世界を垣間見ることもできておもしろいです。」
人と人との関係づくりこそ営業職の本質
楽しそうに営業職を語る髙橋さん。仕事のやりがいはどういったところにあるのでしょうか。
「何度も通ったお客様から発注をいただけた時や、『髙橋さんから買うよ』と言っていただいた時は嬉しいですね。製品の費用対効果だけを見るのではなく、製品の売買を通じて、一営業員としてお客様に認められることにやりがいを感じます。
お客さまのお話を伺って、ニーズを把握し、ソリューションを提案する。営業の仕事には、単なる製品の売買にとどまらず、人と人との関係を築いていく役割があると考えています。」

髙橋さん「製品はお客様と弊社を結ぶツールに過ぎません。お客様との信頼関係が何よりも大事です」
髙橋さんは、スマートフォンで日経新聞やネットニュースを読み、常に業界の動向を確認しているとのこと。また、社内にFA機器に関する雑誌や業界新聞もあり、収集した情報は必要に応じてお客様にも提供しているそうです。
「現在、世界的に半導体や金属が不足しており、製品の納期の遅延が問題になっています。弊社が扱う商品にも半導体が使われているものが多く、お客様に供給できないことに歯がゆさを感じています。世界規模の問題なので、自分たちができることは限られているのですが、できるかぎり供給してもらえるようにメーカーと調整しています。」
楽しいことばかりではなく、時には大変なこともあるのですね。そんな髙橋さんに、今後の目標についても聞いてみました。
「既存のお客様とより良い信頼関係を築き、売上につなげていきたいです。今後は新規顧客にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。一つ一つの積み重ねによって、最終的に自分のキャリアや人生を豊かにしていければ良いなと思います。」

髙橋さんが使用する営業車。現在は既存顧客を訪問するルート営業が中心だが、今後は新規開拓にも挑戦していきたいと語る。
人と話すのが好き。仕事でもプライベートでも
営業職として充実したキャリアを歩む髙橋さん。プライベートはどのように過ごしているのでしょうか。
「大学時代の友人と会って話したり、食事に行ったりします。服が好きなので、セレクトショップや古着屋を回ったりもします。店員さんとの会話を楽しむのもストレス解消法の一つです。
基本的に、人の話を聞くのも、人に話すのも好きなので、仕事・プライベート問わず人に会うようにしています。思いがけない出会いがあったり、知人から別の人を紹介されたり、どんどん関係が広がっていくのが楽しいです。」

営業でも、就活でも、準備が重要だと話す髙橋さん。
最後に、就職活動をしている方に向けてアドバイスをお願いすると、ご自身の就活体験や営業経験をもとにお話してくださいました。
「やりたいことがすでに決まっている方は、目標に向けてきちんと準備をすることをお勧めします。
志望業界や企業の研究をしたり、自分の考えをまとめたりしておくことで、発言に説得力が増しますし、自信にもつながります。面接で緊張しなくて済むかもしれません。
採用されるためには、相手が知りたい情報を自分の言葉でわかりやすく伝えられなければいけません。そのためには入念な準備が必要です。これは営業の仕事にも通じることです。
やりたいことがまだ見つかっていない方は、すぐに答えを出さなくて良いと思います。私もそうでした。視野を広く持って、まずは興味のある業界や職種を調べてみる。その上で、自分の考えに合いそうな企業に絞っていくと良いのではないでしょうか。」
おわりに
営業の仕事というと、“強引に商品を販売する”といったネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。しかし、今回の取材では、そのような言葉は出てきませんでした。
「人と人との関係を築くことが営業の仕事」だと、ポジティブに話す髙橋さんの笑顔が印象的でした。人と話すことが好きという髙橋さんにとって、営業の仕事は天職なのかもしれません。
今後の更なるご活躍が楽しみです!
※撮影時は、マスクを外していただきました