人々の想いをつなげ、安心を支える仕事
株式会社東北通電工 菅野 綾二さん
携帯電話の基地局やテレビの放送設備、水位・雨量の観測所など…情報通信インフラは今や我々の生活に欠かせない存在になりました。そして、そのインフラを工事・整備する人たちもまた社会に不可欠です。
株式会社東北通電工は、電気通信工事を行う仙台の企業。最近では5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴う設備の設置も増えており、急速に多様化・高度化する情報通信の技術革新を支えています。
今回は、入社5年目の菅野 綾二さんに電気通信工の仕事ややりがい、職場についてお話しを伺いました。

菅野さんは宮城県仙台市出身。釣りや古着屋巡りが好きで、休みの日はほとんど外へ出かけているというアウトドア派
高所作業は先輩の指導で安心して取り組める
就職活動中は進路に悩んでいたという菅野さん。
「自分にどんな仕事が向いているのか、何ができるのか分からなくて…」と、学生時代を振り返ります。そんな時、楽しそうに仕事の話をしていた叔父から声をかけてもらい、出会ったのが東北通電工だったといいます。
地上から50メートルの高所で作業することもあり、入社当初は不安を感じていたのだそう。
「最初は怖かったですが、先輩たちが丁寧に仕事を教えてくれたので、安心して取り組むことができました。仕事に慣れてくると、自然と高所作業への恐怖も和らいでいきましたね。ただ、現場は安全第一なので、常に気を引き締めて作業に取り組むようにしています」

高所で行う防災無線用スピーカーの取り付け。フルハーネスという滑落制止用器具を着用して作業する
体力がなくても大丈夫、アクティブな人には最高の環境
電気通信工事の業務は力仕事も多く、現場では体力が要求されます。
入社当時、握力が女性の平均並みだったという菅野さん。体力にも自信がなく、不安もあったそうですが、日々の仕事を通して自然と体力がついてきたといいます。その結果、現在の握力は男性の平均以上に。

最初は自信のなかった力仕事。今ではしっかりとこなす余裕がでてきた
仕事では現場に出ていることがほとんど。東北各地へ出張することもあります。
「特に移動距離が長い場合は、近隣の宿泊施設に泊まります。でも週末には自宅へ戻れるので、オンとオフの切り替えはきちんとできるんですよ」
出張は長くても1週間程度。原則、日帰りで現場活動を行います。
「市街地から山奥まで、普段行けないような環境に身を置くことができて、毎回新鮮な気持ちになります。自然豊かな景色を眺めながら釣りやドライブを楽しむのが好きなので、東北各地に赴くことができるこの仕事は自分にとても合っていますね」
普段から体を動かしたり、さまざまな場所へ行くことが楽しみだというアクティブ派の菅野さん。現場へ向かう移動の合間に、会社の仲間と各地のおいしいものを食べることも楽しみのひとつだそうです。
また、設置作業は4、5人のグループで行い、毎回メンバーも異なるため、社内の多くの人と関わることができるのも仕事の魅力だといいます。
「他のスタッフとの連携が大切です。常に先を見通し、周りの行動を確認しながら作業をしています」

チームでコミュニケーションを取りながら計画的に業務を遂行する
若い力が増え、活気あふれるオープンな雰囲気
東北通電工では5年ほど前から新卒採用にも力を入れはじめました。これまでに9名の新卒者が入社し、退職者は1人も出ていません。今では若い人材が増え、職場には活気があふれています。
多くの経験を積んで、現在は後輩を育てる立場になった菅野さん。指導方法について試行錯誤の日々を過ごしています。
「後輩をきちんと育てながら、自分の技術を向上させるのが今の課題です。教えるのに集中してしまい、ついつい自分の仕事が後回しになってしまうことがあります……。効率よく自分の仕事をこなしながら、後輩へ丁寧に指導をするにはどのようにすれば良いのかを常に考えていますね」

入社から5年が経ち、後輩を指導する立場に
工事依頼が立込む年度末の繁忙期を避け、業務が落ち着く時期に後輩へ指導をしたり、先輩へ業務の確認をしたりと、時間の使い方にも工夫を凝らします。また、現場での作業をよりスムーズに行うための準備も欠かせません。常に胸ポケットにメモを入れて持ち歩き、別のノートで内容を整理する姿からも仕事への真摯な姿勢が感じられます。

胸ポケットに入れるメモ用ノート(左)と引き出しに入れている要点整理用ノート(右)
会社の良いところを伺うと「仲が良く、風通しの良い職場です!」と、笑顔で話してくれました。
「コロナ禍以前は、定期的に会社の敷地内で芋煮会やバーベキューを行っていました。社員同士はもちろん、家族ぐるみでも仲がいいんですよ。新しい人でも打ち解けやすい雰囲気があります」
オープンな社内環境が良好な人間関係を育み、現場でのチームワークにもつながっているようです。中でも明るい性格の菅野さんはムードメーカー。取材時も周りから次々に声を掛けられるほど、仲間から頼られる存在となっています。
一方、職場の悪いところや困るところを聞いたところ、元気よく「ないです!」との即答が。本当に働きやすい職場であることが伝わってきました。
資格取得で技術を磨き、人々の支えとなりたい
菅野さんは現在、電気工事士の資格取得を目指し勉強中です。
東北通電工では入社時より「資格取得手当」を支給。試験に関わる費用を会社がサポートしてくれます。
「働きながら勉強をするのは大変ですが、知識と技術を身に付けるためにも資格取得は必要だと思います。会社が補助という形で後押しをしてくれるのはありがたいです」

取材中も笑顔が絶えない菅野さん。仕事を全力で楽しんでいる姿勢が素敵です
最後に今後について聞いてみました。
「会社以外の人と関わることが少ないですし、誰かの役に立っている光景を直接見られるわけでもありません。しかし、高い鉄塔に登って通信設備を無事に設置できた時には、自分が人々の生活を支えているんだな、という達成感が得られます。学ぶ姿勢を忘れずに、チーム一丸となって技術を磨き、これからも皆様の支えとなれるようがんばりたいです。」
東北通電工では会社見学を受け入れています。高所作業車が事務所にある場合は、ハーネスをつけて試乗体験もできるそうですよ。携帯電話の基地局設置など、電気通信工事に興味を持った方は、ぜひ会社説明会に参加してみてください!
(2021/10/15取材 ライター/撮影:笠松 宏子)
※撮影時は、マスクを外していただきました

菅野 綾二さん 株式会社 東北通電工
- プロフィール
- 宮城県仙台市出身。入社5年目。工事部に所属。釣りや古着屋巡りが好きで、休みの日はほとんど外へ出かけているというアウトドア派。