AZUL Energy(アジュールエナジー)株式会社 | 開業者インタビュー | 仙台市起業支援センター アシ☆スタ

開業者インタビュー

AZUL Energy(アジュールエナジー)株式会社

その他

電池が持つ可能性を広げて、新たな製品やサービスを生み出したい

燃料電池・空気電池用の触媒電極材料の研究・開発をしていると聞きました。詳しい内容やその特徴を教えてください。

次世代エネルギーとして期待されている燃料電池は、まだまだ規模が小さい分野です。ボトルネックの1つになっているのが、触媒に使用されている「白金」という貴金属。希少な金属のため、資源の制約やコスト、耐久性といった問題が燃料電池の普及につながらない要因になっています。そんな中で私たちが注目したのが白金の代替となる「触媒」です。塗料などに使われる顔料を電池材料に応用させ、青色顔料とカーボンを原料とした「AZUL触媒」を開発しました。安価かつ、性能と安全性が高く、白金触媒を超える新素材として研究を進めています。さらには「燃料電池で見出した技術を空気電池にも応用できるのではないか」と考えました。空気電池は補聴器用電池として既に製品化されている小型のボタン電池ですが、リチウムイオンを超える次世代電池として期待されています。リチウムイオン電池に比べると未だマイナーな電池で、研究を行う企業や研究機関が少ない状況ですが、ニッチな分野に着目したことや、そのチャレンジスピリットも私たちらしい特徴だと思っています。

起業しようと思ったきっかけは何ですか?

私は前職で機能性フィルムと呼ばれる、特殊な機能を有するフィルムの研究開発と用途探索に携わっていました。その時に今回の触媒材料とは別のテーマで共同研究を行なっていたのが、当社で取締役・CSOを務める東北大学材料科学高等研究所の藪 浩先生。当時、先生のラボでは白金に置き換わる可能性を持った電池用触媒を見出し、その実用化のためにベンチャー企業を立ち上げようとしていたのですが、話を聞いているうちに私自身がそのおもしろさと可能性に惹かれてしまって(笑)。そこから半年ほどの期間を経て、藪先生と研究を担当していた阿部先生と3人で2019年7月に会社を共同設立しました。大企業にしかできないことももちろんあるけれど、0から1を作り出すには自由度のあるベンチャー企業のほうがおもしろいことができるのではないかと思っていました。

空気電池はこれからどんな分野に生かされていくのですか?

現時点では充電ができませんが、高容量で小型化を特徴とする空気電池は、同じ重さのリチウム電池に比べ約3倍容量が大きく、長持ちするという特性を持っています。そうした「小型で長時間持続するパワーを持つ」という理由から、ウェアラブルデバイス用途のほか、ドローン用の軽量で航続時間を延ばす次世代電池としても期待されています。電池の小型化が進めば、電池を使うあらゆるものが今より小型・軽量化され、ウェアラブルデバイスに代表される電子機器の形状がより自由になることも考えられますね。近い将来フィルム型電池の実用化を目指していますが、「電池には乾電池に限らずいろんなバリエーションがある」という可能性も示していきたいと思っています。

アシ☆スタのサポートで印象に残っているのはどんなことですか?

自分で会社を作ると決めてから会社設立のためにあれこれ勉強する毎日だったのですが、検索でヒットしたのが仙台市産業振興事業団“アシ☆スタ”でした。会社設立の登記や税務手続きなどの窓口相談を受けたことで、どういう会社の体制を作るべきか、ということを知ることができました。その後も仙台市産業振興事業団からは全国の自治体や企業とのマッチングなども提案していただき、とてもありがたく思っています。振り返ってみれば、最初の起業相談のヒアリングから会社設立、設立以降も様々な場面で「アシ☆スタ」に支えていただいたような気がします。

今後の展望を教えてください。

会社の立ち上げからすべて手探りでやってきて、今、半年が経ったところです。自分たちでも燃料電池や空気電池等の次世代電池に可能性があると思って続けてきましたが、最近では多方面から応援の声や支援をいただく機会が多く、やはりエネルギー分野およびベンチャーのチャレンジはたくさんの人に注目されているのだと感じます。その分、私たちも期待に応えなければと思う日々です。電池はインフラで、人々の生活に直結する製品。私たちの製品から画期的なモノやサービスが生み出されて、人々の生活スタイルを快適にし、さらに環境面でも低炭素でエコな持続性のある社会の実現に貢献できたらと思っています。
また、普通のサラリーマンだった自分は起業のために一歩を踏み出してよかったなと感じているので、同じように起業を考えている企業に所属する方の背中を押すきっかけにもなれたらうれしいですね。もちろんうまくいくことばかりではないし苦労もありますけど、自分の想いを持って、チャレンジすることに意味がありますから。

取材日:2020年1月8日

開業者情報

企業名
AZUL Energy株式会社
代表取締役
伊藤 晃寿
設立
2019年7月
HP
https://www.azul-energy.co.jp/
E-mail
info@azulenergy.co.jp
所在地

仙台市青葉区一番町1-9-1 仙台トラストタワー 10階 CROSSCOOP内

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