2017年4月3日更新

防食塗料「ステンレスペイント」を開発・製造する家業を継ぐために仙台へ戻ってきた松原史男さん。その翌年に、東日本大震災で工場が被災。困難な状況から工場再建を成し遂げた力強さの背景には、音楽で培ったソウルフルな精神がありました。

ステンレスペイント05


お父さまが経営されていた会社を継ごうと思ったきっかけを教えてください。

東京の大学に進学してそのまま向こうで就職したんですが、結婚を機に2010年に仙台に戻りました。震災直後は、工場の再開は正直無理かなと諦めかけていたんですが、たくさんの方々から応援やご支援をいただき、「辞める」という選択肢はいつしか消えていました。おかげさまで、仮設工場から防食塗料「ステンレスペイント」の生産を再開することができましたし、家業と本気で向き合えるようになったのも震災を経験したからだと思います。

製品カタログ制作のご相談で仙台市産業振興事業団に来られたのは、その頃なんですね。完成したカタログはかっこいいですよね!

業績が回復してきて展示会へ出展してみようと思ったことが、カタログ制作のきっかけです。デザイン支援を受けることができると聞き、相談に伺いました。 鉄鋼会社を経営していた祖父が錆止め塗料をつくりはじめ、後を継いだ父が若林区に工房を構え長い年月をかけて研究開発を重ねてきました。職人気質の父は売り方や営業が苦手だったため、私はまず販路開拓に力を入れようと思ったんです。普通のカタログをつくっても目立つことができないし、何よりも私がつまらない。「どうせつくるなら、かっこいいものをつくろう」と考えました。


防食塗料「ステンレスペイント」製品カタログ

防食塗料「ステンレスペイント」製品カタログ

展示会での評判はどうでしたか?

おかげさまでたくさんの方に手に取ってもらうことができ、商談機会の創出にとても役に立ちました。手に取りたくなる表紙デザインはもちろん、父が磨きあげた製品のよさをわかりやすく伝えることができるようになり、内容面でも満足しています。

ご相談に来られた際、明確なビュジュアルイメージをお持ちでしたが、どんなところからアイデアが生まれたんでしょうか?

東京に住んでいた頃からDJをしていて、フライヤーをつくったり、いろんなレコードジャケットを見たりしてきたことは影響していると思います。 仙台でもクラブイベントを開催しているんですが、今もアナログレコードを使ってDJをしています。ニューヨークに買いに行くほどレコードが好きで、ダンボール80箱くらいは持っています(笑)。アナログレコードのよさを知ってほしくて、若い子たちにDJを教えたりもしています。

ステンレスペイントレコード写真
自宅に保管しているレコードの一部

経営者としても邁進され、仕事も私生活も充実されていますね。最後に将来のビジョンについて教えてください。

仕事の面では、雇用を増やして地域活性化に貢献できたらと考えています。 また、私のベースにある音楽の面では、若い子たちに音楽の楽しさを伝えるようなフェスを企画してみたいですね。地域の人も一緒に楽しめる、お祭りのようなフェスがいいなと思っています。仕事を頑張れるのは、充実した私生活あってこそなので。

ステンレスペイント04

仮設工場での生産を経て、2017年2月に新工場の再建を果たしたステンレスペイント有限会社。エネルギッシュで前向きな松原さんにお会いして、スタッフ一同元気をもらいました。

社屋写真02

2017年2月再建を果たしたステンレスペイント有限会社


ステンレスペイント

<経済産業省東北経済産業局 第6回ものづくり日本大賞 東北経済産業局長賞 受賞>  塗膜が柔らかく密着性に優れた、振動による剥離のない重防食塗料。 耐侯性にも優れ、海水や薬品が触れる部分の塗装用にも推奨している。

ステンレスペイント

ステンレスペイント有限会社

ステンレスペイントロゴ


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