2018年3月2日更新

日本では、その歴史を6世紀にまでさかのぼるといわれているコマ。
男の子の遊び、というイメージが強いコマですが、そのかわいらしいデザインで女性たちのココロをがっちりつかんで離さないのが「つたや物産」の飾りコマです。
雪深い山形県米沢市の工房を訪ね、そのていねいな手しごとを拝見しました。

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木製独楽生産量日本一の工房「蔦屋」。

創業大正2年(1913年)の「つたや」は、木地屋として、こけし、輪投げ、『車もの』と呼ばれる木地玩具をつくってきました。
木にはおひさまの光がいっぱい蓄積され、ぬくもりややさしさがあるもの。だから、木のおもちゃは、小さな子どもから大人まで、手にしただけでほっこりした気分になるのです。

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3代目木地師 蔦 文男さん。

3代目木地師として、これらの木地玩具をつくっているのは、蔦文男さん。
なんと、小学生のときからこけしづくりに携わっているそうです。
「最初っから木に顔を描くわけにはいかないからさ、湯飲みで練習するんだよ。湯飲みだったら陶器だから、消せるでしょう」。
こけしの頭は丸いため、湯飲みの曲線を利用して、上手に顔を描く練習をしたそう。
実際に木地を轆轤(ろくろ)でひいたのは、高校生のころだったといいます。

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ひとつひとつていねいにつくる手に、コマへの愛情を感じます。

「もうこけしはつくっていないんだよ。今は、コマと、コマの回転を利用したからくりの木のおもちゃだね」。
蔦さんがつくるコマの中に、例の飾りコマがありました。

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鬼とは思えないかわいさ。「泣いた赤鬼」の赤鬼と青鬼。


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児童文学の不朽の名作「泣いた赤鬼」の赤鬼と青鬼、そして蔦さんが長らくつくってきたこけし、そして達磨をモチーフにした飾りコマです。

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達磨とピエロをモチーフにしたコマ。

山形に拠点を置くデザイン会社「コロン」から、飾りコマの提案をされた蔦さんは「最初はえーって思ったよ。だって、おれがつくるこけしの顔と全然違うし。正直、かわいくねーなって思ったんだよ(笑)。でもさ、いろんな人に見せたら『かわいい、かわいい』って言うからさ。じゃあ、つくってみようかって」と、意外な誕生秘話を教えてくれました。

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かわいらしいこれらの飾りコマは、瞬く間に話題となり、取り扱う雑貨店などで人気商品となりました。また、2017年「第4回 新 東北みやげコンテスト」((公財)仙台市産業振興事業団)では、優秀賞を受賞。東北の新しいおみやげとしても、注目度が高まっています。

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「ひとつひとつ手づくりだからね。大量生産ってわけにはいかないんだよ。大体、おれらは道具からつくらなきゃいけないからさ」。
だからこそ、ひとつひとつに宿るやさしさが、手を通じて伝わってくるのかもしれません。

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蔦さんのアイデアが存分に生かされた、からくりの木のおもちゃ。
ひもを引っ張ると、桃太郎が鬼を退治したり、一寸法師が鬼から逃げたり…と、それぞれユニークな動きをします。


生まれながらの職人である蔦さんは、寝ても覚めても仕事のことを考えているのだそう。
「寝ているときに、おもちゃの仕掛けを思いついたりすると、すぐに紙に描いておくんだよ。『どうしたらたのしくなるかな』っていうのは、いつも考えているねぇ」。

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工房にて、日々木のおもちゃをつくっている蔦さんとスタッフのみなさん。
作業中は真剣そのものですが、ひとたび手を休めれば明るい笑顔がはじけます。


現在は、小学校などで「コマの遊び方」などを教えているという蔦さん。「この先も、手づくりのぬくもりのあるおもちゃのよさを伝えていきたいと思ってるんだ」。
蔦さん、そして工房で働くみなさんの手から生み出されていく、あたたかなおもちゃは、この先もずっとずっと愛されていくでしょう。

商品の詳細はコチラ





株式会社つたや物産

住所:〒992-0076 山形県米沢市小野川町2458
営業時間:8:00~18:30
TEL:0238-32-2805
URL:komav7.com
担当者:蔦 幹夫

つたや看板


撮影/堀田 祐介

東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャルのほか、広告、雑誌、ウェブなど幅広く手掛けている。

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