SENDAI for Startups! ビジネスグランプリ2017

受賞者インタビュー
株式会社TBA(Tohoku Bio Array)
代表取締役 犬飼 忠彦 氏
設立時期:2013年7月
事業内容:遺伝子検査紙製造・販売業
所 在 地:仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 T-Biz 307号室 (022-721-7822)
U R L:http://www.t-bioarray.com
御社の製品の独自性についてお聞かせください。
「どこでも誰でも簡単に」をキャッチコピーに、簡易遺伝子検査のための検査紙を製造して販売しています。専門的な話は省きますが、検査試験紙のどこに色が着くかによってどんな遺伝子、ウイルス、感染菌がいるかを目視で判定できるものです。

遺伝子検査の診断キットというのは医療機器メーカー各社が作っていますが、我々が提供するのはその一部分である、特殊な検査紙「C-PAS」です。我々が開発した核酸クロマトグラフィー「STH(Single-stranded Tag Hybridization)」という方法が要になっています。パソコンのメーカーや機種が違っても同じCPUが入っているのと同じように、その部分を各社に提供するというビジネスモデルです。

この検査紙「C-PAS」の良さは、どこでも手軽に検査できるということ。それが一番必要とされるのは医療のインフラが整っていない発展途上国で行う感染症の検査です。遺伝子検査にもいろいろな機械があり、人の遺伝子を全部読んでしまうような高級な設備や、感染症検査で100サンプル以上の結果を2時間で出してしまうものもあります。しかし、そうしたハイエンドの市場に向けて高額な機械を作っている欧米の大企業は、途上国の市場には手を出しません。

だからこそ我々は、医療のインフラの整っていないところで、現地のメーカーさんとディストリビューターさんと一緒になって、市場を広げようとしています。
検査紙「C-PAS」の開発に至るまでの経緯を教えてください。
私は1999年ごろから日本ガイシ㈱に籍を置き、社内ベンチャーで遺伝子検査をするための道具を検討していました。その一つとして、インクジェットの技術を使ってDNAをプリントし、遺伝子検査の道具を提供することをビジネスとして模索していましたが、なかなか市場のニーズを把握することができませんでした。

手軽に使えないということがその原因だという結論に至り、もっと容易にできる方法を2009年ごろから研究し始め、検査紙「C-PAS」を開発しました。それを持って仙台に来て発足したベンチャーが㈱TBAです。

いくつか完成しているものがあり、すでに結核菌とデング熱ウイルスについては市場投入間近のところまできています。
今後の展望と、それに向けて一緒に取り組みたいビジネスパートナーは?
日本の診断キットメーカーに対してはこれまでも売り込んできていてお付き合いはありますが、こういう感染症の検査には慎重のようです。国内にマーケットがないので、魅力的ではないということかもしれません。

そのため今は海外、特に我々がターゲットにしているようなASEANの医療関係の企業さんとビジネスマッチングを進めており、タイ、ベトナム、マレーシアで話がつながりそうなところが出てきています。中国も薬事申請を取ろうというところまで来ている会社さんがあります。そういうメディカル関係の企業を今後も開拓していきたいと思います。

技術的なところで改良の余地もあり、「どこでも誰でも簡単に」といいながらも、現状では前処理に1台数十万円する「PCR」という機械が必要になっています。感染症が蔓延している発展途上国で使ってもらうには高額で、今後普及のハードルになるので、この機械をなくしたい。そのためのアイデアもあるので研究を進めていきます。

もう一つは、使っていただくところを広げようという用途開発。アジア各国を歩いていると、その地域ごとにやっぱりいろいろな感染菌があるんですよね。そういうエリア特異的なものに広げて開発していきたい。ある特定のウィルスや菌に対する検査紙「C-PAS」は2〜3カ月で新たに作り出せる見込みですので、それを最先端の医療が受けられるようなリッチな人たちではなく一般の方に行き届くようにしていきたいと考えています。
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